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俺死んだのか、2回目の人生始まる。  作者: 只野人
2章 激動の時代
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211話 死なない戦争

セント王国の暫定王であるアルは、セント王国の東の国境まで来ている。東の隣国がセント王国と事実上の戦争状態となってしまっていた。


それは元のセント王が、東の隣国へ助けを求めたようだ。元セント王国国王はアルの温情により処刑を免れ一貴族へとなり生き延びたが、持ち出した金も尽き村3つでは元王として生活が続かずに、姉が嫁いでいた隣国に援助要請したことが始まりであった。

セント元王は、金と引き換えにセント王国を売り渡したのだ。隣国ナポリ王国は元セント王国王の救援を受ける形でセント王国へ攻め込んできた。ナポリ王国はセント王国の村や町を服従させて取り込んでいった。それはかなり計画的で、アルたちも気づかずに上手くやられてしまった。

アルたちが気づいた時にはセント王国に東側一帯はナポリ王国の旗が立っていた。


ナポリ王国のやり方は巧妙であった。軍を組織した訳ではなくあくまでもセント王国民・貴族からの要請で動く形を取っていた。

その地の貴族を懐柔してしまう。領民たちには優遇する約束で、村や町ごと国を鞍替えさせていったのだ。

戦いがある訳でもなく、いつの間にか国が変わっていたと言う様に一部の貴族や領民たちが暗躍していたのだ。

アルたちが気づき抗議に使者を出し、ナポリ王国が元セント王からの依頼で動いた事か判明したのだ。もうその時には元セント王はナポリ王国へと逃げてしまっていた。



戦いもないままにセント王国は領土を失ってしまった。そしてアルは現状の国境で対策を講じているのだ。

ナポリ王国へ鞍替えをした元セント王国の町や村をアルは再占領するかを迷っていた。自らナポリ王国の民になるとしているのであればアルは仕方ないと思うが、国としては許すことは出来ない。何らかの報復をしなければならない。

そこで民たちはナポリ王国を選んだことでもうセント王国の民ではなくなった。であれば民だけをナポリ王国へ押し付ける事にしたのである。

方法としては至極簡単であった。ドラゴンたちにゆっくりと歩かせればいいだけであった。セント王国が領土と取り戻すと宣伝をしてドラゴンたちを国境から寝返った町や村から追い立てる事で勝手に逃げるだろうとかんえたのだ。

その結果、逃げる者とその場に留まった者に別れた。逃げ出した者達は、ナポリ王国の協力者たちだ。貴族や恩恵を受けた者達である。この者達はドラゴンが現れるといち早く逃げ出した。金目の物を持ち出して出ていったようだ。

残っていた者達は、何も知らずに国が変わっていた事も知らずに居た者達だった。アルもこの者達は無関係として今まで通りに扱う事にした。


アルとしてみればナポリ王国迄出向き城を攻略してしまえば簡単なのだが今回はそれをしないのには訳がある。

余りに領土が広がりもう管理が出来なくなっていたのだ。もしまたナポリ王国を潰してしまえばギルバート家一派が破綻してしまう恐れがあった。

急激に領地が増えた事でかなり無理をしている。それがまた増えてしまうと本当に困った状態となる為にナポリ王国へ直接乗りこむ事を躊躇しているのである。


そんなことは全く知らないナポリ王国は、少し誤解をしていた今のセント王国は暫定王の為に動きが取れないと誤解をしていた。いざとなればギルバート家が出てくるだろうが、チクチク細かい嫌がらせ程度であればギルバート家の介入はないと誤解していた。

ナポリ王国は軍は派遣しないが、寝返り工作を拡大していったセント王国全土に寝がえりの工作員を出していた。アルたちは後手に回ってしまったが、寝返る町や村を同じ方法で追い出していった。


誰も死なない戦争が続いていく。


そんな攻防であったが、ナポリ王国が工作を止めたのだ、その理由は、ナポリ王国へ逃げて来た元セント王国民たちの処遇が問題と成っていた。工作をすれば追い出されてナポリ王国に逃げてくる。最初のことろは戦力増強と喜んだが、ある一定量を超えると話が違ってきた。

元セント王国の民たちが難民と化してしまっていた。この難民は生産性が無くただナポリ王国の食料を消費するだけの者達であった。

セント王国とナポリ王国の国境付近では多くの難民で溢れかえっていた。

セント王国内では優雅に暮らしているが、一方ナポリ王国側では食料の配給が滞り1日1食も食べる事が困難になってきていた。


ナポリ王国は難民と化したセント王国民をセント王国へ戻そうとしたが難民たちが戻れば殺されることを恐れ絶対に戻る事をしなかった。そして国境付近では危ないと思ったのかナポリ王国内部に入るようになっていた。ナポリ王国は国境でセントの民を留めておきたかったが、数が多くなりすぎた事で統制が取れなくなっていた。そしてセントの難民たちはナポリ王国各地へと散らばっていった。

まだ散らばった当初は良かった。国の負担も少し楽になったからだが、全国に散らばったセントの難民は、各地で問題を起こすようになっていた。食料が無く、働く場所もない者達が、食料を調達するには盗賊になるしかなかったのだ。自分たちが食べるために人の物を奪う。各領地のナポリ貴族達はセントの難民を自領へ入る事を嫌い固く門を閉じる領地が増えていた。その為に商人が襲われ、町と町を繋ぐ街道は誰も通る事が出来ない程に荒れていった。


そして街道が事実上の封鎖となればナポリ王国の経済は麻痺する。ナポリ王都でも物資不足から殺し合いまで起きていた。

ナポリ軍は各地に派遣されるが、難民の数が多く一つ潰しても、空いた隙間に他の難民が入り込んでいた。

難民たちは必至だ今日の食料を得るために死に物狂いなのだ、軍には食料が豊富にある事を難民たちは分かっている。戦力が無くとも数はいるのだ、ナポリ軍が襲われるようになっていた。商人たちが街道に出てこない事で難民たちはより飢えてい事でどうせ死ぬのならばと軍を襲い食料を強奪していった。襲う難民たちの多くは殺されていくが、数がいるために最終的に軍に勝つことになっていた。


そしてナポリ王国は軍の派遣も控えるようになってしまった。こうなるともう経済破綻は止める事が出来ない。ナ

ポリ王国は急速に力を落としていく。




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