145話 騒がしい者達
兵士はカイセルの攻撃を巧みにかわす。そして反撃をしていく。
双方とも致命傷はないがかなりの傷を負っている。だが二人ともまだ闘志はあるようだ。
カイセルが仕掛ける、其れをいなす兵士、一進一退の攻防が続く。
(何故だ、何故倒せない。俺はハイヒューマンになったんだ。普通人など一撃で倒せるはずだ。何故倒せない、何でだ、クソー、ハイヒューマンでも俺はダメなのか。)
カイゼルは兵士をじっと見る。兵士もカイセルを見ている。動きを掴もうとしているのが分かる。手、足、目の動きを兵士は、見て動きを感じ取っている。
(あー、努力をすれば此処までになれるのだ。俺は今まで何をしていたんだろう。)
そしてフッと一瞬だけ気を抜いてしまった。兵士はその一瞬を見逃さなかった。兵士の一撃がカイセルの腹に決まった。
「うっ。」
アル「やめっ。」
カイセル「強いねー、負けちゃったよ。アハハハハハ。」
アル「分かったようだね。人は努力すれば、ここまで強くなれるんだ。何かに特化した強さではなく。うちの兵士たちは全体的に強くなっているんだ。兵士たちが連携した時には、ワイバーンでも敵わないんだ。」
カイセル「あー、俺は何やってるんだろうな。今まで頑張ったつもりでいたみたいですよ。でも違ったみたいですね。やり方を間違っていたんだな。あー,今なら分かる。」
アル「その力を国に使ってマセル王国を豊かな国にしてよ。」
カイセル「ですね。やってみます。それと連合国家に入ります。その方が楽そうだし。」
アル「まぁそうなるよな。」
それから又兵士たちとカイセルは試合を行なった。何かを掴めそうだと言っている。兵士は3人でローテーションで戦っていた。勝ったり負けたりの繰り返しになっていた。
デラ「流石ですね」
アル「いやぁ偶々だね。」
デラ「やはり王となる人は一味違いますね。」
アル「どうだろうね。一つだけ言えることは、国は民がいて初めて国と言えるんだ。王だけ居ても国とは言えない。」
デラ「そうですね。民が居なければ国とは言えませんね。王様一人の国なんて有ったら笑っちゃいます。ハハハ。」
カイセルは、少し変わった。
マルセ王国の王となる事を承諾した事で何かが変わって来た。今まではクオーツ王国の次男坊と言われ、無難に生きて来た。だがこれからは違う。国を背負って生きる。自分の考え一つで国が危機に落ちる事もある。だが先ほどの兵士との試合で分かった一人の力ではたかが知れている。みんなで力を合わせなければ大きな力は生まれない。個人の力は限界がある。でもみんなで集まった力には無限の力がある。足りなければ又集めればいいだけだ。
(国つくりって大変だなー。)
その後、9カ国連合は、6カ国同盟を統合した。そして名前もガーティアナ連合国家(通称、連合国家)に変わった。
15カ国の筆頭国はフェアネス王国になる。
7連国もサバリナ王国とプリテン王国を加え、9カ国になった。名称も9か国連合王国(通称9連国)となった。
9連国とガーディアナを併せると母国リーフ王国より巨大な国となる。リーフの一貴族が持つにはあまりにも巨大な力であった。
9連国と連合国家は国境を廃止した。両連合国に自由に聞き出来るようになった。
合計24カ国が一つの国の様に機能させている。アルがギルバート公国の内政も預かっている事で話はスムーズに進んだ。24か国はアル指導の元で各国の得意分野で国を富ませる事に成った。農業、商業、工業と幾つか得意な物に資金を出し伸ばしていく。24カ国に広がった事で需要が極端に言えば24倍に広がった。商人たちは笑いが止まらないだろう。農作物も種類が増えて、家庭料理が.の種類が増えている様だ。
9連国と連合国家は順調であったが、リーフ王国貴族達が又騒いでいる。
