コユキ外伝 前編
無からうまれた神様。
あらゆるものを創造しあらゆる生物を世に生み出したとされる。
人間として生を授かったコユキの母エツコ。
生まれつき身体能力が高く、群を抜いて知能が高かった。あらゆることに挑戦し、あらゆる限界を幾度となく突破し続けた。
その先にあったのは無。
なにもない、なにも感じない、1人として同じ存在はいないと悟ったエツコ。
無から始まるものは何か。
エツコが人生の中で唯一、頭を悩ませた難問だった。しかし、その答えを出すのにさほど時間はかからなかった。
超越した先にあるのは無。無を超越するのは生。即ち天地創造、全てを作り出す、全てを生み出す存在。そうね。神と称した無から生ける存在がいるはずだわ。ふふふ。この世に神は二人といらない。
それがエツコが自ら導きだした答えだった。
世界には壁がある。その次元の壁の向こうから、神は私を脅威として感じているはずね。
もはや知能がどうこうゆうレベルを超越したエツコ。答えを見つけたエツコには、全てを悟ることが可能だった。
世界をぶち破り、無の空間に存在する神の元へとやってきたエツコは一言。
でわ、交代しましょう。二代目として私が全知全能の神として就任しましょう。
無から全てを生み出した神は、何も言わず、また別の次元へと消えていった。
………神に就任したのはいいわ。しかし、この私と同等の生物が存在するようね。
結論、その生物との衝突は創造を絶ち、うみだされたもの全てを無に帰す。それだけは避けねばならないようね。
わたしの力を受け継ぐ子が必要だわ。
瞬時に全てを悟り尽くしたエツコは、この日普通の人間へと戻り、女となったのだった。




