106話 激論?
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| スリート王国 | メイセン王国 |ーーー
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|ーーーーーーーーー|ーーーー| タリー王国 |ーーーーーー|
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| ドロイド王国 | アンデル王国 | クリデン王国 |
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アル「分かりました、力を貸しましょう。」
宰相「えっ、」
宰相はまさか、承諾するとは思っていなかった。何の関係もないのだ。得がない、損しかないのだ。
宰相「宜しいのですか。」
アル「力を貸しますよ。どのような結果を望んでいますか。」
宰相「結果ですか、で、出来ましたら今の国土を守り、近隣諸国には手を引いてまらえれば。」
アル「そうですね。うちから飛竜の部隊を貸しましょう。」
宰相はこんなうまい話があるのかと思っていた。まさか騙されているのではと思ったが、今のタリー王国を騙しても何の得にもならない。
宰相は恐る恐るだが、何故と聞いた。
アルは苦笑いを浮かべながら答える。嫁がその女神様なんだと伝える。
宰相はその女神さまを頼ってここまで来た。だから助けると言う。
翌日、アルは宰相を連れて、ギルバート盆地領に向かう。
ギルバートの盆地には、家族が勢ぞろいしていた。プラス家臣たち迄揃っていた。
アルは思ったこれタリー王国の近隣諸国は無事では済まないな。
会議室に着いたアルと宰相は事の経緯を話す。一人だけモジモジしているご婦人がいたが誰も何も言わない。
カイン「アル、俺が行く。」
レイモンド「カイン兄が行くなら俺も行きます。」
ベントレイ「お、俺も一員です。行きたい。」
ギレン「待ってくれ。ここは家臣に任せてください。俺が行きます。」
そしてファルコン家、ロックウエル家、ファースト家、フィールド家、本来文官のフォンテーヌ家迄、出陣を申し出ている。アルの予想通りになってしまった。
そしてイシタリカ家もローゼンが手おあげる。「俺も行きます。女神を頼ってきたんです、俺が行かないと話にならないでしょう。」
アンネ「ダメよ。私が行くわ。」
「「「「・・・・・・」」」」
宰相は呆気に取られていた。何だこの人たちは、何故みんなが戦争に行きたがるのか、不思議であったが、のちに納得をしていた。
レビン「皆がタリー王国の派遣を承諾しくれた事を嬉しく思う。だが全員は無理だ。ギレンの所は半数だ。皆の所も同じだ。半数なら行かせる。よいな。」
「「「「「「はっ」」」」」」
ギルバート家の空に戦力の半分、これはかなりの過剰戦力となる。
アル部隊 ワイバーン隊3個中隊
カイン部隊 ワイバーン隊2個中隊
ギレン部隊 ワイバーン隊5個中隊
イシタリカ部隊 ワイバーン隊2個中隊
マインズ部隊 ワイバーン隊1個中隊
ロッウエル部隊 ワイバーン隊1個中隊
ファルコン部隊 ワイバーン隊1個小隊
ファースト部隊 ワイバーン隊1個小隊
フォンテーヌ部隊 ワイバーン隊1個小隊
フィールド部隊 ワイバーン隊1個小隊
ワイバーン隊実質15部隊での出陣となる。これにアルやカインのドラゴンたちは加わる事になる。ロング帝国でも敵わないだろう。
そしてその夜に、激論が交わされていた。
ギレン「タリー王国の周りの国々に先制攻撃だな。これしかないだろう。」
カイン「俺はメイセン王国をやる。絶対譲らない。」
アル「・・・・」
ギレン「あっ、なら俺は、スリート王国だな。5中隊いるから丁度いい。」
マインズ「なら俺はロックウエル家と共同でクリデン王国でお願いします。」
ロックウエル「いいね。それで行こう。」
ファースト「ならば我々も3家の共同で当たりましょう。アンデル王国に行きます。」
ローゼン「残りはドロイドですね。イシタリカはドロイドに行きます。」
アル「もしかして俺は守りか。」
「「「「・・・・・・」」」」
みんな知らない振りをしている。
アル「まぁいいよ今回は譲るよ。アンデル王国は余裕をもって俺の1部隊を付けるよ。使ってくれ。
ファースト「はっ、ありがとうございます。必ず殲滅してみせます。」
アル「いや、殲滅ってそこまでやるの、やったらダメでしょう。」
ギルバート家はおかしかった。戦争で負けると思っていないのだ、武勲をあげる場所と思っているようである。
この話し合いが終わると家臣たちは一斉に姿を消した。それは陸上部隊を送り込もうとしていた、レビンは空の部隊は半分とい言った。陸上豚は何も言ってはいない。ならば出そうと言う事に家臣たちはなった。自前の私兵を出す事になったのだ。その為にケリー輸送を使う。運べる兵を詰め込み飛ばしていく。ケリーの特別料金だ(お高めだった)
ワイバーン隊の出陣はそれから2日後であった。
アル「では行ってまいります。」
宰相「・・・・・・・」
レビン「あまり暴れるなよ。」
ジーク「・・・・わしも・・・」
レビン「ダメです。隠居したんですよ。家臣に活躍の場を与えてください。」
ジーク「くっ・・・・」
ギレン「ジーク様、俺の働きを見ていてください。」ニッコリ
ジーク「・・・・」悔し顔
こうして平和的に出陣となった。
一人不安な顔をしている者がいる。それは宰相であった。まさか隣国を攻撃するなんて思ってもいなかった。だが兵の救援要請となれば敵国に攻撃すると思うのはあたりまであった。守りの為に救援要請だったとはもう言う事が出来ない。そして・・・腹をくくろう。タリー王国に帰って報告だ。陛下にも理解してもらう。
宰相は一人、決意するのであった。
アル「行くぞーーーー。」
「「「「「「「おう」」」」」」」
約15部隊のワイバーン隊が飛び発っていく。領民たちは何事かを空を見上げていた。そしてそれはリーフ王国中が上を見上げる事となった。
ギルバート領から王都上空を通過、ロング帝国を横断して小国群に入った。