0.人物紹介
登場人物の紹介ページです。
※注意事項※
・ネタバレを含みますので、記載する読了目安に気を付けてください。
・一番最初に載せる主人公について、物語上紹介するためにネタバレを含む形となる為、「28.崩れる涙」を読了してからの閲覧を推奨します。
・物語で複数回にわたって登場した/物語上重要な役割を果たした人物を優先して記載しています。そのため、名前が出ていてもここには載せていない人物もいます。もし「この人物も載せてほしい」などありましたらコメントにお願いします。
登場人物が増え、ある程度詳細が増えた時点で追加する予定です。
読了目安「28.崩れる涙」
〇主人公
スラムに捨てられていたところを拾われた少女。両親の記憶はないが若干のトラウマを抱えている。
純真無垢で感情的になりやすい、子供らしい性格をしているが、幼少期に過酷な環境を過ごしたためか、妙に我慢強く落ち着いた面も併せ持つ。
育ての親である女性亡き後、死の寸前に氷竜のドラジルブに救われ「母様」と慕うようになる。
【舞う氷雪】の名を授かり、氷竜の命玉を継承する。
氷竜の後を継ぎ、ある目的を果たすため、他の古種に実力を認めさせる旅に出る。
〇育ての親の女性
スラムに捨てられていた少女を拾った女性。「おばあちゃん」と呼ばれるようになった。
少女に言葉や文字などの常識、知る限りの知識を教えた。
元々は仕立て屋の娘であり、仕立てに関して天賦の才を持っていた。
とある貴族の一人息子と結婚したが、子供が産めない体であることが発覚。自らに絶望しスラムへ逃げ、見つからないように身を隠して過ごしていた。
〇氷竜ドラジルブ
この世界に人間より古くから存在しているとされる古種の一体。氷の力を司る。時空の魔力も僅かだが保有している。
ウォンズ王国の北部にある猛吹雪地帯の中心に住んでいる。
人間と関りを持ち愛していたが、とある出来事をきっかけにその身に呪いを受け、以降道を閉ざし人間を遠ざけるようになった。
実直で慈悲深く、自己犠牲的な面を持つ。
〇エフナラヴァ
ドラジルブの娘であり、次期氷竜となるべくして生まれた。ドラジルブを「かーさま」と呼び、リエティールを「ねーさま」と呼ぶ。
生まれた時にドラジルブの持つ魔力が少なかったため、本来よりも未熟に生まれてしまった。それ故に好奇心を押さえることができず、我儘な性格をしている。
読了目安「47.クシルブのドライグ」
〇三人の商人
グレンデップをリーダーとしたセルム商会に所属する三人組の商人。
お金儲け第一な商人が普通な中、人情に厚い性格であり、スラムの女性から服を買い取っていた。
しかし勿論儲け話には目がない。
読了目安「71.剥ぎ取り作業」
〇ソレア
クシルブを拠点として活動する大剣使いのエルトネ。カードの穴の数は6。エトマーで商人の護衛をしていたところでリエティールと出会う。
面倒見がよくお人よし。ベテランで、クシルブではそこそこ名の知れた存在。
エトマーのドライグで働いている女性と少しいい雰囲気になっている。
〇イップ
クシルブを拠点として活動する片手剣使いのエルトネ。カードの穴の数は3。好奇心旺盛な、ソレアの後輩。
少々元気が空回り気味だが、ドライグからは信用が置かれている。解体が特技で教えるのもうまい。
細身だが見かけによらず力が強く身軽。
読了目安「90.共に」
〇ユーブロ
クシルブを拠点として活動する片手剣使いのエルトネ。カードの穴の数は2。エナ、ニールと三人パーティを組んでいる。
真面目な性格で責任感が強い。
〇エナ
クシルブを拠点として活動する弓/短剣使いのエルトネ。カードの穴の数は2。ユーブロ、ニールと三人パーティを組んでいる。
快活な性格で少し勝気なところがある。
〇ニール
エルトネになったばかりの魔術師。カードの穴の数は0。ユーブロ、エナと三人パーティを組んでいる。
