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俺死んだのか、2回目の人生始まる。  作者: 只野人
1章 2回目の始まり
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21話 父、帰還する

ギルバート領


アルとカイン、騎士達が凱旋した。

本村を始め村は大盛り上がりしていた。


アル、カイン、騎士達も顔がニヤけている。黄色い声がキャーキャー云っている。


アル「ただいま戻りました。」

カイン「戻りました。」

祖母「おかえりなさい。立派でしたね。」

母「お帰り。無事でよかった。」

アル「おばあ様、母上、これからの事ですが多分、父上たちが急ぎ戻られると思います。それまで色々と準備しておきます。」

祖母「そうですね。レビン達にも働いてもらいましょう。その方が良いでしょう。ニコリ。」

母「さすがアルですね。ニコリ。」

カイン「頭使わなければ俺はそれでいい。狩りに行ってくるよー。」

母「いつものカインですね。」

アル「ハハハ、流石カイン兄ですねブレない。」


アルは父たちが急ぎ戻る事を予想し、捕虜として残す者達と解放する者達を別けた。解放する者達は領民兵として徴兵された者達となる。領民兵1000人とクレイン領の治安維持のために騎士と兵士の中から300人程も開放する。


カル「大丈夫ですか兵士を300人も開放して」

アル「ある程度はしかたないよ。クレイン領が根こそぎ兵として連れだしたんだ、領地に残っている兵士がいないんだ。門兵や治安維持をしないと無法者たちが町を占拠しちゃうよ。」

カル「ですね。ギルバート領の騎士達を監督者として40人派遣しましょう。後は捕虜の監視ですね。領民たちにも協力させましょう。賃金を増やせば喜んで集まりますよ。」

アル「そうだね領民たちを100人雇って捕虜の監視と食事の世話をさせよう。それとクレイン領の騎士達には特別手当を出すようにね。」

カル「私はクレイン領の館を接収し、維持しておきます。ご領主がお帰りになりましたら新たなご指示をお願いいたします。」

アル「了解。苦労掛けるね。今回の戦功の一番はカルロスだね。」

カル「いいえアル様でしょう。」



それから2週間後、王都からレビンとクリスが帰還した。



祖母、父、母、クリス、カイン、アル、マリー、ケリー、サリーの9人が集まり緊急家族会議が始まる。


レビン「まずは王都の報告から、王都で陛下に謁見して男爵に叙爵された。」

       「「「「「おおーーーーーー」」」」」

レビン「まぁ、蒸留酒の力だな、蒸留酒は・・・・・・・・・・・・ラーク領主との交渉はクリスに一任となった。」

       「「「「「「おおおーーーーー」」」」」」

クリス「アルやカインの活躍に負けない様にやってみるよ。」

アル「クリス兄なら大丈夫ですよ。ラーク領の情報は集めてあります。後で渡します。」

クリス「アル。ありがとう。」

アル「父上、クレイン領主のグレイトはどうしますか。今は捕虜として牢に入れていますけど。」

レビン「取りあえずはそのままだなラーク領との交渉次第だ。クリスの交渉と同時にクレイン領の掌握をすすめる。アル、今の状況を説明してくれ。」

アル「はいクレイン領は、クレイン兵士300人とギルバート兵40人で治安維持を行なっています。特に問題は発生していません。うちが圧勝したことギルバート兵が乱暴狼藉をしていない事でクレイン領は落ち着いています。ですが館の者達は軟禁を不服としており、騒いでいるようです。」

レビン「カルロスは苦労しているようだな。」

アル「今回一番働いていますね。」

レビン「ああ分かっている。酬いるようにしないとな。」


クレイン領はかなり広い。ギルバート領よりは狭いが下手な男爵領よりも広い。領都としている町と他に町が2つ、村が20もあるのだ。なぜそこまで広いのか、隣地の領主を飲み込んでいった経緯がある。隣地と争いごとをおこし勝ってきたのだ。ラーク領との諍いも領地を奪うためであった。

そしてラーク領の占領地域は村10を占領中である。




レビン「クレイン領は人口1万人を超えているようだが、それでも兵2000は普通出せないだろうがな。」

アル「かなり無理をしたんでしょう。若い男は町に1人もいなかったようですから。」

レビン「一領主が同時に二つの領地と戦争なんかできんな。」

アル「ですよねー。よほどのバカしかやらないでしょうね。」


クレイン領の人口は後に判明するが15000人であったこれはアルが人口把握のために戸籍調査を行った結果であったクレイン領は正確な人口を把握していなかった。

クレイン領の書類では、領都 3000人 町 各1500人  村 200人から400人の合計9000人であった。



捕虜1「なぁ俺達これからどうなるんだろう。」

捕虜2「知るか。まさかあんなに強いとは思わなかった。噂では聞いていたけど。田舎貴族の虚栄と思っていたよ。」

捕虜1「だよなー、兵一人で何十人も相手していたもんなー。」

捕虜3「一人すげーのがいたぞ。高そうな革鎧を着た若い奴だった。剣で人を真っ二つにしていたな。」

捕虜2「お前良く生きてたな。」

捕虜3「死んだふりしてたからな。流石に倒れている奴には剣は振り下ろさなかったな。

捕虜1,2「「・・・・・・」」

捕虜3「それより噂だと、もうそろそろ解放されるようだぞ。」

捕虜1「本当か、どこでそんな情報集められるんだ。」

捕虜3「それは、見張りの兵からだ。愛想をよくして、煽ててやれば教えてくれるさ。へへ。」

捕虜1,2「お、お前凄いなーー。」


そんな捕虜同士の話がまことしやかに囁かれていた。捕虜が反抗的にならない様にアルが情報を流していた。もうすぐ解放となれば大人しく待っているだろうと情報を流しているのである。


一方クレイン領主はグレイトは苛立っていた。負けたとはいえ領主である色々と交渉などあるはずだと思い、待ち構えているが一向に何の音沙汰もない。放置されている状態となっている。


グレ「誰かおらんのかー、誰でもよいーー、おおーい。誰か返事をしろーー」


・・・・しーーーん・・・・


見張りの兵も食事を出す兵も一言もしゃべる者はいない。


グレイトが一人騒いでいる間もクレイン領幹部たちの調査は進んでいた。誰を残し、誰を放逐するのか、名門意識の高い騎士や役人はいるだけで迷惑となる。優秀な者達を雇い。他は放逐となる。その選別作業を早急に終わらさなければならなかった。


役人1「いやー、今日も徹夜になりそうだな。」

役人2「仕方ないだろうその代わり給料倍だぞ。うちの奥さん、帰らなくてもいいってニッコリして家を追い出された。」

役人1「お前苦労しているよな。まぁ俺も同じようなもんだけどな。俺の嫁は、帰る時は連絡しろって言われてる。」

役人2「それってうわ・・・・いいや。きちんと連絡してから帰れよ。」

役人3「夜食持ってきたぞーーー。」

   「「「おーーーーー、腹減ったーー。」」」


美味しく夜食のおにぎり(白米)を一人3つ食べて役人たちは今日もと泊まり込みで仕事をしている。







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