第三話 いにしえの願いを叶えし者
どうも、たかまきです^^
いやはや三話目ということですが、なんだか早いものですね~ww
今は約束のある放課後。
あのあと磨綺はいつもどおりだったが、桃真とは一言もしゃべらなかった。
――『行くな』
あのときの、桃真の表情と声。
どうしても頭から離れてはくれなかった。
琶月は怖がっていたのだ。
「私って、やっぱり怒られちゃうんでしょうか・・・」
琶月はとてつもなく鈍感なのだ。
桃真が行くなといった意味も、磨綺があせった意味も。
琶月は「一対一で説教される」と勘違いしているのだった。
「あそこまで真剣に止められたり動揺されたりするほど、恐いのでしょうか?」
陸原先輩は優しい人だ。
あの少しの時間でわかるほどに。
それに、説教と決まったわけではないので生徒会室へ急ぐ。
☆★☆
・・・一方、桃真と俊祐は。
「あぁ~姉さん、本当に行っちゃったよ」
「・・・だな」
黙っているわけもなく、琶月を尾行していたのであった。
☆★☆
「ここ、ですね」
琶月は、『生徒会室』と書いてある板がぶら下がっている戸の前に立っていた。
「・・・・・」
なんだか入りづらい。
戸の前でおろおろしていると、急にその戸が開いた。
「っ・・・!?」
出てきたのは、陸原先輩・・・ではなく。
さっぱり面識のない男だったので、おもわず息をのむ。
「わわっ!!」
琶月が戸の前にいたに気付いたのは今。
その男は勢いあまって転倒してしまった。
――琶月を巻き込んで。
「いっててててて・・・・君、大丈夫?」
「は、はい・・・?」
当然琶月もともに転倒してしまったのだが、衝撃は想ったよりも少なく、かわりに暖かいぬくもりが体を包んでいた。
転ぶ瞬間目をとじてしまったせいで、なにが起こったのかわからない。
琶月はおそるおそる目をあけた。
「っ!?」
琶月の上に倒れてきた男は、なぜか琶月の下にいた。
「俺の不注意でこんなことになっちゃって、ホントごめん!」
そんなこと言ってる場合じゃない!!!
琶月は、大変な体勢になっていたのだ。
もう頭がオーバーヒートしそうなくらい。
「ぁう・・・!!」
琶月は、その男に馬乗り状態になっていた。
そして上半身は倒れ、ありとあらゆるものがぎゅぎゅーっと密着している。
このままでは心臓の音が聞こえてしまう!!
「あああああの!ごめんなさいぃぃいいい!!!!」
もうだめだ・・・!
気絶寸前まできたような気がして、あわてて体を離そうとした琶月だったが・・・。
「ちょっと待って」
いきなり腕を掴まれて・・・引き寄せられた。
「・・・・っ!!!」
男は愛しい者を見るように、潤んだ瞳で琶月を見る。
吐息が琶月の顔をくすぐるような至近距離で・・・・。
「ん・・・っ」
なんだか、頭がとけてしまいそうだ。
よく見ればとても整った顔立ちをしていて、バランスもいい。
これがいわゆる、「カッコイイ」というやつか。
琶月は無意識に彼を見つめてしまった。
・・・・・ゴガッ!!!!!!
「!!??」
遠くで壁を力強く蹴る音がして、意識がもどる。
「えっと、あの、すみませんっ!!!!」
今度こそ琶月は立ち上がった。
だが、それもままならず・・・。
まわりが見えていなかった琶月は、誰かにぶつかってしまい、腰が抜けてまた座り込みそうになってしまった。
それをその人が支える。
「君、大丈夫?そんな馬鹿にドキドキしてちゃだめだよ」
またも知らない男出現。
見てみれば、こちらもまたかっこいい。
今日はホントによくわからない。
「あ、ありがとうございます」
一応お礼はしておく。
「・・・じゃあさ、お返しと言っちゃなんだけど」
「へっ・・・!?」
そんなことを言うと、その男は琶月の唇を自分の唇と近づけていく。
「・・・んっ」
恐くなって琶月は目をつむった。
・・・・だが、琶月の唇にはなにもふれない。
目をあけると、その男はくすくすと笑っていた。
「あれ?もしかして・・・してほしかった?」
「!!!???」
もう・・・・だめ。
頭が沸騰してしまう・・・・!!!
