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八 絶望の慟哭

「“魔導兵器(ゴーレム)”だ! 魔族め、古代文明の遺産を出して来た! 今までとは違う敵だ、気を引き締めろ!」



 人魔大戦によって廃れ、失われた古代文明――――その遺産たるゴーレム達が動き始めた。


 跪いていた石の騎士が、大橋を揺るがしながらその身を起こす。


「で、デカい……」


 その姿に気圧された宗介は、思わず呟いた。


 頭部だけで人の身長程はあろうか。全高は十五から二十メートルは堅い。傍に突き立てられた直剣もそれに見合った巨大さだ。もはや大剣などという話ではない。


 ヘルムのスリットからは、まるで悪魔のような怪しく紅い眼光が覗いている。刺々しい装飾の施されたボディの材質は、おそらく石だろう。圧倒的な重厚感であった。


 例えるなら悪魔の騎士。魔王城の城門でも守護していそうだ。


 その騎士の前に並んだゴーレム達も、やはり同時に起動する。


 地属性の黄色い魔石を中心に、二つのユニットが合体したような形だ。下部ユニットからは鉤爪のように細く尖った脚が四方に生えている。上部ユニットには細い腕が四本生えており、その上には角付きの額当てをした丸い頭が乗っていた。


 武装は大きなハサミが二丁。まるで庭師か何かのようだ。今はご丁寧にもそれらを分離させ、四刀流の戦士となっているが。


 非常にスマートかつシンプルで、恐らく極限まで軽量化が成されたであろうその庭師ゴーレム達――総勢五十機――は、本当にゴーレムなのかと言いたくなるような機敏さで悠斗達へと襲いかかる!


「前衛組、小型の奴らを絶対に通すなよ! 力勝負も厳禁だ! ゴーレムと力比べなんざ馬鹿のすることだからな! 核は優しく扱えよ、壊したら爆発するかもしれんからな! 後衛組は魔法で前衛組を援護しろ! 奴らは魔法の耐性が低い、狙い撃ちにするか集まった所を吹き飛ばしてやれ! 後ろの鈍いデカブツが本格的に動き始める前に片付けるぞ!!」


 バラスト団長は矢継ぎ早に指示を飛ばす。大きなゴーレムはただの的だが、それを守る者達が居る。ならばこの場合は、それらを掃除した後に大火力で塵芥に変えてやるのがベストだろう。


 巨大なゴーレムに圧倒されていた勇者達もハッと正気を取り戻し、小型ゴーレムの迎撃を始める。


「流るる青は岩をも穿たん、《蒼龍穿・霧雨》! 皆も続いてっ!」

「燃ゆる紅蓮よ、焼き貫け、《プロミネンスピラー》!」

「千変万化の不可避をここに、《ゲイルカッター》!」


 槍水の魔法を皮切りに、無数の魔法が前衛である悠斗達の頭上を飛んでいく。水の散弾、炎の槍、風の刃……どれもこの世界の魔法使いが見れば目を剥く程の威力を誇っていた。


 それらは一撃で小型のゴーレムを打ち砕く。軽量化する為に装甲が取っ払ってあるのもあいまって、瞬く間に十機程がガラクタと化した。


 しかし、装甲を捨てて軽くなったということはそれだけ動きが機敏になったということ。


(人くらいのサイズはあるのに、あの動きかよ)


 ガラクタと化した仲間達の間から、魔法を回避することに成功した別のゴーレム達が飛び出してくる。その事実に、宗介は静かに息を飲んだ。


 規格外というか、馬鹿げた発想というか。つまり『当たらなければどうということはない』をゴーレムが実践しているのだ。確かにそれなら、重量問題も解決できる。それが有効かどうかは別として。


「いくら早くても、紙装甲に違いはねェだろ! バラバラになりやがれ雑魚共ォ!」


 迫るゴーレムに向かって周防が戦斧を振るう。人類最高の筋力からなる横薙ぎの一撃は、同時に五機を爆砕させた。ゴーレムの力は強いとか、そう言うことを度外視した一撃である。


「全く、将大は馬鹿げてるな!」


 友人の脳筋ぶりに苦笑いしながら、悠斗も負けじとゴーレム達を屠っていく。一撃一撃が岩を砕くような四刀の連撃を受け流し、的確なカウンターで両断。そのまま反転するように後方へと抜けていた機体に突貫し破壊する。


