136話 アルの怒り
アルはアンネローゼとサリーに呼ばれ、プリテン王国にやってきた。そこでアンネローゼから事情を聞く。頭が痛くなるような話だ。どう考えても争いにしかならない。アルは穏便に治める様考える。
問題はメイスン王国とクリデン王国の結婚問題だと理解する。
まぁでも今は無理だと判断した。そう簡単には見つからない。
仕方なく、使者として赴くととなった。
物凄く気が重いが、気分を高めて出発した。見送る家臣たちが何故か嬉しそうにしているのはアルの目の錯覚だろう。
アルは今タイガー王国の城の中にいた。
タイガー王国につくとプリテン王国の使者として王に謁見を申し込んだが、待ちぼうけを喰らっている。もう3時間も待たされている。
流石のアルも限界が来ていた。
アル「おい、そこの騎士まだか。」
騎士「・・・・・」
30分後
アル「まだか、いつまで待たせる。もう夕方だぞ。」
騎士「・・・・・・」
アルはもういいやと思い帰る事にした。だが騎士が止める。
アル「俺はもう帰る。」
騎士「謁見を申し込んだのです。帰る事は認めません。」
アル「なら何故、何もないのだ、いつまで待たせる気だ。世界中で一番気の長い俺が怒るぐらいだ他の者じゃもう帰っているぞ。」ボコボコボコ。アルは騎士を殴り倒す。そして部屋から出るとまた騎士がアルを捕まえようとする。だがアルを捕まえる事は出来ない。騎士たちは殴り飛ばされる。
次々と現れる騎士たち、アルは少し変だと気づく。騎士たちは何故俺が帰る事を知っているのだ。待ち構えるよに現れている。アルは騎士を殴りながら考えている。
一つの結論に達する。ワザとだ。
アルは確認の為に騎士を尋問する。時間もない事から少々手荒だ。
一人の騎士の腕を斬り落とした。「質問に答えろ。」騎士は恐怖で顔が引きつる。
「なぜおまえらは俺を待ち構えていた。」
騎士に抵抗は出来なかった。言葉が詰まると手首が無くなり、又詰まると肘の先が無くなっていく。
騎士は泣きながら答える。王の命令で待たせている。王は会う気が無い。帰るというのならば痛めつけそれから会ってやるとの事であった。アルの怒りが込み上がっていく。
そしてアルは襲ってくる騎士を次々と倒し腕か足を斬り落としていく。騎士たちが来なくなると。アルは城の中を徘徊する。そして出会う者皆腕か足を斬り落とす。
アルは、斬り落とされた腕や足を燃やす。
城の中はもう悲惨だ。うめき声と血が散らばり地獄絵図のようだ。
そしてその頃王は、城の奥で家臣と無駄話をしていた。アルには全く興味が無いようで、待たせている事事態忘れていた。ところが腕を斬り落とされた家臣が王の元に駆け込んできた。
王は話しを聞いて怒り狂った。剣を持ちアルの所に駆けていく。家臣たちも続く。
王「きさまーーー、何をやっておるかーーー、」
王は叫びながら、アルに斬りかかる。がアルが剣を振り下ろすと王の剣を持つ手が無くなっていた。
それでも王はひるまずに左手に剣を持ち又アルに斬りかかる。そしてまた同じ結果となる。王は両手首を斬り落とされていた。それを見た家臣たちもアルに斬りかかるがみんな同じく斬り落とされた。
物が持てなくなった王たちが喚いている。
喚く者達をアルは蹴飛ばして黙らせる。そんな事を何度か繰り返していく。
全体的に静かになるとアルは、王に近づいていく。そして足を斬り落とす。
「ギャー。」
もう片方の足も斬り落とす。
「や、ぎゃーー」
アルは偉そうな者達を選んで両手両足を斬り落としていく。一通り終わると再び王の前に行く。アルは死なないように止血はしてやった。
アル「お前が王か。」
王「そうだ。」
アル「俺が何時間待たされたか知っているのか。」
王「・・・・・」
ボコッ。
アル「答えろよ。」
王「知っ知らない。」
ボコボコッ。
王は恐怖した。こんなことがあっていいのだろうか。自分は王だ国で一番偉いのだ。誰にも指図をされずに生きて来た。それがいま床の転がされている。こんな理不尽が許されるのか。手も足の無くなりどうするのだ。怖い怖い、誰か助けてくれ、誰か・・
「た、たし・・け・・・」
ボコボコ
「黙れ、俺に質問以外喋るな。」
アル「この国は、使者の対応も出来ないのか。」
王「・・・・」ボコボコ
アル「おいそこの偉そうなやつ、こっちこい。」と言ったアルであったが手足の無くなっているものだ。来れる訳がなかった。まだ片手だけ斬り落とされた騎士たちに持ってこさせる。
お男は恐怖に震えている。
アル「お前は、使者をどう扱うのだ。答えろ。」
男は正直に答えていく。いつののやり方を説明していく。アルに行ったように待たせ怒らせてボロボロにして送り返す。タイガー王国の威厳を見せつける為にやっている。途中で死ぬ者もいるという。
使者が泣いて許しを請う姿を民にも見せるのだという。アルは呆れた一国を預かる者がそんな事をしている。この国はダメだ。民もその事でタイガー王国が強者であると思っている。
アルは皆が死なない様止血を行なった。そして城内の非戦闘員たちを集め、騎士と王たちを城壁前に置いておけと指示を出す。そしてアルは外で待つトムとアスカを呼ぶ。
トム「なんか騒がしいと思ったらやっぱりこうなっていたね。」
アスカ「だね。でも思ったのとはかなり違うわね。」
アル「この国はおかしいぞ。使者をいたぶって喜んでいる。」
アスカ「なる程ね。アルが怒るのは無理ないわね。ところで私達はどうするの。」
アル「アスカには、ドロイドへ行って兵を連れてきてくれ。人が足りない。王たちは手足が無いから動かせないんだ。」
トムは周りを見て納得する、此処にいるすべての者達は、体のどこかを欠損している。
トムとアスカの隊員たちは各自仕事に取り掛かる。いつも通りであった。
そしてアスカが急ぎドロイド王国まで戻ると、家臣たちは待ち構えていた。もう準備万端であった。
アスカに事の成り行きを聞くと歓声迄上がった。家臣たちは急ぎタイガー王国を目指し出陣していった。
アスカが帰り着いて2時間後の出陣だった。