表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

2話 べ、別にツンデレなんかじゃないんだからっ!

やっと俺は病院から退院と言う名の自由への開放を許され、久々のシャバの空気を堪能していた。

はぁああああ!とどこぞのサイヤ人張りに声を張り上げながら深呼吸

何故病院に居たかって?それは後々説明しよう!


入学式から居なかった俺は、クラスで不良扱いとなっていた。

中学校の時一人も友達居なかったけど

元々目付きが悪く、誤解される事がしばしばあった。

だがそこで挫けないのが神崎クオリティ


華麗な手さばき、見惚れる程の脚の動き

そして何と言っても誠意のこもった謝罪

そう、土下座だ。


とかなんとか考えてる内に自分の教室1年2組に到着した。


――ガラッ


扉を開けると、一瞬教室全体が静かになり、ザワザワと騒ぎ出す。

会話の内容を聞きとるのは容易いが、大方"退学じゃなかったんだ"程度の噂話に過ぎない


自分の指定された窓側の前からも後ろからも中間の席へ座る。

そして鐘がなり、授業が始まる。

誰からも話しかけられる事もなく

誰に話しかける事もなく


そう、中学校からこんな感じだ。


俺は"ぼっち"だ。


別に独りが寂しいんじゃない!好きなんだ!


一人で野球やるの楽しいぞ!

疲れるけど


頭の中ではそうふざけて居ても、2ヶ月のブランクは高校生からすれば重大な欠点だ。


そう、全く授業が解らない

まずなんだ?先生は古代語で喋っているんだろうか

はぁ、となんとなく黒板の文字を白い紙につづる。


「――・・・これでテストの範囲は取り敢えず抑えたな!・・・ん?神崎、来てたのか?」

「あ、はい」

「なんだ、来てるなら来てるって言いに来い」

別に来ても来てなくても変わらないでしょ、空気同様なんだから!


「すいません」

「まぁいい、丁度授業も区切りが良いし、自己紹介でもするか」

"自己紹介"

別名:公開処刑

何人ものクラスメイトが見ている中で一人席を立ち、その場で自分の個人情報を阿保かと言う程露出する行為だ。

極めて俺はそれを嫌っている。


「神崎 愛です。好きとか嫌いとか特に無く、世界平和とか日々考えてますよろしく」

フッ、決まった・・・!


と、思ったのは俺だけだった。

シンと静まり返る教室の中、一人ポツンと孤立したように立っている俺を、嘲笑うかの如く見下すクラスメイト達


「あー・・・じゃあ、なんだ、"強いて言えば"好きなモノとか・・・」

先生が気を利かせて質問をする。

「戦隊モノの悪役かな、強いし」

我ながらあっぱれな程に気持ちが悪い


「じゃあ、嫌いなモノは・・・」

「さっき言ったモノの反対ですよ」

短くそう言うが、先生は理解力が乏しいらしい


「なんですか、そんな理解力でよく公務員になれましたね、尊敬します」

精一杯の絶賛だったが、生憎俺は放課後呼び出しを喰らうハメになった。


言葉って、難しいね!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