人見知りであり臆病で戦いには乗り気でなかったが、幼馴染の二人に魔法薬をプレゼントされ、エルトネになった。
読了目安「95.意外な関係」
〇エクナゲル
「リプセーヴ宝飾店」の店主。どこか見透かしたようなしゃべり方をする。
元々は良家の出で、若い頃から金属加工を趣味としていたが、その趣味を両親に認めてもらえず家を飛び出した。その時にニリッツに出会い、匿ってもらった。
〇ユルック
ニリッツとエクナゲルの息子、エレクニスの兄。野暮ったい風貌で気の抜けるような性格をしているが、エクナゲル譲りの手先の器用さとニリッツの情熱的な性格を併せ持っており、やる気が出ると人が変わったように目が輝く。
〇ニリッツ
武器屋「ラエズ」の店主。豪快で気に入った相手には特に気合を入れて武器を作る。
エクナゲルの金属加工技術に惹かれ、徐々に距離が縮まり結婚した。
〇エレクニス
ニリッツとエクナゲルの息子、ユルックの弟。ラエズの接客を担当しており、エクナゲル譲りの気品のある風貌とは逆に、ニリッツと同じで武器作りに関する情熱を持っている職人気質。
読了目安「172.港町へ」
〇エゼール
ウォンズの王都へ向かうフコアックの中でリエティールと出会った女性。
ラツィルク家というとある貴族の娘だが、一見普通の市民のように見える格好をしている。
方向音痴でよく迷子になっていたが、王都の地図だけはしっかりと頭に叩き込んでいる。
天真爛漫で少々気が強い一面もあるが、自分のことより家のことを優先するあまり、本心を押し殺してしまう。
セノに淡い恋心を抱いている。
〇セノ
ウォンズ王国の城の兵士。誠実な性格をしている。
元々は町を見回る巡邏隊であったが、その働きぶりが評価され城の兵士に昇格された。エゼールと縁があり、招待状を送った。
〇デッドリグ
大商会であるプレホン商会の会長。ラツィルク家とは長い付き合いがある。
商売に関しては真摯に取り組んでおり、歴史も信頼も厚かったが、ネクシブの誘惑に負けたことで道を踏み外すことになった。
〇ネグルドニ
デッドリグとネクシブの息子。エゼールをエジーと呼び、異常な愛情を向けている。
母親であるネクシブに虐げられ、ストレスから暴食、性格も歪んでしまった。エゼールを愛しているものの、無理矢理自分を好きになってもらおうという気持ちはなかった。
〇デッガー
王都を拠点として活動している大剣使いのエルトネ。カードの穴の数は7。
巨大な体格と厳つい顔、怪力に人を寄せ付けないオーラを纏っていることから、周囲のエルトネからは恐れられている。
本来は優しい性格をしていたが、妹のバロッサを失ったことをきっかけに人付き合いを嫌うようになった。
リエティールに妹の姿を重ねており、ぶっきらぼうでありつつ過保護気味になっている。家族を壊したネクシブを強く憎んでいる。
〇ナーツェン
人目につかない路地裏で小さな酒場兼宿屋を経営している老人。「ひょっひょ」と変わった笑い方をする。デッガーをからかうのが好き。
浮浪児であったデッガーを拾った人物。
昔はエルトネであったが、王都に出て痛い目に遭い、その経験から誰でも泊まれる宿を作ると決意した。料理の腕前はそれなりに上手い。
〇バロッサ
デッガーの妹。無邪気で明るく、かわいらしいものが好き。
デッガーがエルトネの登録をしている最中に攫われ、身ぐるみをはがされた挙句暴行を受け、悲惨な死を遂げてしまった。
〇ネクシブ
デッガーとバロッサ、ネグルドニの母親。
金に目がなく、そのためなら非道なことも平気で行う。自分が第一であり、他人の弱みを握り思い通りに動かす。自分より弱いものを虐げることで快感を得ていた。
〇エクナド・エンガー
先王の崩御に伴い王座についた、ウォンズ王国の若き王。
父親の背を焦って追うあまり、自分一人で全てを抱え込んでいた。
