162話 アンネローゼ仕事をする
アンネローゼは今の凄く真剣だ。婿を探しているのだ。勿論アンネローゼの婿ではない。オスカル君の婿だ。えっオスカル君は男だろうだって、男だと思うだろうが実はオスカル君は女の子だったんだよ。
だから婿を探していている。
アンネローゼは、ハルに子供がいるためにオスカル君が可愛そうと考えていた。
そうだオスカル君にお婿さんをと閃いたのであった。
アンネローゼは相方のドラゴンを探すために、色々と回ってみたがしっくりくる子がいなかった。
オスカル君も同じのようだ。そこでアンネローゼは飛竜の中から選ぼうとしている。飛竜をドラゴンに進化させるのだ。オスカル君にアンネローゼはどの子がいいと聞いている。オスカル君は悩んでいるようだ。
そこに1体の飛竜が名乗りを上げた。「グワァァァ」
オスカル君も気に入ったようだ。アンネローゼはその飛竜にスキルオーブを使う。そして飛竜はドラゴンへと進化していった。だが普通の進化とは少し違っていた。
今迄のドラゴンは、赤や黄色、青、緑などカラフルな色が普通であったが、このドラゴンは真黒になった。ブラックドラゴンになっていた。アンネローゼは全く気にしていないし、オスカル君も気にしていない。オスカル君は黒いドラゴンを気に入っているようだ。二人は寄り添って何か話しているように見える。
アンネローゼは満足げにほほ笑んでいる。
アンネローゼは気を利かせて二人っきりにしてやった。そしてアンネローゼはハルに乗って館に戻って来た。自分でいい事をしたと物凄く気分が良くなっていた。子供たちにも笑顔で今日の出来事を騙っている。子供たちも分かっているのかうんうんと頷いている。
そして翌日、アンネローゼは仕事に出かける.今日の仕事は、ドロイド王国の王としての仕事だ。久しぶりの王様業だ。かなり張り切っている。城へ着くとアンネローゼは家臣たちに書類を持ってくるように指示を出す。だがその書類の量を見て止めてしまった。量が多すぎたのだ。家臣たちはしまったと言う顔になった。もう少し少なくして持ってくればよかったと思っていた。家臣たちは何とかご機嫌を取りながら仕事をさせていく。書類も後日でいいと話をし、でもこれだけはお願いしますとスッと指す出す数枚の書類アンネローゼも数枚ならとサインをしていく。終わりそうになると、あっ、これも重要ですともう数枚差し出す。その繰り返しが2時間も続いた。さすがのアンネローゼも気づき、文句を言おうとする前に休憩が入るのだ、絶妙なタイミングである。アンネローゼの好きなケーキに紅茶だ出てくる。アンネローゼは一気に気分が良くなっていく。
そんな時に1人の家臣がアンネローゼの元に駆け込んできた。その家臣はアンネローゼに面会希望者が来たと告げる。アンネローゼは書類の仕事に飽きてきて来たところであったので面会を喜んで受ける事にした。
面会と言うより謁見なのだがアンネローゼは謁見と言うと怒るのだ。私は王だけどそんなに偉くしたくないわと言う。そこで家臣たちは面会といっているのだ。
面会者は、ドロイド貴族の娘であった。この令嬢は、ドロイド王国伯爵家の長女である。名をマレーン・フォレスト伯爵令嬢である。
アンネローゼは令嬢が面会者である事に喜んだ。今までの面会は全てが男であった。まぁこの時代では仕方のない事だ、それが令嬢が来てくれたのだ。もう楽しくて仕方がなかった。色々な話をしていたが令嬢は本題に入っていく。タイミングを見ていたようだ。
令嬢は、好きでもない相手と結婚させられそうだとアンネローゼに訴える。アンネローゼも一応恋愛結婚だ。と思う。
フォレスト家は、今大変な資金難で結婚して援助をしてもらう事になっていると言う。結婚相手が15も上の人だとも説明をしていた。
アンネローゼも一応は王だ。何故資金が亡くなったのか、援助の内容はと的確な質問をしていく、一瞬だが令嬢は驚いた顔をするが質問に答えていく。
内容としては、フォレスト伯爵家の領地が過去の戦争で削られてしまい事実上は村一つしか残っていない状態である。現当主は何とかしようとしたが何も出来ないままに資金だけが無くなっていきもう伯爵家としても立ち行かなくなってしまった。
アンネローゼはそこまでなるのなら何でドロイド王国に言わなかったのかと質問する。それは伯爵家が元王家と関係が深くその為に領地が削られていた、削った相手に何を言っても無駄だと思っているようだ。せれでもこの令嬢は自身が結婚させられることでダメもとで此処に来たようだ。
アンネローゼは家臣たちにフォレスト伯爵家の事を調べさせる。
この話はかなり有名なようですぐに家臣たちはフォレスト家の報告をしてきた。
前ドロイド王家とフォレスト伯爵家は親戚関係にあった。戦争後に領地割譲になった時にドロイド王国の関係者から領地を取っていった。そうでもしなければ領地の割譲など出来なかったのだ。無理やり造らなければならなかったことで王族関係者は殆んど領地が無くなってしまっていると言う。
そこでアンネローゼは、ギルバート家に移らなかった理由を確認する。
すると家臣たちはあの時はまだギルバート家がこんなに凄い家とは思わなかったようで、残る事にした貴族が多いと伝えて来た。
アンネローゼも納得だった。自分自身もギルバート家に救われた一人なのだ。出会ったときはアルはまだ男爵でしかなかった。それでも爵位など関係ないと言い切り。公爵に立ち向ってくれたのだった。
アンネローゼは、戦争で削られてしまった貴族を調べさせる。
今現在、ドロイド王国に残っている貴族でほぼ領地なし残っている貴族家は10家であった。
その10家は伯爵家が1つ(フォレスト家)子爵家が6つ、男爵家が3つであった。その中でも伯爵家であるフォレスト家は、一番領地が少なかった。伯爵家で村一つはありえないだろう。その村も人口120人と小さな村であった。
他の貴族達はまだましである。町一つ、村5つなど食べていける程度には残っている。
アンネローゼはドロイド王国の直轄領も調べさせた。直轄領はドロイド王国に多くある。貴族達が居なくなり余っているのだ。
アンネローゼはドロイド王国貴族を城に招集した。「ドロイドの貴族を城へ連れてきなさい。」




