白玉楼の噂
最近執筆が追いつかなくてヤバい。
「ふぁあ」
早朝、春花は普段からの生活習慣に則り、起床する。
そのまましばらくボーッとしていた春花だったが、下から香る香ばしい匂いにつられ、階段を降りていく。
「あら、もう起きたのかい?若いのに感心だねぇ」
下にいたのはこの宿屋の女将。
昨日、神社に連絡した後、春花はすぐに江戸へ跳んだ。
その後、しばらく情報収集をした後、この宿屋に一泊したのだった。
「あ、おはようございます。もう朝ご飯ってありますか?」
「おはよう。朝ご飯ならもうできてるよ。今日は白米と漬け物、後は焼き魚と味噌汁だね。今から食べるかい?」
「じゃあ、お願いします」
女将に朝食について聞くと、既に用意ができてるとの返事が返ってきたので、春花はそのまま朝食を食べることにする。
「はいよ。熱いから、気をつけなよ」
「ありがとうございます」
今日の朝食は、ホカホカに炊き上がった白米に、キュウリの味噌漬け、焼きたての焼き鮭、そして、まだ湯気がかなりでている豆腐とワカメの味噌汁だった。
春花は、それを受けとり、席に着く。
「いただきます」
きちんと手を合わせ、食材になった生き物達に感謝を捧げると、春花は食べ始めた。
「……とってもおいしいです!」
「そうかい。それはよかったよ」
春花の純粋な感想に、女将もつい笑みがこぼれる。
そのまま春花は無言でひたすら朝食を食べる。
「……御馳走様でした」
朝食を食べ終わった春花は、皿を返却した後、部屋に戻る。
「……えっと、昨日手に入った情報は……」
部屋に戻った春花は、机の中から一枚の紙を取り出すが、そこに何も書かれていないことに眉をひそめる。
「……結局、昨日は何もわからなかったなぁ。……あ、そうだ、女将さんに聞いてみよう」
荷物を纏めた春花は、再び下に降りる。
すると、丁度女将が片付けを終わらせたとこだったので、これ幸いと話しかける。
「あのー、すいません」
「ん?どうしたんだい?」
春花が話しかけると、女将は快く対応をするが、
「白玉楼って知っていますか?」
春花の質問に顔色を変える。
「……あんた、あそこに行くつもりかい?……あそこはやめといた方がいいよ」
「えっと…何かあるんですか?」
「……あたしは行ったこと無いけど、あそこに行くと生気を吸い取られるような感じになるらしい。みんなの間では、あそこには化け物が居るってもっぱらの噂だよ」
春花が尚も質問を続けると、女将は小さい声で答える。
「一応、場所を教えてもらえますか?」
「……あんたも物好きだねぇ。…あそこにでかい桜の木が見えるだろ?あそこが白玉楼だよ」
「ありがとうございます」
「気をつけなよ。あそこには、悪い噂しかないからね」
執拗に春花を引き留めようとする様子に、春花も白玉楼の噂とやらに興味を持つ。
「どんな噂ですか?」
「あそこには、幽霊がでるらしいよ。あとは、あそこの木の下には死体が埋まっているとかね」
「死体とは、また物騒ですね」
「だから、本当に気をつけなよ」
「はい。それでは」
そして、話を聞き終えた春花は、宿を出て、白玉楼へと向かうのであった。
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