国のためなら我が身を惜しまないという考えの持ち主であったが、リエティールと出会い話をしたことでその考えを改め、王として何をすべきか、行動を変えるようになった。
〇ナイドローグ
先王の代から側近として仕えてきた執事。
優秀な能力を持っているが命令に忠実であり、エクナドが無理をしている時に止めなかったのは先王にある命令をされていたため。(現在本編内では触れていません)
〇レパルゴ
優秀な撮影家で、歴代の王や、王城の庭園を撮影する権利を持っている。
○ピール
ウォンズ王国に仕える霊獣使い。(イクス)風の霊獣種であるウォラの契約者。
大人しく好青年そうな見た目とは裏腹に、子供っぽく間の抜けた喋り方をし、王であるエクナドに対しても友人のように接する。
しかし忠誠心は高く、ウォラの能力も高い為、国の中でもかなり信頼を置かれている人物の一人でもある。
○ウォラ
ピールのパートナーである風の霊獣種。巨大な鳥の姿をしており、人間を二、三人程度乗せても自在に飛び回ることができる。
ウォンズ王国に所属する風の霊獣種の中では最も能力が高く、緊急時の移動や連絡など、重用されている。
元々はピールの父親と契約しており、引き継ぐ形でピールと契約をしている。
読了目安「181.海の魔操種」
〇テレバー
海竜の禁足地に最も近い島、ルアフ島出身の貿易商。
〇ロッソ
港町へ向かうフコアックの中で出会った長剣使いのエルトネ。テレバーに定期的に雇用されている。
田舎の生まれで、嘗ては貿易商に憧れていたが、船の上で戦うエルトネの姿に魅了されてエルトネになった。
〇エニラン
ロッソと共に活動している槍使いのエルトネ。いつもは弟と一緒にいる。
見た目はクールだが、子供を見ると一変してデレデレになる。豹変するとロッソでも手が付けられなくなるが、戦闘になると真面目になり、知識も経験も豊富な、優秀なエルトネでもある。
読了目安「197.背に乗って」
〇海竜モルトスレーム
この世界に人間より古くから存在しているとされる古種の一体。水の力を司る。毒の魔力も保有している。
ウォンズ王国の島と大陸の間にあるキニス海の中心の、大渦の中に住んでいる。
気まぐれで自由奔放な、子供っぽい性格をしている。
寝相が悪く、嘗て偶々渦の中心に迷い込んだ船を沈めたことがある。
〇レグナ
エボルエラの姿をした海の霊獣種。
海に出たリエティールを密かに見守っており、船から落ちたリエティールを救ったり、大陸まで背に乗せて泳いだりした。
読了目安「218.魔法薬と禁忌」
〇セイネ
錬成術師であり、魔道具作りを専門とする魔道具師。有名な名誉錬成術師であり、外では顔を隠し、偽名としてシーと名乗っていた。イギードロップ家という名目上貴族の息子。姉がいる。
見た目は美男で仕事にも真面目に取り組むが、生活の面においてはずぼらであり、部屋を片付けられない。
錬成術師を庇っていたエルトネであるリエティールに興味を持ち、魔道具の作り方などを教えた。
〇イザル
セイネとは祖父の代からの家族ぐるみの付き合いがあった。
早くに父を事故で亡くし、大好きであった祖父の店を潰さないために跡を継いだ。
普段は人並みの生活をしているが、毎年祖父のなくなった日が近づくとセイネも驚く程のずぼらになる。リエティールの励ましにより生活を改めるようになった。
読了目安「239.達成報告」
〇ダムイス
本当の名前はエレフィ。センクラの町で起こっていた失踪事件の犯人。新しい魔法薬を作り人体実験を行っていた。
非常に優秀な錬成術師であったが、その過去に大きな闇を抱えており、人間に魔操種の力を兼ね備えた「新人類」を生み出そうとしていた。
完全に狂気に支配されており、最期まで正気に戻ることはなかった。
〇トルス
センクラの町の領主。自身の町で禁忌が犯されたことを隠蔽するため、リエティールに交渉を持ち掛けた。
