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十七話「トラックの中」

2022/11/18 19:40 誤字一か所修正しました。 ご指摘ありがとうございました。








「うっへぇ……びしょびしょだぁ」


トラックに乗り込むと同時にタオルで体を拭く。

酷い目にあった。




外はめっちゃ雨降っている。

そんな外を尻目に、トラックの中で寝転がりつつスマホを見やる。


指定の時間になれば晴れるそうだ。

とてもそうは思えないほどのザーザー降りだが。




「ともあれ、ここからずっと休憩か」










今日はとんでもない時間指定の仕事がある。

かなり遅い時間だ。



一応ほかの配送もあったが、すぐに終わってしまった。

だから、待つ必要ができてしまった。





「えっと、どこにあったっけ……今日はたくさん持ってきたからなぁ。……あった!」


とはいえ、こうなることはわかっていたから、今日はいろんなものをトラックに持ち込んでおいた。




「さぁ、いっぱい飛んでいっぱい撃つぞー」


鞄から取り出したるは、ちょっと大きめな携帯ゲーム機。

ここ最近衝動買いした。



そのゲーム機で遊ぶのは、ちょっと前に話題になったロボットゲームだ。

傭兵としてロボットに乗ってお金を稼ぐ奴。

ゲーム機を買ったついでに衝動買いした。




そういうわけでロボットで空をいっぱい飛んで、敵の機体を銃でいっぱい撃って、いっぱいお金を稼ぐのだ。





「えいしょ!」


ポテチの袋を開ける。

助手席に寝転がってゲームしながら食べるポテチは至福の味だ。

そこにキンキンに冷えたエナジードリンクも合わされば、もう最高だ。




「撃つぜ撃つぜ撃つぜー!」


ゲーム内のミッションもやっていて楽しい。

敵機体がたくさん出てきて、この敵を撃てば撃つほど報酬が増えるタイプのミッションだ。

こういうシンプルでわかりやすいミッションは至極好みで、銃を撃つたびに能汁がドバドバ出てくるのだ。






「うわ、このミッションボスが出るやつだ……」


だが、問題が発生する。

次のミッションの敵が強すぎるのだ。


報酬の額は高いのだが、このままでは倒せない。

今のロボットの装備じゃ、割とすぐに撃ち落されてしまう。




「……仕方ない。強いパーツ集めるかぁ」


魔法の板スマホを開いて強いパーツが手に入るミッションを調べる。




「このフリーミッションをマラソンってわけね」


そうして同じミッションを何度もこなすマラソンが始まる。

このミッションをクリアすればすぐ手に入るというわけではなく、何回かやって手に入るかどうかの代物なのだ。

とりあえず手に入るまでやりまくるしかない。











「……出てこねぇ」


それから数十分後。

パーツの内、三つは割とすぐ手に入った。

だが最後の四つ目がなかなか出てこない。



しばらく同じミッションの景色ばかりだから、なんとなく飽き始めてしまっている。

ポテチもエナドリも、もうほとんど残っていない。





「……スマホで音楽でも流すか」


スマホを起動する。

そのまま音楽が流せるアプリを開いて、そのままゲーム音楽を検索する。




「……ん? え?! これあのゲームのラスボスBGMじゃねぇか?! やっと出たのか」


すると、ずっとずっと探していたあの音楽の動画が偶然見つかった。

これは燃える。





「いいねぇ、こりゃマラソンが捗るわ」


そういうわけで、マラソンはまだ続く。






最終的に四つ目のパーツが出て、そのパーツを使ってボス敵を倒した頃には、外の雨は止んですっかり晴れていた。


きちんとパーツを集め終えて、強いボス敵も倒していっぱいお金を稼いだ後だから、時間指定の配送仕事も気持ちよくできた。

実に有意義で楽しい時間だった。











「そういや、あと数か月で俺二十六歳か。嫌だなぁ、さらにおっさんになっちまう…………」








突然ですが二十話が最終回です。

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