「なんだこいつら、以外と弱い?」

「メインはあのデカブツなんだろぉ。《クロース・ヴォーテクス》! 《ストーム・ブレット》!」

「ひゃははは! 雑魚雑魚雑魚ォ! 《ウォーターカッター》!!」


 北池達もなんだかんだで余裕そうだ。三人がかりで確実に潰して回っており、他の男子達も似たような戦法で活躍している。戦えていない男子は宗介だけだった。


(……いやいや、あれは皆が強いから相対的に弱く見えるだけであって。俺が行っても微塵切りにされるだけだ)


 自分も行ったほうが良いのではという考えを、宗介は頭を振って否定する。ここは仮にもフォールン大空洞という世界屈指の危険地帯。宗介は、いまここで立っていることすら奇跡なのだ。


 あそこに飛び出して行っても、後の事を考慮せずに全ての武装を投入してなんとか一機壊せるか否か、といったところだろう。


 と、不意にバラスト団長が新たな号令を飛ばす。


「前衛組! 一旦退避しろ! 広域殲滅魔法の準備が整った!!」


 どうやら、悠斗達やお付きの騎士達によって守られていた後衛の魔法使い組が大規模な魔法を使うようだ。それを聞いた男子達は途端に顔を青くして避難してくる。


 彼らは一度、その殲滅魔法の威力を身を以って体感している。それは二十層目の中ボス戦の時だ。


「ちょっ、待ってくれっ! 聖なる光よ、絶対の壁となりて我らを守護せよ、《ディバインシールド》!!」


 それを思い出した悠斗が、クラスメイト全員を護るように光の結界を張った。前衛の男子達は顔面蒼白である。


 ――――刹那。


「「「ここに焦土をもたらせ、《コロナバースト》!!」」」


 火属性の魔法使い数人による殲滅魔法が、炸裂した。


 まるで小規模の核爆発でもおこったかのような輝きに思わず目を覆っていた宗介は、酷い耳鳴りに顔を顰めながらもゆっくりと目を開く。


(……女子陣を怒らせたらヤバイ)


 恐らく男子全員がそう思ったことだろう。


 砂煙が晴れたそこに、無事な小型ゴーレムの姿は無かった。


 半ば融解し原型を留めない程に破壊され尽くした残骸が五十、無残に転がっているだ。大橋までもが一部赤熱し、溶けている。


 ムカデの大群を消し去る為に生み出された魔法の威力は、壮絶の一言だった。


「全く、末恐ろしい限りだな……。ともかく、後はデカブツだけだ! 五十層目、突破するぞ!!」


 バラスト団長が見据える先には、巨剣を盾にすることで爆炎を防いでいた石の騎士の姿がある。


 本来のボスは、あの二十メートル級ゴーレムなのだ。


 先程まではあくまでも前哨戦に過ぎない。


「――――ォォォオオオオォオ゛オ゛!!」


 石の騎士が咆哮する。腹の底に響くような重低音だ。今まで傍観を決め込んでいたボスが遂に動き始めたのだ。


 そのゴーレムは、「征くぞ、好敵手よ!」とでも言わんばかりに巨剣を構えて大橋を駆け出した。ズシン、ズシンと、巨体が踏み出すのに合わせて大橋全体が振動する。


 バラスト団長は、目を細めてそれを見つめる。


(……やっぱり、遅いな)


 宗介が心の中で呟いた通り、巨体の動きは致命的なまでに遅かった。


 それもその筈。奴は全身が石で作られた二十メートル級の石像なのだ。その重量はと言えば、数十トンはあるだろう。これで機敏さが失われない筈がない。


 これが、ゴーレムの欠点。廃れた原因。


「良い的だ。第二射、放てッ!!」


 ニヤリと、勝ちを確信したバラスト団長が頬を釣り上げて指示を飛ばす。


 火属性魔法使いの女子達が無言で視線を交わし――――魔法を放つ!


「「「《コロナバースト》っ!!」」」


 大規模殲滅魔法の灯が爆発し、宗介達の知覚情報が閃光と轟音で埋め尽くされた。


 この爆炎に巻き込まれ、それでも無事な者など、もはやこの世に存在するのかも怪しい。勇者最強である悠斗すらあれをマトモに食らっては無事では居られまい。


(……その筈なのに、この嫌な予感はなんなんだ)


 しかし、彼の第六感はずっと警告を鳴らしていた。


 理由は単純。大迷宮の折り返し地点というキリの良い階層のボスが、こんなに呆気なく倒される訳がない。


 四十一層目からあからさまに雰囲気が変わったというのにボスは強くない、なんてことがあり得るとは、少なくとも宗介には信じられなかったのだ。


「へ、へへ……。なんだよ、拍子抜けじゃねえかぁ」

「もしかしたら、このまま百階まで余裕なんじゃね?」

「ひゃはは! それあるわ!」


 北池達の会話が静寂の中に響く。すると当然、他のクラスメイト達も気を抜き始める。だが宗介の第六感は更に激しく警告を鳴らした。


(馬鹿、馬鹿馬鹿馬鹿っ! 露骨にフラグを立てんなよぉ!!)


