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異次元姉妹と世界  作者: 喜々津々
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プロローグ

初めての小説です!キャラは一応オリジナルですが要素や能力は参考にしている部分があります。もし見つけた場合はこのキャラなんだろうな〜と思いながら読んでいただけると幸いです。

「終わった」最初に出てきたのはこの言葉だった。16歳で死んでしまうのか。

親に入らないよう言われていた森に興味本位で入ってしまった結果がこれだ。目の前にはどれだけ軽く見積もってもランクB以上の魔物であろう蜘蛛がいる。

既に俺の周りには仕掛けられた糸が貼られている。逃げ道はない、かといってこのままでは殺されてしまうだろう。ただの村民に過ぎない俺がBランク以上の魔物に勝てるはずがない。

だがただで殺される訳にもいかない。そう思い護身用に持ってきていた剣を手に取る。


「来いよ蜘蛛野郎!」


そう言うと言葉の意味がわかったのか蜘蛛が飛びかかってくる。なんの抵抗も出来ず下敷きにされた後2本の足で拘束されてしまった。


「離せ!お前みたいな醜い奴に喰われたくない!」


蜘蛛は奇声をあげ、口を開いてゆっくりと俺の顔を食そうとする。「ここまでか…」そう思った時蜘蛛の動きが止まり、自分を捉えていた足の力が弱くなっていく。

拘束から逃れると蜘蛛に何が起こったのか確認する。背中から尻に向かって大きな切り傷がついていた。明らかに人の手でつけられたものだ。


「一体誰がこれを…?」


そう言い周りをみようとした瞬間、目の前に一人の少女が現れた。薄めの水色のような髪が耳までかかっている、体型を見ると自分よりも歳下に見える。


「おにーさん!なんでお兄さんみたいな人がこんなところにいるの?」

「間違えて入っちゃって…これは君がやったのか?」

「そうだよ〜!助けて欲しいのかと思ってそうしたんだけど…もしかして助けない方が良かった?」

「いや…助けてくれてありがとう。俺は村に帰るけど…君は大丈夫なの?」

「大丈夫だよ?それよりも質問ね!お兄さんはなんで抵抗しなかったの?能力とかないの?」

「能力?そんなのを持っていたら軍隊に引っ張りだこだ!こんな平凡な村民が持ってるわけないだろ!」

「そうなんだ!教えてくれてありがと!もう帰っていいよ!」

「帰っていいって…君は命の恩人なんだ…名前くらい…」


そう言った瞬間彼女は自分に向かってなにかを投げた。それをよけながら飛んできたなにかに視線を向ける。どうやら石だったようだ。


「君危ないじゃないか!突然なに…を…?」


目の前に少女はいない。その代わり後ろから気配がする。首にはなにか冷たい鋭利なものが当てられており、少しでも動けばそれは自分を傷つけることだけは理解できた。


「せっかく助けてあげたんだからさ!命は大事にしなよ!こっちを向かずに帰ってくれたらそのまま見逃してあげる!」


後ろにいるのは先程まで目の前にいた彼女のようだ。口調は何も変わっていない。無邪気な先程までの彼女そのものだった。


「わかった!絶対に振り向かないから早く離してくれ!」


そう言うと振り向く間もなく真っ直ぐ走りその場を後にした。





















あれから30年程経ち、あの村を出たいという夢を果たした私は中央本国…世界で一番大きな街で仕事をしている。


「今日は遅くなってしまったな。もう人はいないか……ん?」


真っ暗な道を歩いていると前から人が歩いてくる。珍しいこともあるものだ。軽く会釈をしようとし、相手の顔を見てみると見覚えのある顔だった。直ぐに誰かわかった。まだ子供の頃に自信を救ってくれた少女だった。姿形は当時から何も変わっていない。


「なんで君が…」


そう口にした瞬間、両肩が軽くなった。なんだと思い下を見ると腕が両方落ちている。あまりの痛さに声をあげた。


「うるさいなぁ!せっかく肩だけ落としたのに!」

「君は…あの時の…なぜこんなことを…」

「あれ?もしかしてあなた知り合いの人?ごめんね〜私人の事覚える気ないの!じゃあね!」


今度は視界が揺れた。ゴトッという音が聞こえる。ふと、目の前を見ると自分が今日履いていた靴が見える。その瞬間全てを悟った。自分は死んでしまうのだと。意識が途切れる瞬間彼女の腕が私の頭を抱えるのが見えた。









「お姉ちゃん!この人誰か知ってる?」

「あなたの知り合いを私が知ってるわけないじゃない…それよりもいいの?最近あなたお尋ね者にされてるのよ?」

「え〜?向こうの時と変わんないじゃん!」

「こんなに人を殺ってたら仕方ないじゃない…もう少し抑えて?」

「仕方ないじゃん!こんな時間に歩いてる方が悪いんだよ?そんなの殺してくださいって言ってるようなものじゃん!」

「全く…とりあえず帰るわよ。帰ったら説教ね…」

「はーい…」


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