ゴウキ外伝~母コーコ魔神への道~
陽の当たらない陰の世界。
そこには、どう猛かつ狂暴な魔の人間、通称魔人たちが生息している。
この世界では誰もが神の存在を知っていた。
誰よりも強く、力で世界を支配する選ばれた者。それが魔神だ。
数百年前、とある一帯で数百人のチンピラ共を従え、抗争により勢力を拡大させている一人の魔人がいた。チンピラ共に親分や、ドンと呼ばれ慕われていた魔人。
「ひっひっひ。親分。今日の抗争もお茶のこさいさいでしたね。」
「コーコ。」
指紋が擦りきれる程の揉み手をしながらドンに近づく魔人の名はコーコ。ドンの子分の1人だ。
「確かに結果だけを見ればかんぷなきまでの勝利だったが、何もここまで手の込んだことをしなくても良かったんじゃないか?」
抗争相手のA。そのAと友好のあったBの名を語り、何十とゆう数の毒物を仕込んだ酒樽を贈り、その酒をたらふくまぐわった後を見計らい、ドンの一派の奇襲によりAを瓦解させたのだった。
実行犯はコーコだった。
「いやいやいやいや。仲間に1人の犠牲も出さず、いかに楽に縄張りを増やしていくか、それがあたしは大事だと思うんですよぉ。ささ、勝利を記念して祝杯をあげましょう~!」
「あ、ああ。」
その後も、ありとあらゆる手段を用いて凄まじい速さで勢力を伸ばしていくドンの一派。
どんな卑劣な手段もとる最悪の一派として名を広めていくこととなった。
ある日、ドンに呼び出されたコーコ。
「なあコーコ。ここまでこの一派がデカくなれたのはお前のお蔭だと感謝している。
だが、これからは実力のみで渡り歩いてみようと思うんだ。俺を始め、相当の実力を持った子分たちが集まっているんだ。悪名の汚名を返上しようじゃないか!」
「お、親分。だが実力のみではいずれ限界がくる。せっかく大きくなった一派なんですよ。ここまでくれば魔神の地位まで登り詰めましょうよ~!!」焦るコーコを尻目に、
「いや。限界がきたときはそれでも構わんさ!陽って物が当たらないこんな暗い世界だが、志だけは真っ直ぐに生きたいんだ。コーコ、お前や仲間たちと戦えるだけで幸せだ。悔いはないよ。」
温かい心を持ったドンがコーコに説く。
「親分がそうおっしゃるのなら、あたしはそれに付いていきますよ。では、あたしは先に。お疲れ様でした親分。」
そうゆうとコーコはその場を去っていった。
夜は深まり、ドンは1人自宅でワインを飲んでいた。
「なんか胸につかえていたものが取れたな。今日の酒は格別にうまい。」
しばらくするとドンは体の異変に気づく。
「うっ、、、。なんか体が苦しい。」
コーコが現れた。
「ひっひっひ。そこそこの駒になったっちっち。後はあたしに任せなさい。能無しのクズのアンタに代わってあたしが一派引き継いでやるっちっち。」
「毒を仕込んだのか、、、?コーコ~!!貴様~!!!」
「黙れや駒や。雑魚共から信頼が厚く多少カリスマ性っちゅーもん持ってたから利用してやったんだよ。ありがたく思いなさい。」
ドンの顔を踏見つけながら笑みを浮かべるコーコ。
「こんなしけた毒にも絶えられんよーなクズのお前に登れる階段なんかあと一、二段くらいなもんだっちっち。早めに見切りをつけて正解だったよ。あたしはこれからも、お前みたいな利用価値のあるカスを踊らせて頂点にふんぞり返ってやるっちっち。ひっひっひ。」
ドンは死んだ。代わりにコーコを筆頭に世界を支配する、ドンの遺書に見せかけた偽造書を制作し、次の日コーコは一派の親分になった。
「どら、あんたたち!!世界。もぎ取るちっちよ!!」
恐ろしい程の野心家コーコの戦いは続く。




