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十五話「FPS」








例のTPSゲームとは別にFPSゲームにも手を出してみた。

ここ最近は銃でドンパチするゲームがマイブームなのだ。




「ぶーん。ぶんぶんトラックぶーん」



いつものようににゃん助を膝に乗せつつ、チャーハイ片手に新しく買ったFPSゲームをプレイしていく。

とりあえず言えるのは、ゲーム内の車の運転に中々慣れない。

おまけに一人称視点で周りが見づらいから、障害物を見逃しやすい。





「あ、民間人轢いた。めっちゃ吹っ飛んでる」



だからこういうことになる。

ゲームの中で原付に乗っている民間人を轢くと、空のかなたまでその原付と民間人が飛んでくのが面白すぎる。

その際の勢いで路上にいるおじいさんも潰してしまった時には「大事故だこれ」と爆笑してしまった。


我ながらサイコパスだなー。






「というか今お酒飲んでるから飲酒運転になるんだよな。また味方轢いたし」



とりあえずゲーム内で燃えるトラックを尻目にチューハイをぐびーっと飲む。


今日のつまみはイカリングだ。

お酒が進むぞ。






「おらー飲酒運転様のお通りじゃー! ……もし俺がストリーマーだったら炎上案件だなこれ。一人でやるゲームだからいいけど」


壊れたトラックの代わりにゲーム内民間人の車を奪い、その車で大暴走する。

敵兵士も味方ゲリラも関係なしに轢き殺して笑えるのは、やはりこういうゲームの醍醐味というものだ。









FPSゲームでは、一人称視点でゲームが進む。

だから車を運転するときは、車内のダッシュボードとかアクセサリーが細かく見える。

車の外の景色も、ダイレクトにみるのではなく窓越しに見るものだから、いつもの三人称視点なTPSゲームとは違って見えるのだ。




「そういうわけで襲撃じゃー」


そんな感じで敵基地に到着。

まずは挨拶代わりに入り口の兵士を轢き殺す。

たのしい。





「ひゃっはー。男は殺せー、女もころせー、みなごろしだぁー」


そんでもって車から降りて、ショットガンを撃ちまくる。

辺りにいる動くものを全部撃ち殺していく。

中には味方もいたような気がするけど構わず全部撃ち殺す。

たのしい。




「おらぁ! おらぁ! ついでにお前もおらぁ!」


ショットガンを撃つたびに眼前の敵が吹っ飛ぶ様が見ていてたのしい。

かなり悪逆やっている感がしてたのしい。


この手のゲームを一つは経験してきたせいか、かなりやっていることが過激になってきた気がする。

たのしい。






「って、犬?! どっから湧いてきやがった!」



すると死角から犬が出てきて、しかも何人かの兵士も一緒に突撃してきたものだからあっという間に囲まれてしまう。

一人称視点で周りが見えないものだから、中々敵にショットガンの弾を当てることができず、気が付けば弾切れになってしまう。





「ちくしょー、これでもくらえ!」



だから切り札を切る。


懐からグレネードを取り出し、ピンを抜いて転がす。

すると敵兵士や犬はそれに怯えて途端に動きが鈍るから、その間に一直線で近くの物陰に潜り込む。

視界の外で爆発音が鳴り響くのを尻目にショットガンのリロードを済ませ、すぐに物陰から身を乗り出して敵兵士を撃ち殺しまくる。



それはさながら映画のドンパチアクションをしているかのようで、すごく楽しかった。











まぁぶっちゃけ、この間のTPSゲームと比べてみると。


没入感はこのFPSゲームの方が高い。

TPSは三人称視点なのに対してFPSは一人称視点だからね。




移動用の車から外の景色を観る時なんか、まさにトラックを運転する時と同じ感覚だ。

敵が吹っ飛ぶ様なんかよく見えるから悪逆やってる感はFPSゲームの方が強い。


だがその分酔いやすい。

TPSゲームと比べて視野が狭いから敵を見逃しやすい。

それに操作している主人公も客観視できないからその動きを制御しにくいという欠点もある。





今まで散々三人称視点のアクションゲームばかりやってきたものだからか、件のTPSゲームの方が馴染み深くて遊びやすいのかもしれない。

実際にTPSゲームの方を起動してみて比べてみると、まさにそう思えるのだ。

なんというか、やりなれたTPSゲームの方がドンパチや車を運転していて落ち着くのである。






「ぶーん。ぶんぶん装甲車ぶーん。……また人轢いちゃった」



……やっぱり何も変わんない気がする。








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