表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/18

「ここで降りろ!」

 馬車の扉を開け放った男が馬車の扉を開き、中に一人座っていた女を乱暴に引きずり下ろした。

 土がむき出しの地面に手をついた女は、ひりりとする痛みを覚えて、手の平に怪我をしたことに気付いた。地面に座り込んだまま、その手を見ると、いくつもの裂傷がその白い肌にできている。

「……『治癒(ヒール)』」

 女が小さな声でそう呟くと、その傷は瞬く間に消えていった。

 それを見た、先程女を引き倒した男が忌々しそうな目で女を見下ろしながら舌打ちをする。

「気味が悪ぃ……」

 男はフンッと鼻を鳴らすと、馬車の御者台に座り直し嘲るような顔で女を見下ろした。

「王妃様に目をつけられたこと、運が悪かったと思うんだな、()()()()()()()

 そう吐き捨てると、その男は無人の馬車と共に、その場を去っていった。

 一人取り残された彼女は、地面に座り込んだまま途方に暮れる、

 こうして女――王女であったはずのミリーナは、国から捨てられた。

Kindleにて加筆修正版を販売中!

挿絵(By みてみん)

販売ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B0BJZ3SHP8

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