116話 奇跡を受けた4人
少年は、泣いていた。腕を斬り落とされた事を思い出していた。王都のスラムに住み着いていた少年は物乞いをしながら暮らしていた。そして物乞いの親玉に腕を斬り落とされたのだ。斬り落とされた理由は、物乞いで同情を買うためであった。物乞いの成績が悪かった少年に罰と見せしめの為に斬り落とされた。
何日も熱でうなされ、碌な治療もされないままに、半放置それでも生き延びた少年は、この場を逃げ出した。
親玉も、この少年を探しもしなかった。死んだと思っているのだろう。
そして少年は王都を彷徨った。もう何日経ったのかもわからず。物を貰い食べ。また彷徨い物を貰って食いつなぎ生きていた。
そしてギルバート者に拾われた。腕を治す条件で少年は承諾した。少年は腕が取り戻せるのであれば何でもやる気でいた。それが好条件で驚いていた。実際この場に来て納得した。余興の実験台なのだと。それでも少年には最高のチャンスであった。そしてそのチャンスを掴み取っていた。
少年は一旦広間から出されて待機となった。
会場では、くじが再開されていた。異常な盛り上がりを見せていた。再生スキルと治療魔法のスキルが後2つである。みんな目が真剣になっていた。一つ数字が呼ばれるたびに歓声と落胆の声が渦巻く。
会場は熱気に包まれていたそして等々二人目の当選者が出た。「うおおおやったーーーーあたったー。」
司会者「おおー、おめでとうございます.上段へお越しください。」
当たった男は上段へとむかう。
司会「改めてお目でとうございます。お名前を聞きかせください。」
男「おれ、いや私は、ドロイド王国の領主でアロン・ドロンと申します。」
司会「ではドロン様.賞品でございます。
アロン・ドロンはスキルオーブを二つ貰い。胸にスキルオーブをあてる。吸い込まれたスキルはアロンの物となった。
司会「おめでとうございます。お試しにお使いになられますか。」
そして二人者当選者も使って見せた.そして足の無い男の人生も変わったと言う。
最後の3人目をめざして会場中が再び盛り上がる。
最後の当選者は、なんと元フォンテーヌ家、家臣ルミーの家臣.現、騎士爵ルミーの付き人として会場に来ていた。平民メリーナであった。このメリーナは左目がない。戦での負傷であった。
そして自分で左目を治した。そして泣いた.ワンワンと大声を出して泣いていた。ルミーも抱き着いてもらい泣き(大声で泣いている)をしていた。周りのも達も温かい目で見ていてくれた。ひと段落してアルが、上段にたち告げる。
実は、腕の無い者を一人残っている。と告げると、今迄泣いていたメリーナがでは私がと言いかけて・・・黙った。周りの雰囲気を感じ取っていた。ここは喋ってはいけない鈍感な平民センサーが呟いていた。
アルは、もう一つ用意するのでその者を治療を条件に出そうと告げる。
「「「「「おおおおおおおおおおおおお」」」」」」
そして4人目を決める戦い?が始まった。
3つそろうまでの戦いだが、2つそろっている者達は、必死だ。ダメだったものが復活したのだ。枠は一つ。そして一瞬で決まった。一回の数字で決まった。A1「当たった。」
それは一番最初にこの迎賓館に訪れた。ガリレオ王国王子であった。
司会「王子様、おめでとうございます。上段へどうぞ。」
王子はニコニコしながら上段へと挙がる。
司会「王子様、こちらがスキルオーブです。お受け取り下さい。」
王子はスキルオーブを受け取ると、すぐに使用する。そして約束通りに1人の男を治療する。見事再生された腕を見て涙していた。
王子はその男の幸運、強運を褒め、その強運を近くに置く事にした。ガリレオ王国王子の家臣として召し抱えられたのだ。
会場の者達も驚いた。そして大きな拍手喝采が湧いていた。「「「「おめでとう」」」」」
アルの催しも一段落した。もうすぐ終わろうとしていた。会場の者達は各々雑談をかわしている。
アルが殺した者を連れて来た者が見つかった。アルは別室にその男を呼びだす。
アル「お前があの男を連れて来たのか。」
男「私を誰だと思っている。子爵ごときが・・」
アル「貴方はなにものですか。」
勿論アルは知っている。
男「・・・儂を知らぬと言うかいいか良く聞け。儂はリーフ王国公爵、フリードリッヒ・リーフォン・レーメンド公爵だ。分かったか小僧。」
アル「へーたいそうな名前ですね。その公爵さんは何故うちのパーティーに呼ばれていないのに出席しているのです。」
公「フン、呼ばれたから来ておるのだ。ほれこれが招待状だ。」
アルは公爵が投げた招待状を確認する。それはリーフ王国国王への招待状であった。
アル「これは公爵への招待状ではありません。」
公「当たり前だ。陛下の代理できておるのだ。この責任は取ってもらうぞ。」
アル「責任と言いますか何の責任でしょう。」
公「儂の代理人を殺した事だ。儂の代理人だ。王の代理と同じなのだ。賠償請求をする。」
アル「これは宣戦布告として受け取って宜しいですね。私の妻を侮辱したのです戦争を仕掛けられたのすよ。貴族の矜持ですよ。公爵様。」
公「えっ。」
公爵は、驚いた。今まで王の代理、王の使いと言えば大抵の事はうやむやとなり逆に金や領地を分捕ってきたのだ。それが通じない。
アル「此処に宣言します。アルフォード、フォン・ギルバートはフリードリッヒ・リーフォン・レーメンド公爵の宣戦布告を受諾します。」
公「ままままっ・・「アル様、敵に敵領地に強襲をかけます。」
アル「よしいけ存分に働け、皆よ、いけーーー。」
いつの間にか部屋の扉は開かれていた。大広間に響き渡る。宣戦布告の受諾であった。
「「「おう」」」
アルはにっこりと笑い。会場の皆に、大量のお土産と今後協力をするのならば、取った領地をわ分けてもいいと告げていく。
こうして予想通りのトラブルが起こったパーティーはお開きとなった。
そしてリーフ王国公爵領に強襲を掛けたアルの家臣たちは、強襲にもならなった。公爵領には兵もいなく。治安維持のための警備兵しかいなった。館を占領して終わってしまった。敵の負傷者、擦り傷数名、アル側の被害は0人であった。
そして宣戦布告受諾で、公爵領の領地を占領したアルは、リーフ王国に公爵領を全て渡してしまった。戦後の交渉も何もないままに全てルーフ王国に丸投げした。アルは何もいらないので好きにしてくれと陛下に告げていた。