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業火剣乱の狂奏曲《コンチェルト》  作者: ムササ
第一章 機械の奏でる狂奏曲
2/113

#1 幼馴染み登場!(ただしデレとは言ってない)

 ミーディア学園ー


 横浜のみなとみらいの奥にある埋立地に建っている巨大な学園である。

 洋風の建物の中の廊下を歩いて俺は歩いていたのだが…


「ふあぁ」


(眠い…)


 眠気に負けた俺は隣の女子に起こされて入学式を締めくくった。

 入学式が終わり、今はクラスへと向かう最中である。


「大丈夫?さっきから眠そうだけど」


 入学式の時に何度も起こしてくれた少女が声を掛けてくれた。


「ああ、大丈夫。ちょっと眠気に負けそうなだけ」

「なら良かった。私の名前はライラ・デクアルートよろしくね?」


 さっきの講堂は暗くてよくわからなかったが、よく見るとその少女は金髪であり、本人の情報によるとフランス人らしい。

 このミーディア学園は世界でも有数のフリーダムナイツの操縦士を育成する名門校である。

 そのため世界各国から入学者が後を絶たない。


「俺の名前は朧火鋼夜、これからよろしくな。鋼夜でいいよ」

「うん、私もライラでいいよ」


 今も同じ道を歩いているところを見ると同じクラスらしい。

 うん、良かった実は友達できないんじゃないかと心配してたんだ。


「おーいライラーここにいたのか」

「あっ、オルト」

「すまん、はぐれた。ん?この人は?」

「あっ、紹介するね、この人は朧火鋼夜。入学式で隣の席だったの」

「そうだったのか、俺の名前はオルト・デクアルート。ライラの双子の兄だ。よろしくな」

「おう、こちらこそよろしくなオルト」


 良かった、これで話せる人が2人に増えた。

 うん、やっぱり友達っていいもんだよな。

 そうして俺はオルトとライラと共に、これから俺たちが一年間過ごす事になる教室へと足を踏み入れた。




  〜〜〜〜〜〜〜


「全員揃っていますねー。それではSHRを始めまーす」


 黒板の前でニッコリ微笑む副担任の多賀花苗(たがかなえ)先生が自己紹介を終えた後、そう告げた。


「それでは皆さん一年間よろしくお願いしまーす」


 うん、なんていうかこう、語尾の一個手前を伸ばすのが好きなのかな?

 背は低い方であろう、眼鏡を掛けているあたり目が良くないのだろうか。

 何となく好印象を受ける人だな。

 あえて言うなら猫のようだ。


「じゃあ、自己紹介をお願いしまーす。あっ、出席番号順でねー」



 そう言って、1ー1組の入学初日の自己紹介が始まった。


「…です。イギリス人で好きな紅茶はアッサムティーです」


 おお、流石イギリス人、今度アフタヌーンティーでも飲ませてもらおう。


「えー。次は朧火鋼夜君」


 おっとそうこうしてる間に俺の番みたいだ。


「えっと、朧火鋼夜です。日本人で好きな食べ物はクリームシチューです」


 そんな無難な感じで俺の自己紹介は終わった。

 その時教室のドアが開いた。

 なんだ?遅刻か?

 いやいや、そりゃないだろ。

 というどうでもいい脳内コントが滑った所でその人物が口を開けた。


「遅れて申し訳ない多賀先生」

「あっ、フェルリア先生。もう会議は終えられたんですかー?」

「ああ、今しがた終わった所だ」


 そうしてフェルリアと呼ばれた先生は俺たちの方へ向き直った。


「諸君挨拶が遅れたな。私がフェルリア・ヴォーネバイスだ。君達新人を一年間で鍛えて鍛えて鍛えて鍛え続け、死なない程度まで育てあげるのが私の仕事だ。死にたくなければ私の言うことを聞け、何をも優先して聞け、寝ていても起きろ。以上だ」


 なんという暴君であろうか。

 立っている俺を座らせる間も無くそう言い切った。

 だがしかしざわめきは起きたものの、この目の前の暴君に対するざわめきは少し違った。


「あれが、フェルリア・ヴォーネバイス。イージスのエースか……」


 そう、この人こそ今もアウターとの最前線で戦っているイージスのエース、フェルリア・ヴォーネバイスである。


「まあ、こんなものだろう。それでは自己紹介を続けてくれ」


 だがしかし、フェルリア先生の登場があまりにもインパクト強烈で俺の次の出席番号であるオルトはとても言いにくそうであった。


 〜〜〜〜〜〜〜


 SHRが終わり、一時間目が始まった。

 初日という事もあって一時間目は学校の案内だそうだ。


「いやー、噂には聞いてたけど本当にフェルリアさんが先生とはなー」

「いや、全くだ。なんで先生やってるんだろうね」

「まあ、でもラッキーだね、私達そんなすごい人のクラスで」


 学校案内の間、俺はオルトとライラと共にずっと話していた。


「ちょっといいか?」


 ん?突然話しかけられたぞ、いやまて。どこかで聞いた事のある声だな。


「……お前……まさか……美月か?」

「……覚えててくれたのか」


 目の前に立っていたのは実に6年振りの再会となる幼馴染みであった。

 彼女の名前は心音美月。

 小学校三年生の時に俺が引っ越すまで家族ぐるみで付き合いのあった少女である。

 髪型は艶のいい黒髪をそのまま伸ばした長い黒髪。

 身長は平均的な女子のそれより少し高く、俺よりも少し位低い程度である。


「ん?誰なんだ?」

「ああ、紹介するわ。こいつは心音美月(こころねみつき)。俺の幼馴染みだ」

「こいつとはなんだこいつとは」

「わかった、わかった、すまんすまん。後でココア奢ってやるから怒るな」

「そんなワガママな子供のような扱いをするな」

「いらないのか?」

「……いる」


 うん、やっぱり美月にはココアだな。

 小さい頃からココアを飲ませると途端に機嫌が良くなるんだよなこいつ。


「で、こいつがライラ。さっき入学式で隣だった」

「ライラです。よろしくね」

「よろしく、美月でいい」

「うん!よろしくね美月!こっちもライラって呼んでね」


 こいつは普段からそっけない感じで少し浮いてたんだがライラといれば安心だろ。


「で、こっちがライラの双子の兄のオルトだ」

「よろしくな、心音さん」

「ああ、よろしく」


 そうして四人での雑談に花を咲かせながら、一時間目の学校案内は終わった。



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