128話 ロング帝国貴族
アルたちは、新興貴族屋敷で牢の中にいる偉そうな貴族の相手をしている。
貴族「おい貴様早くここから出せ。」
兵「・・・・・・」
貴族「早くしろ平民が。」
兵「・・・・・」
貴族「おい貴様聞いているんか・」
兵「・・・・」
牢の中から貴族がもう何時間も命令をだしている。牢番のも顔は無表情だが完全に疲れている。
もう嫌だという感情がガンガン伝わってきている。
アルたちは、牢の中に入った。
アル「伝統貴族の方でしょうか。」
貴族「おーやっと話の分かる者が来たな。早くここから出してくれ。」
アル「出す訳ないでしょう。捕虜ですよあなた達は捕虜です。」
貴族「なっ・・・・・」
アル「伝統しかない貴族の方でも分かりますか捕虜という事が、捕まったんです。」
貴族「わ、我らは、伝統のある貴族だ、ほ捕虜となったのならば、そのき、貴族のた、待遇を・・。」
アル「何言っているんですか、捕虜はただの捕虜です。牢の中で一日1回の残飯ですよ。昨日の夜の食事は美味しかったでしょう。私たちの残り物でした。皆さん美味しそうに食べていましたねー。」
貴族「ま・さ・・・ざん・・ぱ・・」
アル「伝統しかない貴族の皆さん。これからの過酷な人生が無事で有る事を祈っています。」
貴族「ままま待ってくれ。本当に我らは捕らわれたのか。」
アル「あなた馬鹿ですか。今捕まっているではありませんか。」
貴族「・・・・・・」
アル「いいですか、貴方たちは捕虜となりました、いずれリーフ王国に引き渡され裁判となるでしょう。まぁそれまでは此処でゆっくりしていて下さい。」
貴族「か、家族に連絡を頼む。金なら出す。家族に連絡を・・」
アル「多分無駄でしょう。今、ご家族はそれどころではないでしょう。自分たちが生きるか死ぬかの瀬戸際に居ますからね」
貴族「きき貴様、家族に何をした。」
アル「多分ですけど、あまたと同じことですよ。あなたは貴族のご令嬢を攫いましたよね。」
貴族「・・・・・・・き、貴様許さん。」
アル「ええ許さなくとも構いません、貴方は死ぬんですから問題ありません。」
貴族「えっ、し死ぬ????」
アル「当たり前でしょう。これだけの騒ぎを起こした張本人ですよ。処刑されて当たり前でしょう。」
貴族「まさか・・・・儂は伯爵だぞ、・・」
アル「身分が貴族だろうと変わらないんですよ。」
アルはもう話すのも嫌になり牢を出ていった。その後も牢の中では大声で怒鳴り散らしていたという。牢番の手当てが2倍になったという。
クリス「アルは本当に煽るのが上手いね。」
アル「別に煽っている訳ではありませんよ。事実を告げているだけです。」
クリス「まぁ、あの貴族はダメだね。全く状況が理解できていないね。まだ後ろに居た者達の方が理解しているね。」
アル「そうですね、後ろにいたドロイゼン子爵とキュンメル子爵は真っ青な顔をしていましたから、分かっているんでしょう。」
カイン「これからどうするんだ。暇だぞ。」
アル「これから、俺たちはロング帝国に行きますよ捕虜の殆んどがロング貴族の兵士ですからね、その貴族と交渉にならないでしょうから叩き潰しに行きますよ。」
カイン「へへへ流石アルだな。明日出発か。」
アル「明後日になります。まだ一応取り調べの最中ですから終わらないと行けません。」
カイン「了解。明後日だな。」
アルは捕虜であるロング帝国貴族の家臣たちに手紙を書かせた2通だ。1通はロング帝国宛てである。貴族の命により出撃をした。名目は義軍だが貴族家の命令であったと告げる手紙と家族あての手紙である。家族には捕虜になった事、今は無事であることが書かれている。
アルはロング帝国に対して捕虜の手紙と同時にギルバート家としての勧告状をだす。リーフ王国内においてロング帝国貴族が、支援した兵士がリーフ王国の領土を侵略をした。戦闘となり撃退する。その報復を行なう。支援した貴族の領地を破壊する。
ロング帝国に対して手紙を送った。
そして翌々日
アル「じゃぁ行きますか。」
カイン「おう。」
アルたちはワイバーン隊を引き連れてロング帝国に向った。
その前日ロング帝国では
皇帝「何だこれは、説明せよ。」
宰相「今調査中です。貴族達を呼びよせています。」
皇帝「いや待て、貴族は呼ぶな。」
宰相「それでは真実が分かりません。」
皇帝「いやこの手紙は多分事実だ。今貴族達を呼べばその貴族達は間違いなく命が助かる。それでは解決にならん。死んでもらおう。」
宰相「陛下、あまたはやはり皇帝陛下ですな。」
皇帝「この帝国を守らなければならない。あのギルバートと戦えるか。それに今回はロング帝国貴族が悪い。帝国のメンツを保たなければならない。貴族どもはリーフ王国の者の報復で殺された。ロング帝国は全く関与はしていないだ。そうだろう宰相。」
宰相「真事でございます。ロング帝国は関与はしておりません。ですので貴族が報復で殺されようと感知いたしません。ですがその後は対応を迅速におこないましょう。帝国貴族の領地は帝国の物です。貴族家の財産での賠償といたしましょう。」
皇帝「そうだな。まぁ転付でも構わん帝国のメンツが立てば問題ない。好きのせよ。」
宰相「はっ」
アルはロング帝国貴族領を飛び回った。その貴族領は20を超えていた。ワイバーンで分担して回った。貴族領に立て札を建て、手紙を読み渡す。もうこれだけで大仕事だ。ついでに貴族の館を潰していく。貴族領では貴族の館と貴族の物以外は破壊を行なわない。後で問題となるからだ。あくまで貴族への報復なのだ。
この貴族領への攻撃で人的被害はほとんどなかった。
館の中に居た者達も事前に通達があり避難をしていた。戦後の事を考えての行動であった。
ロング帝国中をこのニュースが駆け巡った。貴族領への報復、帝国の民は興味津々で聞きかじった。アルたちも都合の良いように、そして嘘はつかずに情報を民に流していった。その結果、貴族達の地位が揺らいだ。帝国で貴族は不要論が出てくる。貴族達は貴族は必要であると必死に火消しを行なっている。もう他に構っている場合ではなくなってしまった。
アルたちは捕虜交換等の交渉に入る事となる。