第二十三話 俊祐の変化
とても遅くなってすみません;;
「俊祐君~?あーさですよー!」
「うぅん・・・」
今日も朝がきた。
琶月はいつものように俊祐を起こすのだが・・・。
「ん~・・・・」
「俊介君?」
俊祐が起きない。
いつもなら声をかければすぐに起きたはずなのに・・・。
少し心配になりながたも、目を覚まさない俊祐の体をゆすり続けた。
「俊介君・・・わ!?」
すると、いきなり俊祐に腕を捕まれたかと思うと、ベッドの上まで引っ張られてしまった。
俊祐は、びっくりしたため混乱していた琶月の手をそのままギュッっと握ってにこっと笑った。
「おはよ、姉さん♪」
「お、おはようございます・・・?」
とりあえず挨拶をする。が。
「あの、俊介君?いつまで手を・・・?」
「・・・・・」
俊祐は琶月の手を握りながら、黙ってにこにことしている。
さすがに面食らった琶月は言葉を失ってしまった。
しばらくすると、琶月の腕をつかむ俊祐の手の力がゆるまった。
琶月はほっとしながらベッドから体を起こそうとする。
だが・・・。
「姉さん」
「っ!?」
俊祐に髪の毛を軽く引っ張られた。
何事かと思って俊祐を見ると、なんともいえないような顔で、それでも瞳に強い意志を秘めながら琶月をみつめていた。
「あの・・・?」
「姉さん。俺、がんばるから」
俊祐は、それだけ言うと自分の部屋から出て行ってしまった。
「今のは、一体・・・」
気になりながらも俊祐の態度はいつもと同じだったため、そのまま朝食をすませて外に出た。
外には先輩方や桃真、真鶴君も当然いる。
そして登校中は、なぜか俊祐が琶月の右隣をキープしていた。
琶月はなにがどうなっているのか理解できないまま過ごすのだった。