第二十一話 俊祐の相談
遅くなりました^^;
「にしても、先輩方や真鶴君に出会ってからはずいぶん楽しくなりましたよね~。不思議なことも多くなりましたが・・・」
琶月は微笑しながら俊祐に話しかける。
「そう、だね」
琶月と俊祐は、食後の家族団らんというやつをしていた。
・・・いるのは二人だけだが。
テレビの音とお茶をすする音が、部屋に響いていた。
「どうしたんですか?なんだか元気がないようですが、なにかありましたか?」
「・・・・」
俊祐が琶月の言葉に反応しないのはめずらしい。
いつものノリがないことに気付き様子をうかがうと、俊祐は思いつめたような難しい顔でお茶の水面を見つめていた。
「俊祐君」
琶月は心配になり、手に持っていた湯のみをテーブルに置いて俊祐の傍による。
すると、俊祐も湯のみをテーブルに置いた。
そして少しかげがさした様な瞳で琶月を見つめた。
「・・・あのさ、姉さん」
「はい。なんでも言ってください」
「うん・・・あのさ、相談、したいことがあるんだけど・・・」
言いずらそうにそう告げると、俊祐は自分の手に視線を落とす。
琶月は黙っていることにした。
「す、好きな人がいて。いつも一緒で、とても楽しかった。」
「・・・・・」
「その人は、とても優しくてかわいくて。誰にも渡したくないと思った。守りたいと思った」
俊祐は少し頬を染めて小さく笑いながら話したが、次 話しはじめたと思うと、その表情は泣きそうになっていた。
「でも、突然いろんな人がその好きな人のまわりにきて・・・。いつしか好きな人は、突然きたひとのことを名前で呼ぶようになったんだ。そんで、楽しそうに笑って」
そして俊祐は、白くなるくらい強くこぶしを握る。
「怖い思いも、俺がいない間でたくさんしてて。でも俺にはどうしようもなくて。守れなかった。俺から離れていっちゃうんじゃないかって不安なんだ」
「・・・・」
「俺、おいてかれちゃうのかな・・・」
俊祐はそのあとから一言もしゃべらなかった。
琶月がまず一番に驚いたのは、俊祐に想い人がいたということ。
そして、琶月が見てきた中で二度目の、追い詰められている状態。
あきらかにおかしいのに、なぜすぐきづかなかったのか。
琶月は自分を責めた。
そして、白くなるほど握り、かすかに震えている手にそっと自分の手をかさねる。
「!!」
俊祐は驚いてか、俯かしていた顔を瞬時にあげ、琶月を見る。
そのせいで、とても近い位置にいた二人はこれからキスするかのような距離で見つめ合ってしまった。
「ご、ごめん!」
さらに驚いたのか、俊祐は顔を真っ赤にして顔をそらす。
「俊祐君?」
静かに呼ぶと、俊祐はぴくっと反応し、耳まで真っ赤にする。
ほかから見ると、耳元にささやいているような感じなのだろう。
でもそんなの知ったことではない。
大事な弟に、伝えなければ。
琶月は座っていたソファーから立ち、どこからともなく持ってきた木刀片手に、俊祐の前に仁王立ちした。