〇アルモック
スドゥーの町へ向かうフコアックの中で出会った片手剣使いのエルトネ。護衛として雇われていた。凄腕のエルトネになり師匠の後を継ぐのが夢。
読了目安「255.首都へ走る」
〇ロエト
スドゥーの森でティラフローの子供の母親代わりをしていた霊獣種。
元々は鳥の姿をしていた風の霊獣種であったが、光の精霊種とともにティラフローの肉体も取り込んだため、二つの属性と姿を持つようになった。
森の異常の原因である魔操種を倒すためリエティールと共に戦い、旅に同行することを決意した。非常に律儀な性格だが、頑固な一面も持っている。
読了目安「296.ロエトの提案」
〇トファルド
セイネの祖父。イギードロップ家の当主であり錬成術師。前線は退いたものの開発は続けており、様々な魔道具が家にある。
豪胆な性格で責任感が強く、プライドを大切にしている。部屋を片付けるのが苦手。
〇ルーフェカ
トファルドの妻。冷静で常に落ち着いている。トファルドを程よくたしなめる。
〇セルフス
セイネの父親。霊獣種に強い興味があり、元々は研究機関で働いていた。霊獣種のことになると熱くなってしまう。
〇フルール
セイネの母親。ふわふわとしており、家事全般を好んでいる。使用人がいないのは大方フルールが仕事をすべて一人でこなしてしまう為。いつもにこにこしている。
〇ルディカ
セイネの姉。弟であるセイネのことを誰より誇りに思っているが、口に出すのを恥ずかしがっている。
当主の後を継ぐことに乗り気であるのも、実はセイネに錬成術師として集中してもらいたいから、という理由は秘密にしている。
〇エリセ
国立術式研究所の生物研究部霊獣課の研究職員。元々霊獣種が好きで、霊獣使いになりたかったのだが、霊獣種に会えず魔術師となり、研究機関で働くようになった。
〇ムブラ
フィールドワーク中の研究員が連れて帰った竜類の子供。虐待を受けて目が悪くなっており、強い魔力を持つリエティールになついた。
イバルグに違法に飼われていた。
〇レシン
貧民街で生まれイバルグに拾われた少年。イバルグによって生かされたためにそれ以外の生きる術を知らず、罰を与えられることを何より恐れていた。
肉体の限界を超えた鍛錬をこなしたことで、異常なまでの身体能力を身につけていた。
命令に従わなければならないという観念と、誰かに認められて自由に生きたいという本心の葛藤に苛まれていたが、本心を押し殺していた。
リエティールに促されて自身の全てを暴露し、罰を受ける代わりに、国に忠誠を誓い尽くすことになった。
〇イバルグ・ナロムロック
とある貴族家の当主。非常に強欲、傲慢で狡賢く、一度手に入れると決めたものは何が何でも手に入れないと気が済まない。
自分に忠実で優秀な手駒を作る為、レシン以外にも貧民街の子供を何人も攫っては厳しい訓練を課して死なせていた。唯一生き残ったレシンを重用し、いざという時だけ使用している。
〇セレトニ・イレクロス
オロンテトの国王。寛大で柔軟な対応を取る。
一見寛大すぎるようにも見えることもあるが、人の本質を見抜く力をもっている故である。
〇シルク・イレクロス
王妃。エクナドの二番目の姉であり、明るく気丈な性格。セレトニの判断を補助している。
読了目安「315.追い風に乗って」
〇天竜タミルク
この世界に人間より古くから存在しているとされる古種の一体。風の力を司る。雷の魔力も保有している。
大陸中央部の山脈地帯にある、反り立った崖のような山の上に住んでいる。
明朗快活な性格で、海竜と同時期に生まれ交流があった。嘗ては度々嵐を起こしてしまうことがあった。
面倒見はよく、翼を得たリエティールに飛び方を指南した。
読了目安「336.南へ続く街道にて」
〇ササ
