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俺死んだのか、2回目の人生始まる。  作者: 只野人
2章 激動の時代
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179話 開発

リーフ王国で噂が流れる。

ギルバート家がセント王国の国土の一部をリーフ王国へ献上するらしいと噂が流れている。

この噂にいち早く反応したのが貴族達であった。自分たちの画策が当たり勝利宣言をしていた。

貴族達は、この献上は自分たちがなした事だと風潮していった。

だがいつまでたってもギルバート家は領地を献上しない。困った貴族達は王へと進言をする。噂は本当かと尋ねたのだ。そんなものは知らんと突っ張ねられてしまった。

散々困っている時にギルバート家は王家にセント王国の一部を献上した。


喜んだ貴族達は王城へと押しかける。そこで王は貴族達に何しに来たのかと尋ねる。貴族達はセント王国の領地割譲は自分たちの手柄だと王に告げる。

王は何処が手柄なのかを問うが貴族達は答える事が出来なかった。

ギルバート家は王家に領土を献上したのだ、貴族達が入り込む隙などどこにもないのだ。

その事に気付いた貴族達は慌てた。自分達には何も貰う事が出来ない事に初めて気づいたのだ。そこで貴族達は、領地を貰うために動いた。もうリーフ王国に領地は献上されてしまっている。別の事で功績を示して領地を貰わなければならない。だが普通に功績などは上げる事等出来ないのが現状だ。貴族たちは思い悩み一つの結論に達する。金で功績を買うのだ。リーフ王国に金を献上するのだ。金額が多ければ多いほど功績は大きく評価される。

貴族達は競い合う様に金をリーフ王国へと献上する。


そしてその事が評価されていく。多く献上した者から元セント王国に領地を分け与えられていく。その数何と30家にもなっていた。領地の広さはまちまちであったが平均して子爵領程度の領地となっていた。

ある貴族は子爵領をさらに分割して子供に与えていいた者もいる。


遺族たちは領地を手に入れ浮かれていた。これで一族が繫栄間違いなしとなっていた。貴族達の子弟が分家を興して新領地へと旅立っていった。

貴族達の新領地までの旅は過酷であった。リーフ王国からロング帝国を通過してティアナス連合国家を通りセント王国の一番東が領地となる。歩きの移動では3か月はゆうにかかってしまう。民を引き連れての移動の為に貴族達も馬車での移動だ。そしてたどり着いた領地には何もないのだ。一から全て作っていかなければならない。

貴族の中には。領地に着いた直後にもう駄目だとリタイヤする者がいたと言う。

大した道具もなくこれから農地を造り、家を造り、道を造り、全てを造るのだそれはもう永遠と続く地獄のような物に感じてしまった。それは貴族だけではなく民たちにも同じことが感じられていた。

開発に成功した。農地が広がったと景気の良い話を聞いていたがいざ自分で行うと全く違うのであった。

先の見えない生活が続く事になるのだ。


そして貴族達は助けを求め、実家に手紙を出しまくる。その手紙も費用が掛かる事も分かっていなかった。今まで当り前に遣れていたことがこの地では当たり前ではなかった。手紙一つ出すために行商人を待ち金を払いお願いして持って行ってもらうのだ。今まで気軽に冒険者ギルドで手紙の輸送を頼んでいた事が出来なくなっていた。


この地に着いたと同時にリタイヤした者がワイバーンを使いリーフ王国へと足早に戻って来た。己の失敗を隠す意味もあったのだが、かなり大げさに言い訳をしていた。開発なんて出来ない碌な道具もなく何もない場所をどうやって農地に変えていくのだと大声て唱えていた。

そんな言い訳の声と同じく、手紙が届くようになる。新領地からの救援要請である。道具が無い金が必要だと色々な要望が書かれている手紙が幾度となく届くように成る。その内容は酷くなる一方であった。



リーフ王国王城


陛下「アルフォードの言った通りになっているな。」

ジーク「左様ですな。」

陛下「このままならばもっと早く決着が着きそうだな。」

ジーク「早ければ年内にダメになる者も居るでしょう。農地開発や開拓など生半可な気持ちでは出来ません。それを分かっていない。」

陛下「そうよな。開発などギルバード以外で成功した者話は聞いたことが無かったな。それ程過酷な物なのだろうな。」

ジーク「儂が盆地の開発だけでも数十年かかってやっと食べて行けるだけしか開発は出来ませんでた。」

陛下「そうだな。」

ジーク「開発を簡単にしたにはアルです。あやつがいなければ今も同じでした。」

陛下「貴族達には現実がやっと見えてきたようだな。」


そしてその頃アルは、セント王国の東の地で(リーフ貴族の隣に地)でガンガン開発をゴーレムが行っていた。24時間働くゴーレムはリーフ貴族にとって悪夢のような存在になっていた。自分達より遅れて開発を行なっているのにもう追い抜かれてしまっているそして毎日差が開いてきているのだ。それを目の前でやられてしまっている。もう気が狂いそうになっていた。

小さな川を挟み開発が行われ、川向こうは日に日に豊かになっているように思えてくる。

実際に豊かな暮らしをしている。住処一つとっても大きな違いが出ている。自分たちは小屋に住んでいるが川向こうでは立派な家が立ち並んでいる。もうそれだけで大きな違いが生まれている。一緒に来た農家の者たちも何とも言えな表情となってきていた。



そして一月たち二月経つ頃には川向こうでは農地が完成して種まきも行われている。だがこちらが側ではまだ農地すら出来上がっていない。

この違いを毎日見ていた農家の者が川向こうへと助けを求めたが無駄であった。ゴーレムは喋る事が出来なかった。農家の者たちも自分たちは移住してきただけだと言い。分からないと言っている。農家の者達は自分たちも移住を願い出ているようだ、相手は自分の所の領主の許可が必要と伝えたようだ。こんな開発やってられるか。俺だって向こうに移りたい。


俺はこの開発は成功しない事が今ハッキリと分かった。人の手だけで開発など無理な事なのだとやっとわかった。俺は実家に手紙を出した。開発を止める。

俺は、貴族として終わりだろう。もう戻る事は無い。それでもいまこの農民たちだけは何とかしてやらねばならない。俺はセント王国の役人のいる町まで出かけた。そして開発地を放棄する代わりに農民たちの面倒をお願いした。役人たちはこうなる事を理解していたのだろう。話は簡単に済んでしまった。


これから俺は如何しよう。


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