第四話:夜
前の投稿から随分と時間が開いてしまって申し訳ないです。
出来事から時間が開いてしまったので、思い出せる範疇で頑張って書きたいと思います。執筆ペースは前の投稿時よりは落ちてしまうと思います。
自転車を漕いでいると、エーコの後ろ姿を見つけてしまう。
気まずい気持ちになって声をかけるか迷う。
いけ。見つけたからにはいけ!
「追いついちゃった」
「あ」
「待っててくれると嬉しかったんだけどな」
「ごめんね。電話したんだけど出てくれなかったから……」
携帯を確認すると、エーコからの着信があった。
魂が救われたように感じると同時に、エーコが何も言わずに勝手に帰ってしまったという、自分の思い込みを恥じる。
その後、俺達は一緒に食事をした。
エーコの傍にいれるだけで幸せに感じる。
しかし、会話は上手くは繋がらない。
「そもそも愚痴らせてよ」と言って誘ってしまったのだ。
つらつらと思い浮かぶ愚痴を語る。
エーコも疲れているようで、いい雰囲気ではない。
とても申し訳ない気持ちになる。胃が痛む。
やはり恋愛拒食症の呪縛は大きい。
このまま自分がエーコと付き合うことを想像してしまい。胃の痛みで胃薬を呑む。
今のままでは付き合うなんて不可能だと悟る。
それでも、胸のうちには喜びが溢れている。大好きな人と食事が出来たのだから。
無意識に笑顔になる。嬉しくて笑っているのか苦しくて笑っているのか分からない。
『ピンチのときにはふてぶてしく笑いなさい』という逆転裁判の台詞を座右の銘にしている俺は、気がつけば、精神的に辛い時には無意識に笑うようになっていた。
思い込み過ぎもある種の呪縛である。
故に笑顔になったとき、嬉しくて笑っているのか、苦しくて笑っているのか自分ではわからなくなってしまっているのだ。
頭がパンクしてしまいそうだ。大好きだけど、大好きと思えば思うほどに胃が痛む。
結局。この食事は楽しい雰囲気というものではなかった。
俺が一方的に愚痴って、エーコが淡々と答えるといった形になってしまった。
今日は最初だから上手く会話出来なかったけれど、少しずつ上手になればいい。
そう自分に言い聞かせる。
その日は胸が一杯のまま、家に帰り布団に入って眠りに落ちた。
次の日から、心なしかエーコの反応が冷たくなってしまった気がする。
確かに楽しい会話は出来なかった。
俺が悪かったと思う。
苦しい。どうしようもなく苦しい。大好きなのに。苦しい。のたうつ。
コメントなど、よろしくお願いします。
誰か反応をくれたなら、それだけで救われます。