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俺死んだのか、2回目の人生始まる。  作者: 只野人
2章 激動の時代
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185話 民衆を煽った結果

セレン王国宰相は、今必死に各貴族達を説得していた。

このまま貴族同士で争いを続けていけば、ギルバート家がスキルオーブや魔法具に供給をすべて止める可能性があると各貴族に訴えていく。

貴族達は宰相の言葉に怒り、そして激怒する者も多くギルバートと一戦交えると言う者も居た。

それを宰相は必至に説得していく。今まで好き勝手に振舞っていた貴族達には宰相の言葉は届かなかった。

貴族達も宰相の訴えている事は理解できるが少々考えが甘くなっていた。今豊かであるこの国で衰退していくとは思えなかったようだ。



そして王子が亡くなった。


必死の看病も無駄となってしまった。王子も生きようとしていたのだろう、何日ももう駄目だと言われながらも今日まで持ったのだ。この国の将来の為に生きたかったはずだ。


そんな王子の死を悼む事もなく、貴族達は次の王を担ぎ出そうと動き始める。アルはもう呆れかえってしまった。王を誰にするかは王家が決定する事であり、一貴族が口を挟める問題ではないのだ。そこでアルは王子の子と姫を保護の名目で一時リーフ王国へ連れて行く事にした。宰相や貴族達は担ぐ神輿がい無くなる事で反対したがアルに逆らう事は出来なかった。


アルは子供と姫(他数十人)を連れてリーフ王国へと飛んで行ってしまった。


残された者達は、それでも貴族同士で誰を王とするかで争いは激しくなっていった。


そしてセレン王国の王となったのは公爵であった。それは必然であった王子の子も姫もセレン王国内にはいないのだ。継承権を持っている者が一人しか国内に居ない事で争いに勝つことができたのであった。


セレン王国の新王はすぐさまリーフ王国と6か国協議に国々の報告を行なった。

新王はそれで満足してしまった。新王として6か国協議国に挨拶などで各国を回る事もしなかった。



そして、セレン王国の衰退が始まろうとしていた。


リーフ王国からのスキルオーブの供給が止まり。魔法具の購入も出来なくなっていた。セレン王国は最初は問題にもしなかった。いやならなかった。生活が変化しなかったために問題としなかったのであった。

所がある一定期間を過ぎると問題が一気に噴き出していた。

スキルオーブを売却できなくなったことで、セレン王国に金が無くなった。景気の良い頃と同じように国庫から金と使っていたのだ無くなる事は当り前であった。

そしてそれが民に影響を与えていく。今まで景気が良かった為に貴族に対しても多少横暴でも金のためと我慢は出来ていた、だが金を使わなくなった貴族が横暴になれば民たちも反発をする。貴族には分からないように貴族に物を売る時には高くなっていった。金の回らなくなった貴族達はより高い物を買う事になっていった。

それでもまだ気づく事が出来ない貴族が多くいた。


周りの国々からの輸入が激減して初めて気づくのだが、もうその時には手遅れとなっていた。

6カ国協議の国々はセレン王国への輸出を止めていた。唯一輸出を継続していた国はノースリズ王国のみであった。ノースリズ王国はセレン王国の足元を見てより高く物を売りつけていた。



セレン王は6か国協議に抗議をして輸出再開とスキルオーブの供給を迫ったが6か国協議は無視をしている。王は困ってリーフ王国へと向かおうとしたが入国自体を拒絶されてしまった。王は別の国へと打診したが全ての国で拒絶されてしまっていた。ここで初めて王は気づくとが出来た。嵌められた。

セレン王国は6か国協議の各国に嵌められたしまったと思ったが、実際はそんな事はしていない。セレン王国の新王は6か国協議で承認を得ればよかっただけなのだ。各国を回り挨拶を行ない6か国協議に参加する事を5かカ国から承認を得れば問題はなかったのだ。それを何故しなかったのか、知らなかっただけである。

王が毒殺されて新王への引継ぎが行なられなかった事、王子が亡くなり6か国協議の事を知らせる者がいなかった事、そしてセレン王国内で王になる為に宰相を殺したことで6か国協議に関して情報が一切王にいかなかった事で新王は失敗を放置してしまっていたのであった。

誰かが生きていれば、この様な事は起こらなかったかもしれない。


セレン王国国王は、貴族達と民の怒りを納めるためにリーフ王国やロング帝国に嵌められたと貴族や民に行ったえていった。最初は信じなかった貴族も人のせいにすれば自分たちが悪者に成らなくて済む事を知っていた。そこで王の話に乗ったのだ。悪いのは5か国であり。セレン王国は嵌められて景気が悪くなった事にしたのであった。

一部の民たちはそれが嘘である事は分かっていたが、民衆の怒りの前では何も出来なかった。

そして等々、民衆から5か国への報復論が出てきていしまった。もう貴族達も後には引けなくなっていた。

民衆は元の豊な暮らしを取り戻せと訴えている。貴族達は賛同するしか出来なかった。今の生活に満足していろとは口が裂けても言えない言葉であった。


セレン王国は、王も貴族も望まない戦争に突き進んでいる。5カ国相手に勝てるはずがない事は王も貴族も分かっている。分かっていないのは民衆だけである。先の戦争で大負けしたことも民衆は忘れてしまっている。いいや忘れてはいないが貴族達が民衆を煽り、勝てると風潮したことで民衆は信じたい物を信じてしまっていた。

実際にまだ戦争が起こっていないために調子のよい言葉が飛び交っているのだ。勝てる。勝つぞ。セレン王国は強い。などと本当に景気の良い話が飛び交ってしまっていた。

景気の良い話が多く成れば信じる者も多くなり。それがいずれ真実となっていくのであった。



セレン王国の城内では毎日真剣に対策会議が開かれている。戦争など全くやる気はない。負ける事が分かっていて戦争などするわけがないのだ。

王は如何治めるのかを協議しているが、よい案が思う浮かばない。城の役人や貴族達も表向きは民衆の味方をして戦争に邁進しているが、裏に入れば全く違う事をしている。もう民衆を騙している事も難しくなっていた。何か行動しなければ民衆が先に行動を起こすだろう。


セレン王国は、待ったなしの状況となってしまっていた。

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