「はぁ・・・お前ら、もうやめておけ」
陸原先輩の声が聞こえたかと思うと、琶月は気絶してしまった。
☆★☆
その頃、桃真と俊祐は・・・・
「なんなのあいつ姉さんにむかってなにやってんだむかつく死ねむかつくうざい死ねうざい!!!もう我慢できない!!!!!」
「・・・っ」
とび出して殴ってやろうかと考えてたり、壁に八つ当たりしてたり。
そして。
「俊祐君飛び出しちゃダメです!気付かれちゃいますよ!!!あと桃真先輩、そろそろ壁壊れてしまいますって!!」
もう1人増えていたのだった・・・・・。
「「うるせえ真鶴!!!!」」
「ごめんなさいぃい!!!!」
真鶴と呼ばれた少年は、いろいろと大変そうだった・・・。
☆★☆
「・・・・ぅ・・・?」
琶月は何故かソファーに横になっていた。
「ここは・・・?」
たぶん生徒会室だろう。
だるい体をおこすと、さっきの1人が顔を覗き込んできた。
「!!??」
「さっきホントごめん!!!ケガしてないよね!?」
「は・・・はいっ」
思い出すだけで頭が熱くなる。
まわりを見ると、もう1人がおなかを抱えて笑っていた。
「っははは!!!いやまさか、気絶しちゃうとは思ってなかったよ!僕からも謝っとくね?」
はっきり言って、とても居心地が悪い。
・・・・陸原先輩は!?
意識が飛ぶまえに聞こえた声を思い出し、助けを求めるように部屋を見回す。
すると、誰かが琶月の頭の上に、ぽんと手を置いた。
「・・・大丈夫か?」
「陸原先輩!!」
なんだか心配そうな陸原先輩の顔を見て、ほっとする。
・・・ところで、自分は一体どれくらい意識がなかったんだろう。
「あの、私どれくらい寝てました?」
おそるおそる聞いてみると、やっと笑いが収まったような男が答える。
「大丈夫。たったの三十分だから」
「三十分・・・」
そんなに寝ていたのか。
小さく息をつくと、もう1人が話し始めた。
「ねね、ところでさ、自己紹介しようよ!君は、二年の琶月ちゃんだよね?」
「は、はい」
なぜ名前を知っているのかと言いたかったが、そんな間も与えず彼は話し続ける。
「俺は三年の波沢泰人。んでもって、そっちのが・・・」
「僕は凪森遊だよ。よろしくね、琶月ちゃん」
「えっと・・・波沢先輩と、凪森先輩ですね?」
・・・・あれ??
この名前どっかで・・・・?
「あっ!!」
イケメン四天王!!
「ん?どうかした?」
「な、なんでもないです」
そうだ、磨綺ちゃんが言ってた人たちだ。
でも、その人たちは私になんの用があるんだろう・・・?
説教ではなさそうだけど。
疑問を浮かべていると、波沢先輩が話し始める。
「あのさ、なんで呼ばれたか・・・わかる?」
「いえ、さっぱりわかりません」
「さっぱりかぁ・・・」
波沢先輩は少しうなった。
わかっていたほうがよかったのだろうか?
「琶月ちゃんは僕らと会ったときに、何か感じたりした?」
「いえ、何を言っているのかさっぱりわかりません」
「はぁ・・・」
凪森先輩も溜め息をつく。
そして、陸原先輩に言った。
「本当にこの子なの?秋君間違えたんじゃない?」
陸原先輩は顔を少ししかめる。
「いや、そんなはずは・・・」
「でも、全然感覚ないみたいだよな」
「・・・・」
なんの話しをしているのかわからない。
感覚?間違えた?
何を言っているんだろう。
・・・そういうときは、聞いてみる!!!
「あの・・・何の話しですか~?」
先輩三人は、思い出したように振り向いた。
そして、意味のわからないことを言う。
「俺たちは、ある日からお前を守ることを誓った者だ」
・・・・え?
なんだかよくわからない展開になってしまいましたねえ・・・
あの!
秋と、泰人と、遊は・・・一応カッコイイ設定です!!!
自分がカッコイイと思う姿で想像してくださいね♪