行方不明になっていた少女。心優しく、弱っている存在を放っておくことができない。
嘗て弱っていた無垢種を拾い飼っていたが、病気で衰弱死する様子を見ていることしかできなかった過去を引きずっており、偶然出会ったラエビィラクスとその姿を重ね、看病をしていた。
結局ラエビィラクスを救うことはできず、不慮の事故により命玉の継承をしてしまう。ラエビィラクスからの信頼を得ていた彼女は中途半端な形で継承に成功してしまい、人間の理性を侵食される形で魔操種に成り果ててしまった。
〇アナビタ
万霊教の霊社で、精霊種の使者の役割であるセセイルを務めている女性。
亡くなった人々の魂を祭るため、儀式を執り行う。
〇オクネ
遥か昔からウチカに住んでいる光の霊獣種。
無意識的に魂の浄化を行ったことをきっかけに、以来住み着いては魂の浄化をして回っている。人の喜びが自らの糧になっているという。
そうした行動により、ウチカの人々から信仰される対象となった。元々は本能的に行動する子供らしい性格であったが、そのような扱いを受けたことで相応しいふるまいをするようになったらしい。
読了目安「465.朱色の繋がり」
○エイマ
大武闘会に向かうフコアックでリエティールと乗り合わせた双剣使いの少年。フードなどをよく身につけており、黒髪黒目で小柄。基本的に冷静で大人びた言動が多いが、時々抜けているところもある。
リエティールと同じくウォンズ王国の生まれで、生まれつき表情が殆ど動かせない。言葉遣いがややぎこちないのは、敬語をうまく崩せないため。
肌が日光に弱く、元々エルトネになるつもりはなかったが、昔馴染みに誘われ、家族の生活を助けたいという思いもありエルトネになった。その昔馴染みは怪我により戦えなくなり、彼に思いを託している。
大会では決勝戦まで残るという優秀な成績を収めた。
○エザルブ・ギルマール
トレセド帝国の現皇帝。鮮やかな緑色の目に、やや長い赤みがかった黒い髪をしている。
大雑把で開放的な性格だが、実力もあり国民からの支持は厚い。
戦いはするのも見るのも好き。
○セルフィス・ギルマール
エザルブの妻であり皇妃。朱色の目に濃い青の髪をしている。エクナドの三人の姉の内三女であり、明るくやや早とちりをしがちな性格。エクナドのことを溺愛気味。
エザルブの二人目の皇妃であり、前皇妃と同じ朱色の目であったのは偶然。
○タレード
大武闘会の司会。実況も担当。普段は丁寧な言葉遣いだが、興奮すると口調も乱れる。
○トラッツ
大武闘会初日第一試合の勝者の剣士。
リエティールの準々決勝の相手。堅実だが臨機応変な戦い方でリエティール相手に善戦した。
○クネロス
爆砕姫親衛隊長という通り名を持つエルトネ。巨躯の大剣使いであり、その暴力的な強さから多くのエルトネに恐れられていた。
元々はエルトネに興味はなかったが、爆砕姫という存在に憧れ、近づきたいという思いからエルトネになった。その思いが空回りし、いつしか傍若無人な性格になってしまっていた。
リエティールとの戦いを通じて本来の自分の想いを思い出し、心機一転して戦うことを決意した。
○アリマリア・アセトゥー
トレセド帝国ができるきっかけとなった戦いで争った二つの王家のうち、敗北したアセトゥー家の子孫である令嬢。深緑の目に金髪で、プライドが高く高飛車。そのプライドに見合う実力者でもある。
アルモックを打ち負かし、危なげなくトーナメントを勝ち上がり、準決勝でリエティールに、決勝戦で
エイマにも勝利して優勝した。
ヴィーナとは姉妹のようにして育ったが、才能があるヴィーナに対して劣等感を抱き、初めての試合で負けてから非常に強い敵意を抱いていた。
○エニア
大武闘会に参加した女性の魔術師。
戦いでは体術を主に用い、追い詰めたところで魔法を使い不意を打つという戦い方を得意としていた。
