狐の化かし
注意
今回はキャラ崩壊が起きています!
気をつけて読んでください。
みなさん、こんにちは。
鈴風春花です。
今は妹紅ちゃんと、新しく仲間になった妖怪と一緒に村に向かう途中です。
で、その妖怪は、
春花「藍~。妹紅ちゃんの実力どのくらいまで上がった?」
藍「だいたいそこらの小妖怪なら圧倒できるが、それより強い奴とはすこし苦戦するくらいだ。もちろん、大妖怪とはとてもじゃないが戦えない」
春花「一週間でそこまで上がるか……。やっぱり妹紅ちゃんは妖術との相性がいいみたいだね」
と、こんな感じで、新しく藍という妖怪が仲間になりました。
と言っても、妹紅ちゃんが妖術をそれなりに扱えるようになるまでですがね。
前に森を歩いていたら倒れてるのを見つけて、そのまま保護した後仲間になったんだ。
種族は私と同じ九尾の狐。
藍「じゃあ、次は春花の特訓だ」
実は、私も藍に教えて貰ってることがあるんだけどね。
春花「わかった」
藍「まず、昨日までの復習だ。試しにこの石を幻術でリンゴに見えるようにしてみろ」
そう、私が教えてもらっているのは幻術。
どうやら妖狐は先天的に幻術との相性がいいらしいから、藍に習ってるの。
春花「う~ん」
まずはその石に妖力をほんの少しだけこめて、リンゴを思い浮かべると、
藍「お、なかなかの速さだな」
春花「本当?」
藍「これなら実戦でも使えるだろう」
だから、と藍は言葉を区切り、
藍「今日から自分の姿を化かす練習をするぞ」
春花「わかったよ」
藍「と言っても、ものを化かすのとほとんど変わらない。今日中に習得できるだろう」
春花「これでやっと化け狐だね!」
狐ならやっぱり化けれないとね!
藍「そ、そうか。喜んでもらえるようで、何よりだ」
私の少し異様なテンションに若干ひきながらも、藍は私に化け方を教えてくれた。
………数時間後。
藍「よし、これで特訓は終わりだ。もう私が教えることはない」
春花「やった!これで免許皆伝だ」
私が喜ぶ様を見て、藍は少し人の悪い笑みを浮かべ、
藍「じゃあ、試しに妹紅を騙してみるか」
春花「OK。早速騙してくるね」
――――少女達移動中――――
春花「妹紅ちゃんは……。お、いたいた」
妹紅ちゃんは木を的代わりに妖術の練習をしていた。
春花「ていうか、あれ炎だよね?これ森焼けるんじゃない?」
藍「妹紅の炎との相性がとても良くてな、もしかしたら将来的には私より上になるかもしれない」
春花「いや、だから森の木々が燃えるって」
藍「大丈夫だ。問題無い」
春花「いやお約束はいらないから」
藍「あれは周りに一切炎をあてないようにする特訓だ。繊細な制御が必要になるから、威力が高いが繊細な制御が難しい炎を操れるようになれば、中妖怪とは互角以上に戦えるようになるだろう」
春花「へぇ」
んじゃ、一つだましてきますか。
春花「姿は……うん。これにしよう」
私は姿を大きな蜘蛛に見えるようにする。
後は周りに蜘蛛の巣の幻影を見せて、後ろからこっそり近づく。
妹紅「………誰だ!?」
妹紅ちゃんがこちらに気づいたようなので姿を現す。
妹紅「ひゃっ!?く、蜘蛛!?」
妹紅ちゃんは私を見た途端腰を抜かして座り込む。
さらにもう一押し、周りにも小さな蜘蛛をたくさん出す。
妹紅「え、ちょ、こんなに蜘蛛が」
妹紅ちゃんは周りを見渡し、さらに驚いた顔をした。
妹紅「春花!?藍!?誰か、誰かいないのか!?」
妹紅ちゃんは周りに叫ぶがもちろん誰も来ない。
実は幻術でここら一帯に人が近寄らないようにしている(藍曰く人払いの術と言うらしい)。
その間にも、妹紅ちゃんに私を含めたたくさんの蜘蛛が近づいてくる。
春花「(さあ、どうする?)」
そのまま妹紅ちゃんを追い詰めていくと、妹紅ちゃんは目に涙を浮かべ、
妹紅「ふ、ふぇーん!」
泣き始めた。
春花「やばい!やりすぎた!」
慌てて幻術を解いて妹紅ちゃんに駆け寄る。
春花「妹紅ちゃん!大丈夫!?」
私を見た妹紅ちゃんは、
妹紅「春花~!」
泣きながら私に抱きついてきた。
………やばい、凄く可愛い。
春花「どうしたの?」
妹紅「ぐすん。さ、さっき、私の周りにたくさんの蜘蛛が出てきて、私に向かってきたんだ!」
春花「それは怖かったね。でも、もう大丈夫だよ」
そのまま妹紅ちゃんを抱きしめ、背中をさする。
そのまま妹紅ちゃんをしばらく抱きしめていると、
妹紅「ひっく、も、もう大丈夫だ」
………どうしよう。
いまさらさっきのは私がやったなんて言えない。
そこに藍が来て、
藍「春花、初めて人を化かした気持ちはどうだ?」
と、笑顔付きで聞いてきた。
そのことを聞いた妹紅ちゃんが私から離れる。
妹紅「…………春花?どういうことだ?」
春花「あ、え、えっと、その~」
妹紅「私をだましたのか!?さすがにあれはひどいぞ!」
春花「ご、ごめんなさい!」
私は迷わず妹紅ちゃんにDO・GE・ZAをする。
そのまま数時間ほど説教をされ、最後にはお手製のスペカで吹き飛ばされた。
そのあとも謝り続けて、ようやく許してもらえた。
妹紅「……次は無いぞ?」
春花「了解しました!」
うぅ。
妹紅ちゃん怖かった。
しかも口調が変わったし、今までの優しかった妹紅ちゃんはどこへ………。
ごめん。
気がついたらこうなってた。




