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同道(どうどう)
視界が完全に無くなった。
その時…。僕は…。
漸く理解した気がした。
見ない様に…。見なくてすむ様に…。そう思っていた筈なのに…。
ソレは間違いだった…。
見惚れている自分が怖かったのだ…。
僕の胎内に存在する本性が怖かったのだ…。
グロテスクな光景にエロティシズムを感じたからだ。
その証拠に…。
僕の脳内で再生されるのは…。
あの蘭鋳の様な肉瘤に塗れた…。
青白く幸の薄そうな女子高生の顔なのだから…。
嫌だ。厭だ。イヤだ。
見たくない。視たくない。観たくない。
こんな僕に巣食う【怪物】を…。