184話 セレン王国内の争い
セレン王都上空のアルは、地上で戦っている者達のどちらが味方か判断が出来なかったので、アルは城へと向かった。城の中に強制着陸したが、城内の者たちが取り囲む事も無かった。
アルは勝手に城内に入り込み大広間へと向かう。
大広間の扉の前には騎士が二人立っていたがアルを見ると驚いた顔をしている。アルの事を知っているようだ。アルは騎士に開けろと指示する騎士は素直に従った。
中に入るとセレン王国の者達が大勢いた。その中で王子は横たわり手当てを行なっている。
アルが近づいていくと貴族達はアルに気づき道を開けていく。王子の前まで行くと治療を行なっている者に様態を尋ねる。
治療師「傷は治してのですが血を多く流れています。」
アル「そうか、それで顔が真白なのだな。」
治療師「はい此処に運ばれてきた時にはもう意識はありませんでした。」
アル「・・・・・」
宰相「アルフォード様、態々ありがとうございます。」
アル「宰相か、今セレン王国はどうなっているんだ。」
宰相「はい・・・・・・」
宰相は説明を始める。
国王を死亡させた両派閥が、暴走して争いになった事で王子が争いを納めるために戦っている中に入っていったのだが、運悪く腹に槍が刺さり出血をしてしまい城に戻ってきたのだが、出血量が多く危険な状態である事、そして争いが激化して国を3つに割る戦いとなっている事を説明していく。
3つに別れている陣営としてはセレン王国と貴族の2派である。この二つの派閥は大変仲が悪く。いつも揉めていた。そして今回の王殺害容疑となり暴走していると言う。
その暴走も貴族同士の争いとなっている為にどんどんとエスカレートしている状態となっている。王都の街中でも互いを見つけると争いとなり一度争いが始まれば仲間を呼び集めて拡大させていく。
それが国全体に今は広がりもう手が付けられない状態となりセレン王国としては、二つの派閥が争いによって弱体化を待っていると言う。
アル「セレン王国としてはその貴族は処分するのだな。」
宰相「処分いたします。その為に動いたのですが貴族が暴走してしまい捕まえる事が出来ませんでした。」
アル「そうか、ならば外の奴らはみんな敵ということだな。トム、アスカ、外の奴らを処分しとけ。」
トム「了解」
アスカ「了解」
トムとアスカは城の外へと向かっていった。待機している隊員達と楽しい戦闘をするのだろう。
アルと宰相は別室に移動していた今後の対策を考えるためである。
宰相は、万一の為に王族を集めてはいるが、王としての政務を行なえるのもがいないとアルに告げる。アルは今の王族を確認していく。もし王子が亡くなってしなえば、王位継承権を持つ者は3人いる。
まず一人目は、王子の子供であり正当な継承者となるが、まだ3歳であった。セレン王国が平和であれば問題にはならないが貴族同士の争いの中では難しいだろう。
二人目は、王の子供で姫が一人いる。成人もしている為に問題はないのだが、平和主義であり戦う事をしないと言う。全て話し合いで解決しろとしか言わないそうだ。以前のアルたちの王都襲撃がトラウマとなり絶対に戦う事をしないそうだ。アルは微妙な顔をしていた。
3人目は、前王の子で今は公爵となっているが王位継承権は持っていると言うが、貴族同士の争いの中で公爵とは言え王の家臣となった者が王位に就く事を貴族達が納得しないだろうと告げていく。
アルは王子を王として後見を公爵でいいではないかと言うが、宰相は渋っている。
早い話が此処でも貴族同士の争いがあった。宰相と公爵がライバル関係となっている為に宰相としては公爵を重職に付けたくないのだ。アルは呆れて何も言わない。
このセレン王国内では国が豊になった為に貴族同士の足の引っ張り合いや陰謀が渦巻いている。誰が何を企んでいてもおかしくない状況だとアルは観察していた。
話しの中で争いをしない姫が一番まともに見えてくる。
どうするか、貴族同士の争いはその貴族を捕まえて処分で片がつくだろう。だが残された貴族の子分たちが騒ぐ可能性が大きいな。唯の処分では解決はしないか。そうなると派閥の貴族すべての処分となるな、国が傾くな。
アルは考えるがいい案が思い浮かばない。セレン王国の各貴族が争っている事で国の機能マヒが怒っている。一人だけ処分してはい終わりとはいかないようだ。
アルは、色々な事を考えている時にボソッと独り言が漏れていた。
「見捨てるか。」
この言葉を宰相は聴きのがさなかった。
宰相は焦った。セレン王国のこのの好景気も国の発展もアルを含むギルバートがあってこそであり、もし万一ギルバート家がセレン王国を見捨てスキルオーブを供給しなくなってしまえば国は衰退していく事になる。貴族族同士が争えるのもギルバート家があってこそなのであった。
その大前提と言うべきか、貴族同士の争いの元と言うべきスキルオーブや魔道具などがセレン王国に一切入ってこなくなれば争い事態は無くなるだろう。その代わりに民たちは怒り王族は勿論貴族達も民たちから恨まれいずれは反乱がおきる事になるだろう。そして内乱となりセレン王国は滅ぶかもしれない。
この考えに至った宰相は、王を誰になどと言っている場合ではなくなった。根本から崩れてしまう可能性がある事に今やっと気づいた。
宰相「アルフォード殿、い一度皆を集めますのでそこで話し合いを行ないましょう。私が命を懸けて話し合いの場を儲けます。それまではけ、結論を出すことを待っていただきたい。」
アル「そうかな話し合いでまとまるとは思えんな。話し合いでまとまるのならば貴族同士で殺し合い迄ならんだろう。」
宰相「もももう一度だけ貴族にチャンスをやり、ダメであれば全ての貴族を滅ぼします。」
アルはこの宰相の言葉にはっきり言って驚いていた。貴族である宰相が仲間である貴族を全て滅ぼすと宣言をしたのだ。それもアルフォードを前にしての宣言である。万一出任せであれば殺されるだけでは済まないだろう。
此処まで宣言されてしまえはアルもチャンスを与えない訳にはいかない。後日貴族達を集める事を承諾した。




