155話 キロエ山大噴火
俺は、少年たちを連れてフェアネス王国迄、戻って来た。少年たちはデラに預けてから俺はロング帝国へと向かう。
ロング帝国宰相補佐に面会を申し込む、すんなりと許可が降りて話をする。キロエ山の噴火が起きると伝えると不思議そうな顔をしていた。そりゃまぁそうかもな、突然噴火と言っても誰も信じないか。
どうするかと思い悩んだが、考えても仕方がないここは思い切って俺が星の流れを見つけた事にした。
まぁ普通に大発見になってしまうけど仕方なし。
何とか噴火する事を納得させると、今度は何時という事になる.近々では通じなかった。
ただ近々以外に言いようがない。さすがに俺も何時何処で何か分からない。宰相補佐にそう説明をする。
宰相補佐も山の噴火の正確な時期までは分からない事に納得はしてくれた。だが分かったらすぐに知らせてくれと言われた。俺も了解をした。
ロング帝国に対しては、これ以上はどうする事も出来ないが俺は別の対策を行なっていく。キロエ山が噴火した時に風の流れが南に吹いていればフェアネス王国に火山灰が国を被ってしまう。この対策が無いか調べる。
だが調べても何も分からなかった。資料自体が存在していなかった。
俺は色々と考えるがいい案が思い浮かばない。一つ閃いたがまぁ無理だな。荒唐無稽すぎる現j実的じゃないが、一応対策としておく。
俺は、現実的ではない方法を対策として必死になって作っている。役に立たないかもしれないが今はこれしかない。他に思い浮かばない。さすがに山の噴火なんかで被害を抑える方法なんかない。
実際は民たちを非難させるぐらいしか方法が無い。それでも何かをやらなければいけない。
そんな事を半年も続けていたある日、キロエ山が噴火した。
デラ「アル様、アル様ーーー。キロエが噴火しましたーーー。」
アル「風向きは?」
デラ「南に風は吹いています。」
アル「クソー、被害が出るぞ。」
デラ「一応、ゴーレムは準備しています。火山灰の撤去はゴーレムでおこなおます。」
アル「ああ頼む。それと俺はキロエにいくぞ。クリスとカインに伝令を頼む。ドラゴンの主は全てキロへに向えとな。」
デラ「了解しました。」
その頃ロング帝国では、大騒ぎとなっていた。半年前にキロエ山の噴火を予言した事はロング帝国で知らない者はいない。だが誰も信じなかった。いいや信じた者も居たが対策を講じる事が出来なかった。
山の噴火を抑える事等出来ない。民を事前に疎開させることも出来ない、いつ噴火するかもわからない為に何も出来なかったのだ。そして噴火しても準備を怠っていた為に何も出来なかった。
陛下「何をしておったのだ。」
宰相補佐「申し訳ございません。何も準備が出来ていませんでした。」
陛下「・・・誰も信じなかったのだな。」
宰相補佐「左様です。誰も噴火するとは思いませんでした。」
陛下「・・・・・民の避難を優先させよ。」
宰相補佐「はい。最優先で避難させます。」
キロエ山の噴火は過去を見ても最大級の物だあった。山から噴火したマグマは10000M以上も天高く上がっていた。火山灰、土石流とキロエ山を被っている。もう何千人の命が失われていた。
噴火はもう何日も続いている。キロエ山一帯は灼熱地獄のようになっていた。
街は飲み込まれ、村も飲み込まれていた。生きる物全てが溶岩によって灰にもならないで無(亡)くなっていた。
そこにアルたちが到着した。ドラゴンに引っ張られてきたのは巨大な浮遊島であった。ドラゴンはその浮遊島を噴火口に運んでいく。ドラゴンでも長時間は耐える事は出来ない。交代で浮遊島の牽引を行なう。
火傷したドラゴンを治療魔法で治し、又浮遊島を牽引していく。その繰り返しでやっと浮遊島は噴火口の真上に着いた。溶岩は浮遊島を直撃するが、噴火した溶岩は浮遊縞島の中に消えていく。
アル「おーーー、何とか成功したなー。」
カイン「アル何で溶岩が消えているんだ。」
アル「浮遊島をダンジョン移動と繋げたんですよ、それで溶岩は海に流しているんです。」
カイン「へーー、じゃぁ海に流した溶岩は冷えて土地になるのか。」
アル「なりますね。取りあえずはクレメン島の周りに流しています。」
だがキロエ山の噴火でこの一帯は壊滅している。噴火直後の被害は甚大だった、数千人の人々が亡くなってしまっている。生き延びた人々も家もなく途方に暮れている。アルはロング帝国が噴火後の対策を行なっていると思っていたが何も対策をしていない事に気付いた。
アルはとりあえず、浮遊島へと民を運んだ。浮遊縞には以前作っていたギャンブル場があり、幾つもの建物が存在している。そこに応援を呼び、食事の世話と寝床の確保をさせていく。避難民たちは高台で身を寄せ合っていた。さすがのアルもそのままと言う訳には行かなかった。
ロング帝国内で勝手に避難民を助ける事はロング帝国の威信を気づ付ける事になるが、それならそれで構わないと腹を決めていた。数日後にロング帝国の調査団がこのキロエ山にやってきた。その調査団は自分たちの食料は持ってきていたが、民たちの援助物資は何も持っていなかった。アルはこの事実に怒り。調査団を叩きだしてしまった。
そして追い出された調査団は即、帝国に報告をしたが、宰相らが調査団を拘束していた。
ロング帝国は、すぐに援助物資の手配を行なった。宰相補佐が手配した筈であっただが何もされてはいなかった。キロエ山と離れているせいか、帝都では民も普通に生活をしている。役人たちの意識の違いか指示が下に行くと指示の内容が変わっていたのだ。そして物資だけは帝都にキロエ山に運ばれることなく保管されていた。
その事実を知った陛下は怒り、調査団を拘束させた。
そして現状を把握した。
ロング帝国は急ぎ物資をキロエ山に運び込む。アルの保護している被害難民はごく一部であった。広範囲に被害が広がっているのであった。
此処でもドラゴンたちが大活躍をする。上空から援助物資を迅速に運ぶことが出来たのだ。もう何日も食事をとっていない者たちがいる。馬車などで運んでいれば飢え死にをしていたであろう。
キロエ山にドラゴンがいた事で多くの人々が救われた。