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十六話「コミュ障」








「よーし漫画買うぞー。変に動画見たせいで読みたくなっちゃったからなー」



いつものように仕事終わりに原付を回して、けれどもいつもと違う本屋に向かう。





「でもあの漫画、三軒回って三軒とも売り切れだからなー……。買えるかなー?」



というのも、今回目当ての漫画は現在アニメ放送中のものなのだ。

その影響か、どこもかしこも売り切れ状態。


だからといって、読まないで我慢できる状態でもない。

ここ最近はゲームも収穫なしなので、休日になるとやることが何もないのだ。


故に、今日は何としてでもその漫画を買わなければならないのである。











「で、どこに置いてあるんだろ。はじめてだからわからんな……」



本屋に到着したが、肝心の漫画の売り場がわからない。

今回の漫画は青年コミックだから、とりあえず漫画コーナーにあるだろうとそこに向かったが、なぜか見つからない。





「ここも売り切れかな? ……いやでも、すぐそう決めつけるのは早計か」



もう一度売り場を見やるが、やはり見つからない。





「こうなったら、聞くしかないよな。……俺結構ひどいコミュ障だからなぁ、気が重いなぁ」











紆余曲折あったものの、その日も家に着いた。

今日の晩飯はレンチンした冷凍炒飯としれっと寄ったコンビニで買った餃子だ。


今日はいっぱい飲む。

ここ最近常備するようになった大容量パックの日本酒を、半分ぐらい飲む。




「あぁー……酒が美味い」



ここ最近は妙に良くないことが続く。

そんな時は飲むに限る。





「今月に入ってから荷物増えちまったもんなぁ。それに今回のコミュ障の件も重なるし、まじでやってらんね……」



とにかくチャーハンが美味い。

その合間に食べる餃子も美味い。

だからお酒もすごく美味い。


嫌なことがあるならこうする。

そうすれば幸せになれるというものだ。







「そういうわけで買った漫画読むかー」



いやーなんとか確保できてよかった。

どことなくそう呟きながら、漫画を開く。



なんだか碌でもないことが続くが、これだけはうまく確保できた。

十巻あるうち最初からの四巻しか見つからなかったものの、今日楽しむ分なら十分だ。






「さぁおれをまんぞくさせてくれよー」











「ふんふんふーん」

「どうしたんすかロリコン先輩。いいことでもあったんですか?」

「誰がロリコンじゃ! 俺はただのフェミニストだ」

「まぁた適当言っている……そんなにもさっきのロリが可愛かったんすね」

「俺まだ何も言ってない……」

「わかりやすすぎるんすよ。というか、あの女の子が滅茶苦茶可愛かったというべきっすか」

「言葉足らず、人慣れしてないオドオド具合、その癖のあの小さな体とかわいい声。あんなの漫画でも中々ないよな」

「同意します。……業腹っすけど」

「一言余計だ!」








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