1-0 無題のプロローグ
――とにかく、待って欲しい。
大体ねぇ、このインチキ展開になってから一瞬でも納得できたコトがあったか、って話だよ。ついていけるわけねーだろばーか!
いいじゃんか、これから殺されるんだよ。それでも何とかかんとか受け入れてやろうって頑張ってるんだ。
だから、ちょっとぐらい考えを整理する時間をくれ。
なんつーか、根本的に説明不足っていうか……
……んー、いや、よくよく考えればクドイくらい説明してくれてたかも?
……そうかもなぁ、必要な時間は実はキチンとあったんだろう。
きっと、自分の身に起こっていることをちゃんと把握して、どうすべきかをちゃんと考えていればこんなことにはならなった。
ああ、ああ、わかったよ。
アタシはバカもアホも下回った何かでございますよ。
ホント、脳味噌があるのかないのかすら定かじゃねー。
認める、認めるってば。
……認めるから、そこの“戦士”さん、「トドメを刺してやる」的雰囲気をアタシに向けんなヤメテー。
ちょっと待ってって言ったっしょ?あれ言ってなかったっけ?
いやでもわかるでしょ。
殺されること……「死」を受け入れるんだよアタシ?
それをこんな短い時間で!
正にプロフェッショナル。仕事の流儀ってやつですよ。
なんか、そう考えたらムカついてきた。
――クソッタレが。
『このまま死んでたまるかー!!!』、だっけ?んで、なんか復活すんのよね。イッケメンなバトル漫画的能力ひっさげてさ。
まぁー……「本来ならば」こんな殺される以外の選択肢が無いタイミングで、死んでたまるかーって頑張れるほど、アタシは諦めが悪いワケじゃない。
だけどねぇ、人の持つ「生きる」という当然の権利をそんな簡単に奪われるのは我慢ならん。さながらブラック企業レベル99ってか?もう休みどころか命すらないよー、みたいな?アタシは社畜じゃねぇ!そもそも働いてもねぇ!
……スゲェ腹立ってきた。働いたら負けだコンチクショウ!ス〇シ〇オじゃ騙されん!
あぁ、そうだ、そうだ。ブラァーックな企業とか死んだはずの親友とか異星人とか理不尽とか不条理とか人生とか社会とか常識とかなんつーかそーいうなんとなくムカつく色んなコト。
――なんだったら、どうせなら……世界丸ごとと闘え、アタシ!
特に勝ち目ナシ!
特に信念ナシ!
特に恨みは案外ナシ!
ヤケクソでヤツアタリだ!決まり!はいバトル展開入りまーすキシャー。てことで、宣戦布告だ。
「待てって言ってんだろ」