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俺死んだのか、2回目の人生始まる。  作者: 只野人
1章 2回目の始まり
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15話 宣戦布告されたかも

祖父たちが王都へ向かって数日、アルは忙しく働いていた。齢9歳にして社畜のように働いている。


アル「この馬クワ(代掻き)はいいね。成功だね。」

農家「はいこれで開拓も早く進みます。それに魔法で泥水を作り柔らかくしてもらっていますから。」

アル「あれももう少し改良できると思うよ。泥水では無くて、直接土を柔らかく出来そうなんだ。もう少し待っててね。ニコリ」

農家「おおー、それはいいですね。」


アル様ーーーーーー。


アル「どうしたの、カルロス。」

カル「たたたたた大変です。又難民が来ました。」

アル「えっ、又来たの。このところ来なくなってきたからラーク領は安定していると思っていたけど違ったかな。」


アルは急ぎ街道門へ向かった。



街道門前で難民と門兵が揉めている。約100人ほどの難民たちは中に入れてくれと押し寄せている。門兵は許可なく門を通すことは出来ない。


「追手が来るんだ。早くしてくれー。」

「もうそこまで来ているのよー、助けてー。」

「早くしてくれー、助けてくれー。」


そこへ、アルが駆けつけたと同時に追手も姿を現した。


「我はクレイン領騎士、ダルト・テーメーだ。我が領民を返してもらう。」


「イヤーーー、領民なんかじゃないわー、助けてー。」

「助けてくれーー。」


「ええいうるさい。さっさと戻るんだー。」


アルは門の上から飛び降りる。


ダルト達騎士と難民の間に飛びおりた。


アル「待ってください。僕はアルフォード・フォン・ギルバート、ギルバート家の3男です。今領地の領主代理となっています。」

ダル「・・・・こんな小僧が代理だとー、バカ目そんな訳あるか。」

アル「領主と次期領主が今この領地を不在にしています。」


この言葉は拙かった。領主不在であれば、多少揉めても有耶無耶にできる。年配の騎士である。ダルトは経験によって知っていた。多少横暴にしても貴族の子供でしかない。


ダル「ほー、領主代理かー、それは丁度よい。この者達は我が領地(元ラーク領)の村から逃げた者達だ我が領民を返してもらうぞ。」

アル「我が領民?」

アルは難民の方を向きながら答える


難民「違います。私たちはラーク領の領民です。クレイン領の領地ではありません。」

難民「「そうだ、そうだーー。」」

ダル「クレイン領になったのだ。まだわからんのか。これだから平民は・・」

アル「あなた達(難民)、ギルバート領に忠誠を誓い、領民になりますか。」


難民    「「「「「「「なる(なります)」」」」」」」


アル「という事です。お引き取り下さい。」


アルは優雅にお辞儀をした。


これを見たダルトは顔を真っ赤に染めて怒り狂った。

ダル「ききききき貴様ぁぁぁーーー、許さんぞーーー。我が領民だーーーー。」

アル「いいえ違いますよ。ギルバート領の領民です。ニコリ。」


小バカにした。アルの笑顔はダルトの怒りを増幅させた。ダルトと兵士20人余りは一斉に剣を抜いた。


アル「宣戦布告と受け取ります。」


アルは皆に聞こえる様に話す。


アルは右手を上げる。これは弓用意の合図だ。そして腕を敵に向かい振り下ろす。


シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ


。ギャー、いたぁ、ぎゃー、ぎゃー、やめてくれーー、助けてくれー、ギャー、ギャー


門の上から矢が雨の様に降り注ぐ。20名程度の兵達は何本も体に突き刺さっている。


アルは又手を上げると矢は止んだ。


難民たちは皆、唖然としている。


アル「この者達を捕獲せよー。」


アルの言葉で門兵たちが動き出す。21人中3人死んでいた。後は怪我の大小はあるが生きている。


難民たちを門の中に入れ。食事をとらせる。ダルト達捕虜に関しては簡単な治療をして縛り上げて監視させている。


これからどうしよう。宣戦布告として受けてしまった。祖父も父もいない状況でかなりまずい。

アルは門兵達に任せ屋敷に急いで戻る。


アル「おばあ様ー、母上ー、」


アルは祖母と母に状況を説明していく。


祖母「よくやりました。貴族は、なめられた終わりです。」

母「そうよ。アル。」


祖母「ですが今この状況は拙いですね。戦力が足りないでしょう。」

アル「はい、クレイン領の総戦力は700から800と来ています。すべて来るとは思いませんが半数の400は出すかもしれません。ギルバート領は兵60あればいい方です。元難民たちで戦える者を探してもプラス50人ぐらいでしょう。

ですがすぐにクレイン領兵が攻めてくるとは思いません。まずは使者を出し、反応をみます。まぁ戦いになるでしょうけど・・・」


祖母、母、そしてカイン+従士家とで話を進めていく。


祖母「カルロスを使者に出すのですね。」

アル「はい、カルロスは文官としてかなり優秀です。上手く話が出来るでしょう。」


カル(・・・・・もしかして俺、死ぬかも。)


アル「カルロス、頼んだよ。捕虜を取っている事、宣戦布告された事、王国法に従い宣戦布告を受けたことを伝えてきてね。」


カル「・・・・・了解しました。私の権限としましてどこまでの交渉権がありますか。」

アル「全権」

カル「えっ、全権ですか。」

アル「そう全権だよ、戦争するも、しないのもカルロスが決めていいよ。」


カルロスは身震いした。今まで全権をもって交渉などしたことが無かった。まぁ敵地に行き、交渉ではあるが、貴族同士の交渉だ。よほど怒らせなければ突然殺されることはまずない。話を持って帰らなければならないために、まず殺される事は無い。


カル「交渉やらせてもらいます。」

アル「こちらは戦争する前提で準備しておくからね。戦争中止でも全く問題ないかね。」




カルは比較的傷の浅い者一人と兵3人を引連れてクレイン領へと向かった。


一方アルは戦える者達を集めていった。

領兵(門兵以外)で63人 元難民 55人 領民100人

そして子供部隊で20人(アルの友達たち)みんな身体強化と魔法がつかえる。遠距離攻撃を行う前提で作戦を考えていく。


カイン「アル、攻めようぜ。」

アル「いい案ですね。」

カイン「えっ、いいのか。人数少ないし籠城じゃなくていいのか。」

アル「相手も籠ると思っているでしょうね。兵は向こうが3倍から4倍いますからね。まさか攻められるなんて思ってもいないでしょう。領主不在だしね。」

カイン「何か策があるのか。」

アル「勿論ですよ。カイン兄には大活躍してもらいますよ。」


アルとカインの話を多くの兵達が聴いている。このお気楽会話で少し和んできた。もしかしたら勝てるかもと思うようになっていた。




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