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俺死んだのか、2回目の人生始まる。  作者: 只野人
2章 激動の時代
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192話 お祭りか?

アルはダルメシア王国の密入国が癖になり今、ロング帝国内を変装して散策をしている。

少し大きめの街中をキョロキョロとしながら歩いている。するとアルにぶつかってくる少年がいた。アルがその少年を受け止めるが、少年は舌打ちをした「チッ」アルは少年の腕を掴み問う。

アル「金が欲しいのか。」

少年「チッ、嗚呼そうだよ。まだとっていないから突き出せないぜ。」

アル「食べる為に金が必要なのか。」

少年「・・・・・そうだ。」

アル「お前は今どこに住んでいる。金をやるから案内しろ。」

少年「・・・・・・」

アル「心配するな、あっ、そうだ屋台で何かを買っていくか。」

アルは少年の腕を取りながら屋台へと向かい大量に食べ物を買っていく。少年は呆気に取られていたが、お腹がグゥーとなるとアルは少年に串焼きを差し出す。少年は我慢が出来なかったようで貪るように食べ出す。3本食べたところで落ち着いたのか、少年はアルに礼を言ってきた「ありがとう、美味しかた。」

アルは笑いながら、他にも腹を空かせている者がいるんだろう。一緒にこの串焼きを持っていこうと少年に問うと。少年は、微妙な表情で本当にくれるのかとアルに聞いてくる。今までこんな使いを受けた事が無かったのだろう少年は困惑気味であった。

それでも食べ物の前では勝てず、食べ物から目線を外せない。


アルと少年は細い路地をクネクネと歩きながら少年と何人ぐらいいるのかを訪ねる。少年は、30人ぐらいと答えてアルは驚いていた。そして少年が案内した場所は、今にも崩れ落ちそうな一軒の家であった。

その家の中から子供たちが出てきた、少年の帰るりを待っていたようだ。その横にアルが大量の串薬や食べ物を持っている事に気付き子供たちも食べ物から目が馳せなくなっていた。アルは子供達の話は後回しとして先に食べさせることにした。子供たちは一瞬少年を見て少年が頷くと一斉にアルに群がっていった。


必死になって食べる姿は、異様であったが子供達のやせ細った体つきを見れば栄養が全く足りていない事が分かる。

子供たちは串焼きなどを食べて少し落ち着いてきた頃にアルは少年に尋ねる。

アル「此処には大人は居ないのか。」

少年「いない。ここは親に居な子だけ。みんなで暮らしているんだ。」

アルは少年を見ている。少年はまだ10歳ぐらいであろう。

アル「此処には孤児院は無いのか。」

少年「有るけど俺たちは入れないんだ。帝国の民じゃないとダメなんだよ。」

アル「ロング帝国の民じゃないのか。」

少年「うん違うみたい。よくわからにけどそう言っていた。」


アルは、移民か難民なのだろうと予想した。そうとなれば仕方ないとアルは、少年に尋ねる。」

アル「少年、今この子供たちを世話しているのはお前だけか。」

少年「ううん、他に5人いる。」


アルと少年が話をしていると少女が帰って来た。

少年は少女に食べ物をくれたアルを紹介していた、少女はアルを見て警戒をしていたが子供たちに食べ物をくれた事で少しは警戒心を解いていた。

アルと少年少女は、この家に住むより同じ帝国内で住む所を提供するとアルが伝える。すると少女は警戒しながらもどうして優しくするのかを聞いてくる。アルは少女に優しさも少しはアルが打算もあると説明していく。キロエ王国と言うロング帝国の属国があり、其処は人が少なく農地などが余っている。そこで暮らせるように成ればアルも助かると説明した。少女は農家などはやったことが無いので上手くやれる自信はないと言うが、もし本当に子供たちと一緒に働けるのならばお願いしたいと訴えてくる。

アルは勿論全員で構わないと断言をする。


そうと決まればアルの行動力は凄まじい。子供たち30人を引き連れて町の中を歩いている。まずは洋服店からだ。庶民の洋服店を探しアルが金をドンと置く。店主は何が起こったのかを理解できなかった。

アルはこの店の商品を全て買い占めたのだ。

そして子供たち着替える様に指示を出す。勿論店主たちだ手伝いをしていく。そして店主に靴屋と雑貨屋と食堂に声をかけさせてこの場に持ってこさせる。店主には、この子供たちの被害にあった者に金を配るように頼んだのだ。今後はアルが引取り育てる事を伝える。そこで今まで迷惑をかけて来た町の住人にお詫びの気持ちだと言い飲み食いただ酒も無料にして騒いでくれと金を渡したのだ、足りなければ此処にいるから取りに来いとも告げていた。

この店主は、リーフ王国の王とのお祭りの噂を知っていた。アルにリーフ王国のように遣ってもいいのかと尋ねると。アルは笑いながら、おー知っているのか、いいぞ派手にやらかせと煽っていた。


店主は店をほっぽり出してギルドへと駆けこんだ。知り合いのギルド員に事の成り行きを説明すると。ギルド員はアルの所まで再度確認にあとずれて、金を貰いギルドに戻って来た。金があるならば問題は全くない。ギルドは町の商店街にお触れを出し徐々に食べ放題、飲み放題は町中に広がっていった。


そして2時間後には町中が大騒ぎと成っていた。アルの連れている子供たちも町中で物がタダと言う事で大はしゃぎとなっている。今まで怒鳴られて隠れて暮らしていた子供たちは初めて町の中を堂々と歩いていた。子供たちは集団で歩いている事でかなり目立っていたが誰も文句を言って来る者はいなかった。全ての商品が買われているのだ。文句を言う商人はいないだろう。まだ昼前であった事でこの騒ぎはまだまだ続いていく。


アルの元に商業ギルドのギルド長が確認とあいさつに訪れていた。アルも金を渡してハイさよならとはいかない事は分かっている。身分を打ち明けて金を渡す。足りなかったらフェアナス王国へ請求しろと伝える。商業ギルド長は恐縮するばかりでもう話も出来なくなっていた。まさかギルバート家の者たが来るとは思ってもいなかったようだ。

近くで民たちが聞き耳を立てていた事で噂が一気に広がり、ただ酒、ただ食いは本当だと分かると又盛り上がっていった。


アルは今回は、特別だと言ったが誰も聞いてはいなかった。


翌年、商業ギルドに物凄い数の問い合わせがあり、困ったギルド長はアルに手紙を出してと言う。


だが返事はなかった。

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