115話 パーティー開始
迎賓館に到着した一番最初のお客様は、ガリレオ王国王子御一行だ。
最新設備の迎賓館に驚き感心している。特にトイレは面白かった。トイレの便器に顔を近づけて覗いていた。まぁ気持は分かるがが観られている事を意識したほうがいいだろう。
そしてロング帝国。セレン王国、7連国、ダルメシア王国、テトラ王国の順で到着をした。
みんな迎賓館の設備に夢中になっていた。特に女性はお風呂が24時間いつでも入浴できることに感動していた。
今の王国で風呂に入るならば、下働きの者たちが桶で浴槽にお湯を入れて入浴する方法なのだ。それが蛇口をからお湯がドバドバと落ちてくる。もう目を丸くしてみていた。
この迎賓館はかなりの大きな敷地だ。正確には迎賓館と別館がある。迎賓館は、もちろんパーティーや国際会議、など各イベントに使う。もちろん滞在にも使える。
別館は、各国の宿泊施設となっている。今回の様に数か国の場合迎賓館だけでは不都合となる。誰が上位者だとか色々と面倒になってくる。そこで別々にしてしまえば問題は解決する。各国様に建物を用意したのであった。7連国にも少し離れた場所(迎賓館外)に確保している。これは後に大使館として使用してもらうために用意していた。小国家群の国々は大使館など持っていない。アルはプレゼントしたのだ。まぁドロイド王国用に造ったが他の国にねたまれると思い用意しただけだった。
これに大喜びをしているのがタリー王国王だった。ワイバーンでの送迎とこの大使館だ。それも最新式の設備だ。新しい者好きな王は燥いでいた。
そしてパーティー当日になるとリーフ王国の各貴族も迎賓館に姿を現す。リーフ王国の貴族達も迎賓館を始めてみる物が多い。もう驚きなれた他国の者達の前で大きな声をあげて驚いている。何故かしらけた目で見ているのは気のせいだろう。
ギルバート家のお出迎えで、招待者たちはパーティー会場へと入っていく。そのパーティー会場には、かわいいちびドラゴンがお出迎えもしていた。愛嬌たっぷりにかわいさを振り撒いている。このちびドラゴンはマジックとハルの子供たちである。招待客を驚かそうとちびドラゴンたちにお願いをしたのだ。勿論、親のマジックとハルには許可を取りすぐ近くで見守ってもらっている。
貴族達が驚いたり、可愛さに悶えていると、メイドたちが飲み物を持って来た。ワインとサイダーである。
貴族達の雑談もちびドラゴンからこのサイダーの話題と他の招待客に興味が移っている。
このパーティーの大きな特徴は、下は平民から上は王族まだ一つの会場にいる事だろう。貴族のパーティーでは身分によって別々の部屋で行なわれていた。
そんな会場でも、何の問題なく穏やかに皆が楽しんでいる。
そしていよいよギルバート侯爵家当主の挨拶が始まった招待客はワイン片手にレビンに注目している。レビンももう慣れたもので、簡単に挨拶を追われ世人ごみの中に消えていた。
王族貴族達は思い思いに、雑談をし、外交をこなしていた。
そんな中、一人の貴族がアンネローゼに近づく。
貴族「おおーーーこれは、これは、イシタリカのお嬢様ではありませんか。」
アンネローゼは、無にも言わずに無表情。
貴族「あーー、失礼しました。今は没落から復活されておめでとうございます。今回のパーティーもギルバート家の支援で行ったとか。侯爵としてそれは如何な物かと愚考しますね。」
アンネ「あら、何か勘違いをしていますわ。このパーティーはギルバート家とイシタリカ家の合同パーティーですのよ。招待状はお持ちですの。」
アンネは見事に切り返した。招待状には合同パーティー開催となっている。貴族に対して本当に招待されたのかと言っているのだ。(この貴族招待されていない。招待者の同行者となっている)
貴族「ぐ・・・・・、イシタリカは運がいい。偶然敵の将軍を倒して復活した。それが無ければ今でも町で体を売っていたな。へへへへ、王都で見たぞ。ボロボロの服で町で働いていたなーー、アハハハハ。お前の居場所はここではない。アハハハハ。」
この貴族、少し言葉(追い込まれた)に詰まっただけで、この暴言を吐いてしまった。吐いた直後この男の首が無くなっていた。犯人はアルであった。
だが首が無くなっても血が飛び散らない。アルは首を凍らせていた。血が飛ばないようにしていた。
アルの部下が一瞬で死体を片付ける。少し離れた者達は何が起きたのかも知らない。
アル静かに話す「私の妻を暴言を吐いた、私たちと敵対す事とか判断した。余って処分した。この男は誰か知っている者はいないか。」
貴族「あ、はい。この男はリーフ王国のデルシア子爵です。今回の招待客ではありません。」
アル「ではなぜ中にいるんだ。」
貴族「誰かの同行者ではないでしょうか。」
アル「そうか見つけて私の所に後で連れてきてくれ。皆様にはご不快なものをお見せしました。お詫びに皆さまにはこれを進呈いたします。」
アルが取り出したのは、一撃無効のスキルオーブだ。何とも皮肉なプレゼントだろう。このスキルを持っていれば、アルの一撃は無効となっていた。
周りにいた貴族達も事実を聞くと苦笑いをしている。
そしてあアル企画した。くじ引き、要はビンゴだ。ビンゴの様な紙が無いのであらかじめ数字を3つ渡している。その数字が出たら名乗り出てもらうとしている。
司会者が数字を読み上げる。
B31、C56、H95、D4、A60「おッこれだ。」J76、F10、L2、・・・・・・・
淡々とくじ用の回るボールを取り出して読んでいく。そして「3つそろったわ」
司会者「おめでとうございます。前にお出でください。」
1人目の当選者が壇上へと上る。その当選者は何とテトラ王国王女であった。
王女に、スキルオーブ2つ渡されたそしてスキルの内容が発表された。館内にどよめきが起こる。再生スキルなど聞いたことが無かったからだ。そして治療魔法と兼用すれば他人でも再生できることにまたどよめきが起きた。王女には実践としてスキルを使ってもらう事になった。アルの余興として、自らの腕を斬り落とした。もちろん血は飛び散らない。驚いたには王女であった「きゃぁ」
アル「大丈夫です。この腕は今は慣れています。練習です。腕をくっつけるイメージで魔力を注いでください。」
治療されるアルが指導しながら魔法を使わせる。
「「「「「「おおおおおお」」」」」」
見事アルと腕は繋がった。だがこれが再生ではない。さすがにもう一度は無かった。一人の腕の無い者が連れてこられた。この者はただで治療する条件でこの場にきている。綺麗な服を着せられ、美味い物を数日前から食べている。そして治療後はその日までの日当もでる。希望すれば職場も紹介してもらえると言う至れり尽くしのこの患者は強運の持ち主かもしれない。
王女は、深呼吸をしてからその少年に再生スキルを使った。肘から先の無い少年の腕は再生されていた。
「「「「「おおおおおおおおおおおおお」」」」」」
大盛り上がりに中、一人の少年は泣いていた。腕を無くした日の事を思い出していた。