帰宅
………感想が欲しい!
「村よ、私は帰ってきた!」
「一体春花は誰に向かって言ってるのだー?」
「不特定多数の誰かに」
「そうなのかー」
「あんたら何やってんの……」
久しぶりの村だー!
みんな元気にしてるかな~?
「みんなー!帰ってきたよー!」
勢いよく神社の扉を開け放つと……。
「お帰りなさいませ。春花様」
「………へ?」
……目の前に見知らぬ少女がいた。
「えっと、あなたは?」
「これは失礼しました。私はこの博麗神社の巫女を務めている、博麗霊果と申します」
「これはご丁寧に。私はここの神様をやってる鈴風春花だよ。これからよろしくね。霊果ちゃん」
「私は春花の式のルーミアなのだー。よろしくなのだー」
「私は藤原妹紅だ。よろしく頼む」
「はい!これからよろしくお願いします!」
「霊果~。調子はどう~?って!?春花!?いつのまに帰ってきたの?」
おっ、ちょうど水花が来た。
「えーと、ついさっき」
「なんかしらない間に仲間も増えてるし。まあいいや、とりあえず二人も呼んでくるね」
「うん、お願い」
「じゃあその間にお茶でも用意しますか。二人とも、この先にある部屋で適当に座って待ってて」
「わかったのだー。早速行くのだー」
「ち、ちょっと、服を引っ張るな」
それを聞いたルーミアが妹紅ちゃんをつれて部屋へ行った。
「あの、お茶なら私も手伝います」
「そう?なら永琳仕込みのとっておきのお茶の入れ方、教えてあげるよ」
「はい!」
そして私達も台所へと向かった。
数十分後
「へぇ。じゃあ霊果ちゃんは澪に拾われてここにきたんだー」
「はい。そのころの記憶はほとんどありませんが、あの暖かい腕の感触はいまでも覚えています」
「そっか~。今は幸せ?」
「はい!そのおかげで澪姉様や空姉様、水花姉様、そして、春花様に会えましたから」
「そう言われると少し照れるね(//▽//)」
それにしても、霊果ちゃん手際いいな~。
もう手順を覚え始めてる。
「………できました!」
「どれどれ?」
「……どうですか?」
「……う、」
「う?」
「う、ま、い、ぞー!」
ふつうに私のより美味しい。
これでも自信はあったのに。
同じ茶葉なのにここまで味が変わるとは……。
「本当ですか!?ありがとうございます!」
うんうん。
霊果ちゃんも嬉しそうだし、その笑顔を見れた私も嬉しい。
「じゃあ、お茶を持っていこうか?」
「はい!」
――――――――――――――
「みんなー。お茶の用意できたよ」
「お、春花、久し振りだな!」
「澪!久し振り!」
「お元気そうで何よりです」
「空も元気そうだね」
「お土産~」
「春花~お腹が空いたのだ~」
「まさか春花が神様やってるとはな。全然そうには見えない」
「水花、土産話はお茶しながらね。あとルーミア、さっき昼御飯食べたばかりでしょう。それと妹紅ちゃん、私だってたまには神様らしいこともするんだからね!?」
「話には聞いてたけど、あまり実感が無くてな」
「といっても、たまに(・・・)村人の頼みを聞いて叶えるだけですけどね」
「そ、空!?たまにって、それじゃ、まるで普段は働いてないみたいじゃん!?」
「でも本当のことじゃないですか」
「くっ。は、反論できない」
「皆さん、とりあえずお茶しましょうか?」
「そうだね(霊果ちゃんナイス!)」
危うく私がニート扱いされるところだった……。
ちゃんと働いてるよ!
1ヶ月に一回くらいの割合で!
「あれ?誰かそこにあったお菓子知らない?」
と、水花が突然言い出した。
「「「「知らないよ(な)((です))」」」」
「じゃあ私のお菓子は一体どこに………?」
その時、水花の近くから手が伸び、お菓子を持って行くのを私は見た。
「……はぁ。……紫。そんな事してないで出てきたら?」
「…?春花、あんた一体誰にいってるんだい?」
「今にわかるよ。紫~。出て来て~。………出て来ないなら引きずり出すよ?」
「………わかったわよ。わかったからその手を下ろして」
私が呼びかけた瞬間、私の隣の空間が裂け、スキマが開かれる。
「水花、こいつがお菓子泥棒だよ」
「私のお菓子に手を出すとは良い度胸だね」
水花からの殺気がヤバい。
水花は食べ物への執着すごいからね~。
「あらあら、ごめんなさい。悪気はなかったの」
「謝ってもお菓子は返ってこないんだよ!?」
「水花、落ち着いて。また後で作ってあげるから」
「…………次はないよ」
「怖い怖い」
「紫もふざけてないの。ところで、何か用があったんじゃないの?」
「そうだったわ」
そこで紫は言葉を区切ると、
「この村に住まわせてほしい妖怪がいるの」
「誰?」
「今から紹介するわ。………こっちに来て」
「………はい」
そして、スキマから二人の少女が現れる。
「こりゃまた綺麗な子達だね」
それぞれ違う色の髪の毛を持つが、顔立ちが似ているのでおそらく姉妹だろう。
ピンクの髪の子は、白い襟がついた水色の服を着ていて、下には髪と同じピンク色のスカートをはいている。
もう一人は銀色の髪を持ち、緑の襟がついた黄色に近い色をした服をきて、緑のスカートをはいている。
そして、何よりも目を引くのは、二人の周りを漂うひもに繋がれた目だ。
ピンクの子は赤い色をしたひもを持つ目で、もう一人は青いひもの目だ。
しかし、ピンクの子の方は目が開いているのだが、銀髪の子の目は閉じている。
わたしがそれをずっと見つめていると、
「……春花?」
紫が少し心配そうに声をかけてくる。
「え?あ、ごめん。あまりにきれいな目だったから、つい見惚れてた」
「もう、しっかりしてよね」
「ごめんごめん。で、二人共、名前は?」
「古明地、さとりです。………よろしくお願いします」
「………こいしです」
「私は鈴風春花、一応ここら一帯を治める神様をしてる妖怪だよ。二人共、これからよろしくね?」
ピンクの子がさとりちゃん、銀髪の子がこいしちゃんだね、よし、覚えた。
「春花?よろしくって、事情を聞かなくても良いの?」
「うん、別にいいよ。見たところ何か悪いことをしてここにきたようではないようだし、それに、困っているところを見たら助けずにはいられないんだよ」
「はあ………。相変わらずのお人好しね。そこがあなたの美点なんだけど」
「誉めてくれてありがとう。それじゃあ二人共、住むところに希望はある?」
そう聞くと、さとりちゃんがおずおずと手をあげる。
「さとりちゃん、どうしたの?」
そう言うと少し遠慮がちに、
「あの、できれば人や妖怪から離れた場所が良いです」
「わかったよ。なら………、あったあった。ちょうど良い場所があるよ。でも、今日はもう遅いから、明日紹介するね?」
「はい、ありがとうございます」
「それじゃあ、私は帰るわね。春花、また会いましょう」
「紫もそれまで元気でね」
「そっちもね」
そういい残し、紫はスキマを開いて去っていった。
こうして私は、古明地姉妹と出会ったのだった。
またもや原作キャラ登場!