 いや、まだ分からない。実は本当に倒してしまっているかもしれない。


 宗介はそう信じ、次第に晴れていく砂煙の向こう側を見つめる。


 一筋の紅い光が、揺れた。


「ッ!? 皆、まだ終わってない――――」


 瞬間、悠斗の叫びを掻き消すように、体の芯を揺るがす重低音が響き渡る。


「――――ォォオオオォオオ゛オ゛オ゛ォッッッ!!!」


 暴風とも言える音圧が巻き上がっていた砂煙を吹き飛ばした。そこに佇む石の騎士は、全くの無傷。途端に勇者達の顔が恐怖に染まる。


「ば、馬鹿なっ! “魔力障壁”持ちのゴーレムなんざ、聞いたことも無いぞ!?」


 魔力障壁。悠斗が《コロナバースト》の炎を防ぐ為に張ったものと同質のものだ。光属性であれば《ディバインシールド》、他の属性であれば《フレイムウォール》とか《ウォーターカーテン》だとか、そういう類の魔法である。


 だが本来、ゴーレムが魔法を使える筈が無いのだ。身体に宿った魔力に属性を与えて事象を引き起こす“魔術回路”も、それを肩代わりしてくれる精霊との“精霊契約”も、石の身体に存在してたまるものか。


(古代の技術……? まさか、いくらなんでも古い文献にすら載ってないなんてあり得ないだろ……)


 宗介は、ゴーレムについては徹底的に調べ上げたつもりだ。それこそ、知力のステータスが上昇するくらいに。その彼でも知らない技術、明らかに異常だった。


「チッ! 幾らなんでも、あれを防ぐ魔力障壁なんざそうポンポンとは張れないだろう! 天谷、ブチかましてやれッ!!」


 バラスト団長が悠斗に指示を飛ばす。


 するとハッと我に帰った悠斗が一歩前に踏み出し、聖剣を掲げる。そして恐怖を打ち払わんとするように、詠唱を始めた。


「我は勇者、象徴となりて民を導き、救いを与える者なり。我は剣、その身を以って邪悪を滅ぼし、救いを与える者なり。我は光、闇を祓いて世界を護り、新たなる時代を創る者なり」


 聖剣に光が集まってゆく。悠斗が使える、最強の一撃だ。単純な威力だけ見れば《コロナバースト》にも引けを取らないだろう。


 それを見た石の騎士は小さく唸り、それを合図に体内から鈍い音が鳴り始める。


 ドルルン、ドルルルン、と。


 同時に脚や腕、胸部の装甲がガシュンと展開し、そこから白煙を吹き上げる。


 何かあるのかと悠斗は目を細めた。だが、もう詠唱は止められない。聖剣に集う光はもはや臨界点に達している。あとは開放の言葉を紡ぐだけだ。


 クラスメイト達の視線を、期待を、希望を一身に背負いながら、悠斗は大上段に構えた聖剣を振るう。


「今、我の全てをこの一撃に捧げん! 撃ち祓え、《ホーリースマイト》!!」


 カッと光が迸り、極太のレーザービームが放たれた。空気を灼き、大橋の表面を薄く蒸発させながら極光の嵐が石の騎士へ肉薄する!


(やった)


 宗介含め、全ての者がそう思ったことだろう。


 その瞬間。


 石の騎士が消えた。


「な――――!?」


 いや、消えたというのは少々語弊がある。


 跳んだ(・・・)のだ。一瞬だけ身を屈め、天高く。極光の嵐はいとも容易く躱されてしまった。


(そんな馬鹿な! あの巨体でそんな動き、あり得ないっ!!)


 宙を舞う石の騎士を見上げた宗介は目を疑った。


 高く跳躍し、真っ直ぐ迫る魔法を回避する……それだけ見れば、酷く単純だ。だが相手は二十メートル級の石像である。その超質量の塊にあのような挙動をさせるなど、一体どれだけのエネルギーが必要なのか。


 少なくともゴーレムとしては、規格外に過ぎる。


「――――オ゛オ゛ォォオオオオ!!」


 石の騎士が唸った。


 跳べば、落ちる。当然の摂理だ。


 では、数十トンの塊が落ちてきたら?


