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1話  俺死んだのか。

俺は今、白い着物を着て長い行列に並んでいる。

そう、俺は死んだのだ。ここはあの世の入り口なのだろうか、並んでいる者達は皆白い着物を着ている。日本人だけしかいない。

外国人は別の窓口なのだろうか。


みんな黙って並んでいる。もう何時間も並んでいるが、10メートルも進んでいない。でも誰も文句を言わない。もちろん俺も文句は言わない。

なぜか怒る気持ちにならないからだ。


家族の事も日本の事も遠い昔のような気持になっている。不思議だ。死んでまだ数日のはずなのに。






そしてやっと洞窟のような中に入っていく。





「次の人、こっち来て。」


俺の番か。



俺は、黙って指定された場所に行く。


俺は椅子に座り黙っている。


「へー貴方中々、いい成績ね。」


俺???


「ゴホン、えーあなたは生前かなり優秀でした。優秀というのはですね、生前に苦労したと言う事です。

貧しい生活で食べる事がやっとお金が無く我慢に我慢を重ねた。」

「はい、とても苦しい生活でした。」

「そうでしょうね。友人にだまされたり、霊感商法、押し売り。詐欺と見事にハマっていますね。何ていい人なんでしょう。」

「なかなか断る事が出来ませんでした。」


そう俺は生前よく詐欺にあっていた。色々な物を買わされていた。そして体を壊し、破産までしていた。

生活苦により生活保護を受給して生活をしていた。そしてやっと年金が貰える日に死んだ。


「これだけ人に騙されて、まだいい人でいられるのはかなり優秀ですね。普通は怨みつらみで歪んでしまうんですよ。」

「はぁ、」


「次の人生も頑張ってくださいね。」

「エッ、次の人生ですか。」

「そうです、次の人生です。人は7回生まれ変わります。あなたは後6回あります。7回の人生は修行の場です。どれだけ自分を高める事が出来るかです。各人生で生前の記憶はありません。ですが、魂の奥底に刻まれています。まぁ分かりやすく説明するとですね。あなたはお米が美味しいと言う事を知っていますよね。次の世界にお米が出てきた時にあっこれは美味しい物だと迷わず食べる事が出来ます。他にも畑を耕す鍬・・・・・・・・」


自慢げに語っているが、俺はどうでもいい事なのではないかと思ってしまった。


「じゃ次も頑張りなさい。あっ、この札持っていってね。」


俺は、赤い札を受け取り席を立ち矢印の報告に歩いていく。



長い廊下を進んでいく。



赤札はこちらの案内がある。俺は案内に従い進んでいく。


進んでいくと大きな看板が見えてくる。そこには2回目の文字が書かれていた。

そこで俺は初めて気づいた。手も足も口も目も無くなっていることに光の玉になっていたのだ。


宙に浮かぶ赤い札が俺の中に入っていく。俺は微風に流されるままに進んでいく。

不思議だ。何の不安も感じない。


そして光の玉が集まっている場所にたどり着いた。だがそこで見た光景が衝撃的過ぎる。

光の玉をポイポイと穴に投げ入れている。何て雑なんだ。

俺は大きな手に捕まれた。



そしてポイとされた。












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