巫女候補
ギリギリ投稿
「たっだいまー」
「旅、楽しかったですね」
「私はまた行きたいね」
あの後、春花達はヴラドとともに大陸各地を巡った。
有名な城や塔を見たり、その地域の特産品を食べたりなどをした。
その後、二週間を外国で過ごした春花達は、博麗神社に帰ってきた。
「あ、大将、お帰り」
「お帰り」
「ただいま。勇儀、萃香、あんたら二人共しっかり留守番してたのかい?」
「もちろんさ」
澪の問いに、二人は自信満々に答える。
「ならいいよ。あと、これが土産だよ」
その様子に満足した澪は手に持っていた袋を渡す。
「おお!酒じゃないか!」
「大将、ありがとう!」
勇儀が袋の中身を見ると、そこには外国産の酒が二本入っていた。
「でもこれ、どうやって手に入れたんだい?」
「ちょうど、現地で腕相撲大会があって、優勝したら賞金がもらえるみたいだったから、それに参加したんだよ」
「あのときはほかの参加者を哀れみましたね」
「澪の圧勝だったからね」
そのときの光景を思い出したのか、空と春花が苦笑する。
「ところで、何か変わったことはあった?」
「特にはないよ。でも、さっき村長が来て、大将達が帰ってきたら来てくれって伝言を残してったよ」
「ありがとう。じゃあ、私は早速行ってくるね。五人は神社で待ってて」
「わかりました」
「じゃ、行ってきます」
移動中~
「村長、ただいま戻りました」
春花が村長の家に行くと、村長は何かを抱えていた。
「ああ、君か」
「ところで、何の用でしょうか?」
「それなんだけど」
そう言いながら村長は抱えている物を見せる。
「これは…、赤ちゃんですか。村長、おめでとうございます」
「いや、僕の子じゃないから」
「それでは……、隠し子?」
「そういう発想から離れて。この子は、親がいないんだけど、神社の巫女にどうかなって」
「ふむふむ……、わかりました。この子は責任を持って私達が育てましょう」
「助かるよ」
「それでは」
赤子を引き取った春花は、転移で神社へと戻っていった。
~博麗神社~
「みんな!神社に新しい子が来たよ!」
春花が扉を開けながら言うと、
「何だって!」
「ふむふむ…。では、この子が新しい巫女ですか?」
「そう言うことになるね。で、早速名前をつけようと思う。誰がつける?」
そう言うと、全員が春花の方を向く。
「なら、ここは春花さんにつけてもらいましょう」
「わ、わかった。なら……」
春花は悩み出した。
「う~ん、そうだね~」
そして、しばらく経ったとき、春花が名前を決めた。
「……決めた。この子の名前は、「博麗霊豊」にしよう。感情豊かに育ってほしいからね」
こうして、博麗神社に、博麗霊豊という、新しい巫女が現れた。
「霊豊ちゃん、元気に育ってね♪」
春花は霊豊を抱きながら、そう呟いた。
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