三話「漫画」
2022/01/10 18:02 誤字一か所修正 報告ありがとうございました。
白井 光
トラックドライバーを生業とし、その仕事に疲れたらすぐ酒を飲んだりゲームしたりするおっさん。
好きなものはゲームや動画視聴、それからネット小説漁り。
「割と久々な気がするなぁ。本屋に寄るのも」
そして、漫画だ。
「相変わらず可愛い女の子の絵ばっか。最高だ」
特に美少女のイラストが表紙になっている、そんな美少女モノが最高に好きだ。
さらにボタンを留めたブレザー制服を着てるとなお良い。
一時期は男性向けの恋愛もののシリーズを複数追っていたこともある。
そういう手合いは女の子の魅力を引き出すことに終始しているから、二次元美少女好きな身としては見事に性癖にぶっ刺さるのだ。
「あれ、こいつ新しいのが出てる。買お」
それとは別に、ただのおっさんが美味いものを食ってるだけの漫画も好き。
なんとなく休日に読むといい感じにまったりできる。
「あ、にゃんこ。……んでこっちはあのゲームの前日譚とな?」
他にも猫などの小動物を前面に押したものとか、好きなゲームのスピンオフとかも普通に買う。
割と色々買う。
好きだから仕方ない。
◆
今日の晩飯は、帰り道の途中の弁当屋で買ったカツカレー弁当だ。
とにもかくにもスパイスの怪物を食いたい気分だった。
そこにトンカツもついてくればもう最高だ。
「あつっ! ついでに辛いっ?!」
猫舌かつ基本は甘党なので、アツアツかつ辛い味に苦戦する。
きちんとレンチンして、特製の辛くなる粉スパイスもかけたから仕方ない。
でも美味しい。
熱さと辛さでちょっと涙が出るが、それはそれとして美味しいものは美味しい。
ついでにコンビニで買ったお酒も普通に進む。
「っと、忘れるところだった。今日は漫画があるんだった」
そんな酒の肴として、今日買ってきた漫画を読む。
ぶっちゃけ買った本は数冊ほどあるが、今回読むのはおっさんが飯食ってる奴だ。
飯食ってるだけとは言っているが、実際はところどころにおっさん特有の悲哀も描かれたもので、なんとなくその悲哀がこの身に染みるのだ。
「あぁ、本当に俺もおっさんなんだなぁ。なんか微妙に気持ちがわかるよ……」
その悲哀と共感できるところを見出してしまい、その事実に嘆くこともしばしば。
それでもおっさんのダウナーな世界観が嫌いになれなくて、結局また漫画の中のおっさんと一緒に酒を飲んでしまう。
かっこつけ?
自分に酔ってる?
結構じゃないかそうでもしないとやってられないんだよ。
仕事きつくて。
「さて、他にもあるんだよなぁ漫画が」
酒を飲み進めながらその漫画を読み終えれば、いつのまにか頭がぽーっとしてきた。
いい感じに酔えて、ちょっと気持ちいい。
もうにいい感じなってきたからちょっとだけ残っているカツカレーも食い切って、それから次の漫画を読むことにする。
まだ読んでない漫画は三冊ぐらい残っているから、まだまだ楽しめそうだ。
「──ぷはぁ」
漫画を楽しみにしながら飲む酒は、やはり美味い。
きっと、この漫画達を読みながら飲む酒も美味いだろう。
◆
「さっきの女の子、すっごく可愛かったよね」
「美少女ものとおっさんのグルメな奴と、あと猫とかゲームのとかの漫画を買ってた娘だよね?」
「そうそう。……ぶっちゃけ、下手な漫画の萌えキャラよりよっぽど可愛くて萌える」
「案外、美少女もの漫画から飛び出してきた美少女だったりして」
「……あの可愛さならあり得るかも」
「いやねぇだろ。ああ言ったオレが言う言葉じゃねぇけどさ」