痛い目に合っているのに懲りない連中である。だが今回は手を変えてきた。リーフ王国からギルバートを追い出す画策を練っていた。
9連国や連合国家を樹立したことで、リーフ王国が加盟している。6か国協議の中に小国群を一つとして加えてはと貴族達が言い出したのだ。ギルバート侯爵家を追い出そうと画策した一手だだったが、思わぬ援軍が登場してしまった。ロング帝国が大賛成してきたのだ。
ロング帝国としたらリーフ王国とギルバートが同じ国であることに不満、不安があった。それが6か国協議の枠組みの仲間になり、リーフ王国と別の国となればロング帝国は万々歳だ。
困ったのはリーフ王国貴族とリーフ王国だ。リーフ王国はギルバート家がリーフ王国を抜けるようにならば困る。リーフの貴族達は、もしギルバートがい無くなれば領地が空くと思っている。大賛成をしている者のいた。
そしてギルバート侯爵家を置き去りに貴族達はもうギルバートがリーフ王国を抜けるという話になっていた。知らぬはギルバートだけであった。
リーフ王は、レビンとジークを城に呼んだ。
陛下「すまんな。貴族達が又騒ぎたしてな。」
ジーク「聞きましたが、何故ギルバートが、リーフ王国を抜ける話になっているのです。」
陛下「貴族達が小国群を1国として6か国協議に参加させようとしたのだ、それでギルバートは国を抜けるという話になってこのありさまだ。」
レビン「まぁあの貴族達の考えそうなことですが、何とも困りました。」
ジーク「陛下、ギルバートはリーフ王国を抜けたほうが良いと考えますか。」
陛下「まさか、ギルバートに抜けれては困る。あの貴族どもを追い出してもいい、残ってもらわねば困る。」
ジーク「分かりました、ギルバート侯爵家はリーフ王国の一員です。」
陛下「ありがとう。ジーク。」
レビン「それはいいのですが貴族達はどうしますか。このまま放置ですか。」
陛下「そうも行くまい。何か懲らしめる方法があればな、何かないか。」
レビン「有ります。父上の強力があれば可能です。」
ジーク「儂の強力か、いいぞあの貴族どもがぎゃふんというのが見れるのなら協力するぞ。」
レビンは、ジーク自体はリーフ王国の爵位をもう返上している。そこで小国群を本当に6か国協議に一つの国(集合体)として参加させる。そこにアルが発見した島も組み込んでしまう。島は勿論、フェアネス王国の物とする。
リーフを離れる事で今まで貴族達が甘受していた特権(島の立ち入り自由)が無くなる。6か国協議国と同じ扱いとなる。(6か国協議国は島に入るには税を治めている。一人入国時に銀貨1枚)
レビン「大した金額だはありませんが特権意識の高い貴族達はプライドが傷つくでしょう。それに色々な物が手に入らなくなります。スキルオーブも貴族達には高額になるでしょう。ダンジョン産の物は高くなりま。
陛下「んーー、リーフ王国が困るな。」
ジーク「儂にまだ働かようとするからだ。この案はなしだ。」
レビン「父上、もう少し働いても誰も困りません。折角ハイヒューマンとなったのです。隠居しないであと50年は働きましょう。」
ジーク「何を言っているんだ。儂はもう十分に働いた。9連国も名前だけじゃ。アルが仕切っておる。それに曾孫と遊ぶのは楽しいぞ。レビンよ孫にこの間、おじちゃん誰って言われておったな。ガハハハハ。」
レビン「今回は引きましょう。ですが父上、は長生きが決まっているのです。後100は生きるのですよ
それなら200年ぐらいは働いても罰は当たりません。」
ジーク「あと100年と言って何で200年働くのだ死んでも働けだというのか。」
レビン「孫のためです。孫が可愛いのであれば死ぬ気で生きて200年ぐらい働きましょう。」
ジーク「いやだ。絶対働かない。」
陛下「まま、親子喧嘩は家でやれ。それよりレビンのさっき言った事だがな。」




