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俺死んだのか、2回目の人生始まる。  作者: 只野人
2章 激動の時代
212/258

212話 無法地帯

セントの難民たちは街道ではもう食料の調達が出来なくなっていた、その為に今度は村を襲う様になっていた。ただ襲うのではなく難民たちが村を占領していったのだ。食べるだけではなく育てる事にしたのであった。難民とてこのままではいられないと考え村を襲い占領して村人は殺すか奴隷にしていった。ナポリ王国の軍は閉じ籠り派遣されることが無いために難民たちは大手を振って村を襲い、自分たちの物としていった。何しろ数だけは多くいるセント王国総人口の約5分の1がナポリ王国内に難民となっているのだ。


難民に村が支配されていくと村人たちが難民となっていく。だがセントの難民たちとは違い町に逃げ込んでいく。その領地の貴族達に助けを乞うためである。領地持ち貴族もこの村人たちの村奪還はやらなければ今度は自分たちが植える事になる。貴族兵を派遣して討伐に向かうが、数が多く疲弊していく。そして最後には難民たちに殺されていった。村を奪還しても次々と難民が押し寄せ最終的には難民が勝利する構図となっていた。

そして町でも食料不足が深刻化していく。村などから食料が運ばれなくなっているからであった。

もう町中に居ても安全とは言えなくなっていた。町の住人たちが食料の奪い合いを始めていたからだ。そして外に出ていく事にもなっていた。

村の畑で今度は町の者たちが盗む事になっていた。そして争いになる。

もう秩序など何もなくなっていた。ナポリ王国全体が無秩序な無法状態と化していた。

ナポリ王都でも争いが絶えず、唯一城内だけが平和を保っていた。

それも長くは続かない。王都民たちは王の失策がこの食料不足を招いたことは知っている。そして王都民は城へと詰めかける。城内の食料を奪うためであった。



多くの王都民が殺されていく。其れでも王都民は止まらない、いや止める事が出来ないかった。今日の食料がもうなかった。王都民たちは皆‾飢えていた。一粒の麦を求めて王城へと傾れこんでいる騎士や兵士たちも民衆に飲み込まれていく。


そしてナポリ王国の王や一部の者達は民衆が城へ押しかけた事をいち早く察していた。王都一部の者達は城を捨て逃げていた。

城を占領した事で民衆は、一度落ち着きを取り戻していたが城内の蔵は民衆たちが持ち出したことで空になっていた。

ナポリ王都は無法地帯となってしまった、民衆が小店を襲い殺して物を奪う金ではなく力が支配する事になってしまった。



セント王国


アル「こんな状態になるとは思いもしなかったな。」

デラ「そうですね。ナポリ王国内は無法地帯です。誰かが治めなければこのまま続くでしょう。」

アル「セント王国との国境をゴーレムに防壁を早急に作らせるぞ。絶対にセントに入れるな。」

デラ「了解しましたが、早くセント王国の宰相を探してください。二つの国の面倒は見れませんよ。」

アル「ああ分かってる。今回は頼むな。急ぎなんだ。」

デラ「まぁ分かりますけどね。なるべく早くお願いします。」



アルはセント王国に一歩も入れるつもりはない。追い出したこともあるが盗賊と化したもの達はもう普通の生活を送る事は出来ないだろう。セント王国に入れば殺されると思っているがいざとなればこちらに来ることも考えられる為に国境沿いに防壁を造らせることにしたのだ。

ゴーレムをフル稼働しても防壁が今日明日には出来事は分かっている。その為に、兵士たちとワイバーンの国境警備を強化していく。


アルは隣のダレリア王国へも警告していく。レイモンドが王を務めているからだ。セント王国よりダレリア王国の方に行きやすくなっている。ゴーレムを派遣して防壁を造らせる手配もしていく。


ロング帝国にも警告をと思ったがアルは止めしまった。ロング帝国は大国なのだ多少の難民ならば受け入れる事はするだろうと思ったからだ。


そんなナポリ王国を尻目にセント王国内で減ってしまった人口の補充にゴーレムを使い始めていた、各農家にゴーレムを派遣していった。単純に今のセント王国民の農地が倍に増えてしまっている。一家で作業する事が不可能な状態なのだ、其処に補充する目的でゴーレムの派遣である。1体のゴーレムで2,3家族の畑を耕すことも管理する事もできる計算で各村へと派遣していく。

これは農家の者達に大いに喜ばれた。単純作業のゴーレムであるが、24時間働く事で農家の仕事がだいる減っている。広くなってしまった畑も何とか維持できた。


セント王国は、他にも色々と対策を講じていった。

畑を放牧地に変更したり、果樹園にも変えていった。そうする事で麦より高いものを作るようになっていく。高く売れるように成ればそれだけ農家は裕福になっている。


デラ「アル様、ロング帝国に酒を売りましょう。ロング帝国の酒の消費量は異常ですから売れますよ。」

アル「ロング帝国の北の地域だろ。純度の高い酒じゃないと売れないだろう。」

デラ「大丈夫です、セント王国内でエールが大量に余りましたそれを蒸留して酒に変えていくます。」

アル「なる程ね、デラに任せるよ。」

デラ「私でなく、セントの者にやらせます。人を育てていかなければいつまでたっても渡しの仕事が減りませんから。」

アル「ごもっともだな。」

デラ「人選は任せて下さい。フフフフ私が楽になる為に、セントの者を教育していきます。」


アルの背中に冷たいものが垂れていた。これは関わってはいけないとアルは思った。ブルブル


そんな時に隣の王であるレイモンドから要請が入って来た。ナポリ王国の難民がダレリア王国へとやってきているとの事であった。ダレリア王国は入国を全面的に拒否している。一人でも許可を出せばズルズルにになってしまうからだ。今は何とか国境で防いでいるが数が多いためにいつ突破されてもおかしくない状況であった。国境の防壁工事もまだまだ完成にはほど遠い、今しかチャンスはないと思っているのかナポリ王国からの難民が増えてきているようであった。


アルは、急ぎダレリア王国へ向かう事にした。デラにはさんざん文句を言われたが、元が優しいデラである承諾してくれることは分かっていた。デラに全てを任せてアルは急ぎダレリア王国へと向かった。



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