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予感


 あたしは、溺れている。

 ここは、海か?

 …………うん、たしかによく見たら海の中にいる。

 しかしなぜか呼吸はできる。


 不思議だ。

 海の中では普段、水中に溶け込む酸素の量は少ない。つまり、生きるのに必要な量の酸素を取り込むことが出来ない。


 けれどあたしはいま、海の中にいるもののなんの問題もなく普通に呼吸はできる。


 ってことは、これが夢……なのか?


 夢……だと思う。

 むしろそれしか答えは見つからない。

 それにしてもなんか、久しぶりに夢を見るような気がする。

 とは言っても最後に見ていたのは、いつぶりだったでしょうか?

 わからない。

 とにかく超久しぶりで、この期に及んで慕うね。

 

 でもひとつ気になることを強いて言うなら……何故、よりにもよってあたしは、海の夢を見ている、ということだ。


 龍族は海じゃなく大空に生きるものである。


 あと、あんまり言いたくないが、雛だったころは水泳ができなくて海が怖かったっていうかあまり好きじゃなかった、そんな記憶もある。


 溺れちゃう、という恐怖を抱いていたから。


 まあ、成長すればするほどそんな恐怖感も徐々になくなってはいたが、昔、不安にさせたことに変わりはない。


 と、その瞬間、ふと思った。


 …………不安にさせたことに変わりはない……か。


 つまりもしかしてあたしはいま、不安なのか?


 なんでだろう?


 いや。


 そんなことより、もしそうだったらこれが夢じゃなく警告だ。


 これから繰り広げられる戦いに対する警告。


 


 なんかすごく、いやな予感がする。


 


 ――――


 これで第6章が終わりました。

 お読みいただきありがとうございました。

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