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十話「むらむら」








「今日も仕事きつかったー……」



そうぼやきながら、いつものコンビニに入る。

例によって今日飲むお酒とそのツマミを買うためだ。




「給料日。給料日。……いい響きだ。今日は奮発するぞー」


今日は比較的金に余裕がある。

だからいつもよりも値段が高い純米大吟醸に手を出してみることにした。

前々からコンビニの癖に何故かこの純米大吟醸が酒コーナーに並んでいるのが見えてたから、ずっと気になっていたのだ。





「でも今日の弁当はぱっとしない……」


ウキウキ気分で弁当コーナーに行くも、まともに弁当が残っていない。

明らかに好みじゃないパスタ系とか、酒のツマミにならなさそうなそぼろご飯とかしかない。





「最悪冷凍炒飯かませばいいけど、だからって酒だけ買うってのも芸がないなぁ…………あ、まて。確かここのは『アタリ』だったな」


唐突に踵を返し、冷凍食品コーナーに向かう。

目的は、そこにある食べ物だ。

この身が思っている食品があれば、今日はいい感じに酒が飲めるのである。






「よし。よし! ……こいつは勝ったな」











お風呂。

洗濯。

いつものように、いつものことを済ませて。




「ぷはぁー……。辛い。そして胃から染みる。美味い」


さぁ酒盛りだ。

純米大吟醸が実に美味い。




「炒飯うまうま。この店で出てきそうな味が良し」


そのツマミとして食べるレンジでチンする冷凍炒飯も美味し。

色んな冷凍系の炒飯を食べてきたが、今食べているこのチャーハンが一番美味しくて好きだ。





「でもやっぱり、この餃子よな」



だけど今日のメインディッシュは、やはり先のコンビニで手に入れた冷凍餃子。


個人的に『餃子』という食べ物は、店やメーカーによって当たり外れ──というより、この身の舌に合う合わない──が激しいと思っている。

そんな多くの『餃子』の中で、あそこのコンビニで売っている餃子は比較的『アタリ』だ。

だから、そんなあのコンビニの餃子は実に美味しいものなのだ。





「んんっ──ぷはぁ。……またゲームすっぞにゃんすけー」


それらを一通り堪能してから、またゲームを起動する。

暫くベッドで留守番させていたぬいぐるみのにゃん助を自らの膝に乗せ、そのままにゃん助を抱き着くようにコントローラーを握ってゲームを始める。

もふもふ。




「撃つぜ撃つぜ撃つぜぇ!」


今日やるのは、こないだ買った銃でドンパチする奴。

車で押し寄せてくる敵から拠点を守るため、銃で敵を撃ちまくったり手榴弾とかで敵の車を吹き飛ばしたりとやりたい放題だ。

何気にグレネードランチャーで敵のヘリを撃ち落とした時なんかはすっごい脳汁ドバドバ出てきて気持ちよくなる。

もっふり。




「おらおら、俺様のお通りだぜぇ!」


でもやっぱり楽しいのは、拠点防衛を終えた後の次の任務地に向かう移動時だ。

なんとなくその辺のトラックを奪って運転しているのだが、やはりというか暴走して走ってる別の車に突撃して吹き飛ばしたり道端にいる敵を轢いたりしてしまう。

その倫理観を蹴とばすような、そんな滅茶苦茶なアクションをするたびにストレスがどんどん消化されていくのがわかる。

ゲームだからこそできるストレス解消法だ。





「はっはっは。やっぱりゲームはたのしーよな、にゃんすけー」


もっふー。











「なんかむらむらする……」


いい感じにお酒飲みまくって瓶を開けた頃。

一回ゲームを終えて動画見たりネット小説を漁ったりしているうちに、なんかむらむらしてきた。

もふもふ。




「にゃんすけぇ」


なんとなくずっと抱きかかえていたにゃん助を強く抱きしめ顔もそのもふもふにうずめるが、むらむらは収まらない。

もっふり。




「なんかエロイのないかなー?」


仕方なしにR指定なイラストとかネット小説とかを検索することにする。

もふもふ。






「あ、この制服かわいー」



どういうわけかこの身は女子高生にフェチを感じていて、だから制服を着てる女の子がいると目が離せない。

無論制服なら何でもいいわけではなく、ボタンをきっちり留めたブレザーじゃないと興奮しないのだが。


セーラー服やブレザーでもボタンを留めてない状態は趣味じゃないのだ。

おまけにスカートはふんわりしてくれると最高だ。



もっふー。






「あ、この拘束いいかも」


後ニッチなところだと、女の子が緊縛されているのも好み。

だからそういうイラストがあるとやっぱり引き寄せられる。

特にボタンを留めたブレザー服の上で拘束されている奴が一番いいのだが、流石にその組み合わせとなるとそう多くないのが残念なところ。


けど、数少ないそれや今まで見たものを組み合わせる想像力を使って『気持ちいい』ことをするのが一番至福の時で一番疲れが取れるのだ。

もふもふ。






「いいなぁ。俺も女の子のおっぱい揉みしだきたい押し倒したいイジメたい」


おっさんみたいだって?

実際おっさんなんだよ。

少なくとも体と声以外は。

もふもふ。











「おい見たか。またあの娘が来てくれたぞ。あのアイドル顔負けのめっちゃ可愛い娘」

「そうですね」

「あんな学生みたいなロリ可愛い見た目で純米大吟醸と冷凍餃子っていう渋い買い物! そういうギャップがまた最高なんだよなあの合法ロリ俺っ娘ちゃん」

「へぇそうですね」

「理想を言えばあの娘の制服姿が見たかったなぁ。それもブレザーな奴。特にボタンをきちっと留めてスカートふんわりしてくれると最高だ」

「はいそうですね」

「はぁ……。この理想を分かち合える友が中々少ないのが世知辛いところ……!」

「先輩。まじきもいっす」








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