166話 サントラ王
3人のやり取りを周りを貴族達は、興味深く見ている.次期王となる者がどのように対処できるのかどの程度の能力があるのか、もし能力不足であれば、自分たちが変わる事で利益が生まれる。
エル「庶子よ、俺の下に付け。男爵ぐらいはやるぞ。」
トロ「へへへ、俺の下ならばまぁ男爵でもいいが、城の掃除夫にしてやるぞ。へへへ。」
ケン「・・・・・」
エル「なんとか言えよ、庶子。」
トロ「そうだそうだ。お前は平民なんだぞ。本当ならこの場に入れないんだ。」
ケン「言いたいことはそのくらいか。」
エル「なにぃ。」
ケン「いいか良く聞け、エルビスお前には継承権はない。トロント、お前にも継承権はない。」
トロ「ななな何を言っているんだ庶子が、俺は王が・・・」
ケントリーは一人の役人を見る。
ケン「王国法による継承権を述べよ。」
役人「はい、サントラ王国法において、王位継承権1位はケントリーさまとなります。トロント様には継承権はございません。エルビスさまは、ケントリー様、公爵様が2位、ご嫡男が3位、そして4位がエルビスさまとなります。」
エル「・・・・・」
トロ「・・・・・・」
ケン「公爵、分かったか。公爵は王に就くのか。」
公爵「・・・・儂が王になれば問題なかろう。」
「「「「おおおおおおお」」」」」
ケン「公爵お前は継承権第2位だ。」
公爵「・・・・・・」
公爵は激怒した。平民がこの公爵に向ってお前呼ばわりをしている。今までこんな屈辱を受けた事等無かった。怒りでブルブルと震える。
公爵「殺せ。」
公爵の一言で周りの騎士達が一斉に動く。ケントリーに斬りかかるが、剣はケントリーに体で弾かれる。
騎士「えっ。」
ケン「なにを遣ったのかは分かっているな。」
ケントリーは椅子から立ち上げった。それだけで周りの者達は慄いてしまう。
ケントリーは斬りつけた騎士を張り倒す。パチンといい音がしたと思った瞬間に騎士が壁に吹っ飛んでいた。他の騎士達もケントリーの張り手一発で飛んでいく。周りは呆気に取られている。
そして公爵も張り手で壁に激突していた。気を失ってしまっている。
ケントリーはエルビスとトロントに向き直す。二人は後ずさる。
ケントリーは一歩前に出る。二人は一歩後退する。
ケン「どうした先ほどまでの威勢は何処に行った。」
エル「・・・・・」
トロ「・・・・・」
ケン「どうしたこのままならお前らは処刑だな。」
トロ「ままさか、そんな事ありえない。」
ケン「ありえるぞ。元々お前には王位継承権事態ないのだ。処刑は当り前だろう。それを指示した貴族達も一緒だな。」
周りの貴族達の顔が青くなる。
今この場にはケントリーの明確な味方は一人もいない。全て一人で片付けなければならい。
ケントリーは、この広間にいる貴族達を殴る、蹴り、張り倒して気絶させていく。城内の貴族ではない役人に命じる。
「この者達を縛り牢に入れろ。私の許可なく出した者は理由に関係なく処断する。良いな連れていけ。」
ケントリーは城内の者達を集める。そして・・・・
「皆良く聞け。ケントリー・サントラである。私はこのサントラ王国の王位を継ぐ。話し合いなどではなく正当である継承権第1位のこのケントリーが王位に就く。逆らう者は私が潰す。今日中に布告を出せ良いな。」
役人「陛下、よろしいでしょうか。」
ケン「ああなんだ。」
役人「陛下、布告は問題なくできます。ですが貴族達を現在牢に入れております。貴族の家族たちは兵を率いてくる可能性がございます。」
ケン「嗚呼問題ない、もし兵を連れてきたらそいつらの終わりだ。私が処分する。」
役人「・・・分かりました。」
役人の中にも貴族他繋がっている物も多くいる。その者達は貴族家にとらわれた事を伝えていた。
貴族達は庶子が暴挙に出たぐらいの気でいた。脅せば終わると思っている。
特に公爵一派は楽観的であった。何しろ王がいないこの国では公爵が一番偉いのだ。余裕になるのは仕方のない事でもあった。
そんな公爵一派は騎士と兵を連れて脅しのため城門前にやってきていた。
ケン「お前たちは王国に対して反乱を企てたよって討伐する。」
ケントリーはそう告げると、騎士たちに向っていく。驚いたのは騎士たちだまさか向かって来るとは思ってもいなかった。
ケントリーは剣で貴族達を斬り付ける。スッと剣は騎士の体を二分する斬られた騎士も気づかない。もう死んでいる。
一振りで一殺していく。騎士たちはもう腰が引けていた。20人、30人と殺されていく。もうケントリーに斬りかかる者はいなくなっていた。ケントリーが前に出れば後ろに下がるが、貴族の命令にも逆らえない、逃げるに逃げれない状態となっていたが、もう限界であった。騎士たちが全て斬り殺された残るは兵士たちだけである。一人の兵士が後ろを向き逃げ出した。一人逃げればもう連鎖反応をおこすしかない。我先にと逃げていく。
残ったのは命令をだした貴族達であった。
貴族達を気絶させ捕らえる。そして牢に入れておく後で処分をすためだ。
こうしてサントラ王国貴族約100人はほぼ全てを捕らえられた。小さな国の為に貴族も少ない。この少ない貴族達が争っていたのだまるで子供のおもちゃを取り合っていたようであった。
ケントリーは王国貴族を全て処分する事を考えている。庶子であるためにいつまでもこの問題を貴族達は引っ張り出し攻撃の材料とするだろう。ならば今この時に全てを処分してしまおうと考えていた。
挑発して激怒させ潰す。まだ王位に就いていないこの時しかチャンスはないだろう。王位に就けば臣下の礼を取り見た目は忠誠を誓い、穏便に済ませようとしてる事は分かっているその為に今しかないのであった。
ケン「やはり全員とはいかなかったな。」
役人「それはさすがに無理です。」
ケン「まぁ残った貴族達は、先が見えている者達だな。」
役人「そうなります。この混乱中、素早く動き自分達の身を守りました。さすがです。」
ケン「そうだな、この者達ならば使えるだろう。そう数も多くはないからな。」
ケントリーの挑発にも脅しにも屈せず。上手く切り抜けた貴族は7人であった。サントラ王国で今貴族家は7家しかいない。
ケントリーは王位に就き、サントラ王国の改革を宣言する。勿論フェアネス王国の援助も伝える。金の出所を伝えなければ王国民は安心できないからである。
少なくなった貴族家は、いずれ功績を上げた者達を引き上げるとも伝えやる気も出させていた。
あとは王と民たちの頑張りだろう。アルたちは今は見守る事にしている。