「お前達ッ!! 早く避難しろぉッッ!!」


 バラスト団長の怒声が響いた途端、クラスメイト達は必死にその場を飛び退く。上空からはまるで隕石のように迫る騎士像の姿が。


「くそ、《限界突破》! 《乾坤一擲》!! 皆は僕が守るんだっ!!」


 悠斗はその隕石を迎撃するつもりらしい。バチバチとスパークを放つ聖剣を構え、落ちてくる石の騎士を睨みつける。


 そして。


「はぁああああっ!!」


 ――――ズンッ!!


 落下の勢いが乗った巨剣と光を放つ聖剣が、衝突した。


 悠斗と騎士を起点に狂ったような衝撃波が迸り、大橋に放射状の亀裂が入る。


(駄目だ、受け切れる訳が無いっ)


 しかし生憎と、そもそもの地力が違う。身体が自壊するギリギリまで力を高められるゴーレムと、そうはいかない悠斗の筋力差は大きい。それ加えて、石の騎士側は落下の勢いと全体重が乗った一撃だ。


 拮抗したのはほんの一瞬であった。


「ぐ、ああぁっ!!」


 重い重い一撃に耐え切れなかった悠斗が、ほぼ水平に吹き飛ばされる。出来る限りダメージを減らすよう自ら跳んだのだろう。


「悠斗っ、ぐはっ!」


 吹き飛ばされた悠斗を、周防がその身を以って受け止める。二人はそのままゴロゴロと床を転がり、意識を飛ばした。


「――――ゥォォオオオ゛オ゛ォ!!」


 ゆらりと立ち上がった騎士像が、「この程度か!」と言わんばかりに咆哮する。そして、やはり規格外な跳躍を見せて大橋の奥へと距離を取る。


「悠斗が、負けた……?」

「あ、天谷君……」

「な、なんなんだよ、あいつは」


 クラスメイト達に恐怖が伝播する。


「う、狼狽えるんじゃない! すぐに天谷達を治療しろ! 次は全員で仕掛ける! 諦めるなァッ!!」


 バラスト団長は恐怖を押し隠し、勇者達に指示を飛ばす。すると、まだ諦めていない者達が悠斗達に駆け寄り、葵印のポーションを飲ませる。


 そう、まだ終わってはいないのだ。世界最強の“薬師”、楠木葵のポーションが、溢れる程に残っている。


 だが、相手もそれを待ってくれるほど心優しくはない。


「――――ォォオオオオ」


 騎士像は静かに唸り、部下達に命令を下すように巨剣を振るう。


 それを見た瞬間、宗介はもはや驚きを通り越して呆れ果てた。


(……ここのゴーレムは、規格外過ぎる)


 無残に破壊され半ば融解していた小型ゴーレム達が、あろうことか再構築され始めたのだ。


 放たれた三度の大魔法によって魔石ごと消し去られた機体は復活しなかったものの、瞬く間に三十機あまりの小型ゴーレムが再び立ち上がった。


(自己修復機能……。成る程、装甲を捨てる訳だ……)


 宗介は、規格外続きのゴーレム達にほとほとうんざりしたようにため息を吐く。


 その脚は、ガクガクと震えていた。


「――――ッ! 何をぼけっとしている! お前達も早く迎撃するんだ! 絶対に、生きて帰るぞッ!!!」


 バラスト団長は恐怖に染まった勇者達に檄を飛ばす。


 ここで終わる訳にはいかない。その一心で、勇者達は立ち上がる。


「まだ、まだ終わらないわ! 《蒼龍穿・飛槍》!」

「クソッタレがぁ! 《クロース・ヴォーテクス》!!」


 必死に魔法を放ち、必死に剣を振るう勇者達。しかし斬れど燃やせど即座に再構築される。


 恐怖が、やがて、絶望へと変わっていく。


 そんな中、宗介は必死に思案する。


(士気は最悪、状況も最悪。後ろの扉はボスを倒すか悠斗くらいの火力が無いと開かない。相手は疲れも死も知らないチートゴーレム軍団、あの騎士のゴーレムも同じだと考えるのが妥当……。どうする? どうすれば勝てる? どうすれば切り抜けられる? くそっ、くそっ!!)


 自分は何ができるのか。宗介はそれを必死に考える。



 ――――絶望の第二ラウンドが、幕を開けた。

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