リエティールのトーナメント初戦の相手であり、火を克服するきっかけにもなった。
○ヴィーナ・ギルマール
エザルブとセルフィスの娘。黒い髪に朱色の目をしており、爆砕姫という名で国民から広く慕われている。セルフィスとは血の繋がりが無いが、姉妹のように仲が良い。
父親に似て好戦的かつ自由奔放な性格で、皇女という身でありながら、エルトネとしても各地を回って戦いに明け暮れている。リエティールとは街道で落石があった現場に居合わせて出会った。
エルトネとして普段は巨大な鎚を使い、本気の勝負では双剣を使う。
あらゆる武器に対する類稀なる才能を持って生まれ、無意識のうちにアリマリアの嫉妬心を煽ってしまい、仲違いしてしまった。
読了目安「472.守るべきもの」
○ツァヴ
不毛な砂漠で暮らす人間の一族と共に行動している、人間の姿をした霊獣種。
仲間である一族を「カゾク」と呼び、現在の身体の元の持ち主の名を使っている。
一族の中で唯一高い戦闘能力を持っている為、狩りをしたり魔操種から仲間を守る役を担う。
読了目安「494.火竜の禁足地へ」
○レバル
各地を旅してまわっている、旅好きの若者。
凝り性で、自分の経験を事細かに記しており、それを土産話として故郷に持ち帰っては子供たちに聞かせている。その表現はやや詩的で独特である。
そんな性格が祟り、時折無茶をしてしまうこともあるが、彼は前向きに失敗談も思い出として持ち帰っている。
○レネ
鍛冶屋を営む女性。
鉱夫である父が採掘した鉱物を使って武器を作ることを夢に見て鍛冶職人となったが、何度やっても平凡にしかならない自分の腕前に自信が無く、応援してくれていた父ともそれが原因で仲違いをしてしまった。
リエティールの武器修理を通して再びやる気を取り戻し、父に謝ることを決意した。
○クスト・ノイロエル
フクロスク大公国の現大公。
威厳ある獅子の様な面持ちであり、その内面は厳格かつ柔和な一面も持つ。
妻であるリアンナのことをもう一人の国主としても認めている、柔軟な考えの持ち主でもある。
○リアンナ・ノイロエル
クストの妻であり大公妃。
エクナドの一番目の姉であり、エクナドが生まれなかった時のことを考えて王となるための教育を受けていたため、立ち振る舞いは男勝りで堂々としている。
○ラオ・ノイロエル
クストとリアンナの息子、ラエの双子の兄。
次期君主の証としてみる夢を六歳という過去にない速さで見たが、その内容のせいで自信を無くしており、ラエの見た夢のことを勘違いして傷ついてしまう。
焦燥感から夜中に一人抜け出し、禁足地に入り倒れていたところを、間一髪リエティールに救われて連れ戻される。その後、ラエに対する誤解を解き、力を合わせて立派な後継ぎになることを誓う。
○ラエ・ノイロエル
クストとリアンナの娘、ラオの双子の妹。
引っ込み思案で人見知りな性格をしており、兄であるラオのことを強く慕っている。
誤解を解いた後、臆病ながらも勇気を出し、ラオの為にできる限りの助力をすると決意した。
読了目安「510.行く先は」
○サルコリープ
火竜ナクロヴの子であり後継ぎ。
やんちゃな子供らしい性格で、少しひねくれ屋。父親であるナクロヴ以外にはやや尊大な態度をとる。ナクロヴを「とと様」と呼び、誰よりも慕っている。
ともに時間を過ごしたロエトのことを気に入っており、「ともだち一号」として認める。
○火竜ナクロヴ
この世界に人間より古くから存在しているとされる古種の一体。火の力を司る。地の魔力も保有している。
溶岩地帯にある火山の中に住んでいる。
ドラジルブとほぼ同じ時代に生まれ、対の存在であるドラジルブに特別な感情を抱いていた。そうした感情もあり、人間でありながら氷竜の後継ぎとなったリエティールにはやや後ろ向きな印象を抱いていた。
最終的には「愛」という感情を認め、リエティールの覚悟を受け入れた。