124話 ホントウ島の代官
アル「これはどいう事だ。」
騎士「はい、実は・・・・
騎士の説明では、ワイバーンで島を巡回任務で回っている時にワイバーンの群れが近づいてきたので、撃退したらそのワイバーンたちが従ってきたという物であった。
アルは信じられないという顔をしていた。
アル「本当にそんな事があるのか。」
騎士「目の前に御座います。」
アル「そうだな、これを見ても信じられないな。従わせたのはお前か。
騎士「左様です。」
アル「現在の所属とか階級は」
騎士「はっ、ギルバート侯爵家家臣ラーク家第一中隊第2小隊長、モルト・ラークです。」
アル「ん、ラーク家の縁者か。」
騎士「はい、当主のマルボロ男爵は、伯父になります。」
アル「親は爵位は持っているのか。」
騎士「いいえ持っておりません。」
アル「この功績は、大きいモルトに騎士爵と領地をやろう。ラーク家の近くがいいかそれとも俺に任せるか。」
騎士「・・・・お任せいたします。」
アル「親は今どこにいる。」
騎士「はいラーク家の領地で代官をしております。」
アル「モルト結婚はしているか。」
騎士「いいえまだしておりません。」
アルは、こいつは条件がピッタリだと思った。
アル「兄弟はいるのか。」
騎士「はいおります。兄と弟が二人です。弟はこの部隊におります。」
アル「呼べ今すぐに呼べ。」
そしてアルはモルトの弟を交えて、ホントウ島の事を告げる。もし受けるならばそれなりの待遇を約束した。」
アル「どうだ受けるか。」
騎士「やります。やらせて下さい。」
アル「よし決まった。ではモルト・ラーク騎士爵、ホントウ島代官を命ずる。代官が騎士爵では、ホントウ島の使者としてはカッコが付かないなぁぁ。よしではモルト・ラークはラーク家から独立しろ。それなら男爵だ。お前の弟は今回何か武勲をあげたのか。
モルト「弟は今回の魔物討伐では、2頭のワイバーンを捕らえ調教しました。」
アル「はっ??調教してどうなった。」
モルト「はい、上手く行っています。」
アル「その弟はこいつか」
モルト「いいえもう一人の方です」
アル「おいそこの弟、お前は何か武勲をあげたか。」
弟「はい、私は、今回、熊とコングとオーガを各10頭は殺しています。」
アル「結構強いんだな。よし合格。弟二人に騎士爵をやる。そしてモルトを補佐せよ。」
モルト「・・・・・・・・そんなに簡単に決めて宜しいのですか、男爵ですよ、騎士爵ですよ。」
アル「いいんだよ。男爵迄はギルバート家は申請すれば貰えるんだよ。領地もやるぞ。ホントウ島でいいか。」
モルト「貰えるのであればどこでもいいです。」
アル「ならば。今回ホントウ島の1割が貰った。半分遣る。その代り俺の直轄地も一緒に守れいいな。」
モルト「は、半分って大きすぎではないですか。」
アル「いいんだよ別にここ遠いだろ。だからおまけだ。」
モルトと弟二人は呆けてしまった。
数分後に正気に戻った時にはアルの姿はなかった。
弟「兄貴、どうする。」
モルト「取りあえずは、親に報告してここまで出来てもらおう。話は其れからだ。」
マルボロ・ラーク男爵の伯父一家は、クレタ島へと集合した。そこで家族会議となった。
父「モルト、今回の話は本当か。」
モルト「父上、本当です、現状で私は騎士爵を貰いました。代官を受ければ男爵となります。」
父「そうか、凄いな。おめでとう。」
モルト「ありがとうございます。」
父と兄弟4人が話し合った。
ラーク家の伯父一家は、爵位なしの貴族である。(領地はない)代官職にるためそこが領地のような物になっていいる。
今回の話は、勿論受ける事が前提の話し合いだ。モルトがホントウ島の代官となれば,ホントウ島の5%が領地となる。アルの5%の領地管理をする事が条件である。
これは全く問題ない。
それと。弟二人にも騎士爵が贈られる。モルトの補佐任務だ。そこで問題になるのは、この自分の領地で代官職につく事で人がいないという事だ。実際領地管理と代官職の兼任は難しい。領地が多きれば尚更だ。
父「家族で此処に住する。」
長男「父上・・・・」
モルト「兄貴、いやいい。」
長男「・・・・・」
父のこの言葉で、家督はモルトが継ぐことがハッキリとした。爵位なし貴族であっても長男が家督を継ぐものとなっていた。だが今回、次男が功績をあげ爵位持ちとなる。貴族に取ってこれ程。嬉しい事がないのだ。
父「爵位持ちは貴族の夢だ。幾ら実力があってもチャンスが無ければどうにもならん。それがモルトが掴んだのだ」
長男「分かりました。モルトは代官で忙しいでしょう。私がモルトの貰う領地の代官として働きましょう。」
モルト「兄貴、いいのか。」
長男「いいさ、こんなチャンスはそうない。うまくつかんだな。おめでとう。」
モルト・ラークを男爵としてホントウ島の代官 モルト男爵の領地はホントウ島の東(5%)部分
この5%は広大な広さがある。ホントウ島はかなり大きな島である。東は人口が少ないが、土地は広い。下手な男爵領より広さがある。
後にアルは長男の事を聞いた時に男爵ならば、俺に申請して準男爵位を出してやるぞ。広い領地だ。爵位があった方がいいだろう。領地を分けてやれ兄貴は大事にしろよ。と言っていた。
ホントウ島代官の補佐として3男カルト、4男ワルトの両名は騎士爵となった。カルトはワイバーンの調教担当とした。4男はクレメン島の警備担当となった。二人は部下をワイバーン隊2個中隊(カルト隊長)
兵士200人(ワルト隊長)を持つことになった。
代官である。モルトは、ワイバーン隊2個中隊と兵士500人を指揮する。この500人の兵は島の治安維持部隊である。
モルトの兄である長男は、モルトの領地の代官として働く。準男爵として領都の代官だ。父は領主代理として領地を兄と共同で管理する。
この領地を受領後に父はモルトに家督を譲った。父は嬉しそうに笑っていた。
(領主代理として働きだすと思いのほか激務で愚痴しか言わなくなったという)
こうしてホントウ島の代官は決まった。
今回の、兵たちの報酬の多くは、ホントウ島の領地の上りの半分を全兵士で分けるそれを3年間配られる。(アルの5%の中から出されることになっている。)
それとモルト男爵に家臣がいない。いきなり男爵だいる訳がない。そこで今回の兵の中から希望者を家臣にさせた。その家臣たちはモルト男爵から領地を分られていた。