表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第6章 アイドル・ダンジョン 戦闘中!  作者: みーたんと忍者タナカーズ
3/91

3

「おい、清水、気合いが入ってないぞ」と鶴見。

「はーい」と清水が嫌々声を出している。

「ああ、右も左も貧乳ばかり」と鶴見はため息をついた。

「何よ、自分が一番小さいくせに」と清水。

「どうやってゲーム中にあの大きな胸に顔を埋めるかだよな」

 鶴見は独り言を漏らしてる。


「おいおい。あそこ、女子が遊んでる」とアフロ所長。

「本当だ」と宇佐義。

「ビキニ女子がいっぱいだ」

「そうだね」

「ここは実は楽園じゃ無いのか」

 アフロ所長が急に元気になった。

「パラダイス!」とアフロ所長がステップを踏み出す。

 突然服を脱ぎだしたアフロ所長。

「見に行こうぜ」とアフロ所長が走り出す。

 全裸のアフロ所長は股間に葉っぱだけをつけていた。

「待った」と宇佐義が呼び止める。

「なんだよ、若い女だぞ」

「あいつら、猿かもしれない」

「どう見ても人間だろ」

「いや、さっき猿の声がしただろ。猿の惑星だよ、ここは……………………」

「猿の雄叫びじゃ無くて女子のはしゃいでる声だったんだよ」

「いや、これはワナだ。猿の仕掛けた罠だ、絶対」

「何言ってんだ。目の前にビキニ女子がいるんだぞ」

「だから怪しいって言ってるんだ」

「どこが怪しいんだよ。ビキニ姿の女子だよ、あれは」

「いや、これはワナだ。ハニートラップだ」

「目の前にビキニ女子をぶら下げられて見逃すバカがどこにいる」

「ビキニの女を餌に、どこかで猿が人間狩りをしてるのかもしれない」

「考えすぎだよ」

「ここが猿の惑星と言ったのはアフロ所長だろ」

「いや、ここはきっと新島だ。ナンパ島だ」

「とにかくしばらく様子を見ないか」

「どうしてそんなに慎重なんだ」

「餌につられて落とし穴に落ちるテレビ番組かもしれない」

「ああ、ロンドンハーツね」

「猿の司会者が突然現れて、ドッキリでしたとか言うに決まってる」

「考えすぎじゃ無いのか?」

「落とし穴に落ちて、猿にとらわれて、労働力として猿たちに仕えるんだよ」

 宇佐義が震えてる。

「スタッフ!スタッフ!畑を耕して!」と宇佐義が声をあげる。

「ロンドンハーツのわけないだろ。俺たちは一般人なんだぞ」

「いや、あの番組、昔は一般人にワナを仕掛けてた」

 アフロ所長の葉っぱが風でヒラヒラしてる。

「確かにそうだな」

「浮気女に鉄槌をくわえたり、一般人さえ平気でワナにかけてた」

 アフロ所長の葉っぱが飛んでいった。

「そんなに言うなら、まあ、しかたないかあ……………………」

「それにあの女たち、どこかで見た気がするんだ」と宇佐義。

「えっ?オレは覚えが無いな」

「いや、あの顔、覚えてる」

「オレはあんなビキニ姿覚えてないぞ」とアフロ所長。

 宇佐義とアフロ所長は森を抜け出し、砂浜の岩場に隠れて様子を見ていた。

 気がつくと宇佐義も葉っぱ1枚の姿になっている。

「パリピのオレがなんで身を隠さないといけないんだ」

「安全が確保されるまでは接触は危険だ」

「その格好で言われても説得力がないな」

「俺たち、はっぱ隊」

宇佐義は自慢のモノがブラブラしてる。

「なんて大きさだ」

 アフロ所長が白旗を手にひれ伏した。

 白旗はアフロ所長のブリーフであった。

「科捜研の電力供給をまかなっている強大なタービン様」

 宇佐義の葉っぱが風に舞う。

 アフロ所長のブリーフも風に舞う。

 それからしばらく観察が続いた。

「せっかくのビキニ女子だというのにな」

 アフロ所長は岩陰から虹コングたちを見ていた。


「じゃあさあー、最初はなんの競技にするの」

鶴見があかりんに聞いた。

「あかりん、わかんなーい」

「最初はビーチフラッグ対決だ」と大和葵が言った。

「そっか、ビーチフラッグだな」

 鶴見は旗をとる素振りを始めた。

「実況の大和です。ゲストは虹色コングラチュレーションの」

「桐野です」

「大塚です」

「ヨロシクお願いします」

「第一走者は鶴見ですね」と大和葵が実況を始める。

「張り切ってますね、鶴見さん」と桐野。

「いつも気合いが入ってますからね」と大塚。

「若い子に負けない」と鶴見がガッツポーズ。

「巨乳さんチームはねもちゃんでしょうか」

「そのようですね」

「ねもちゃんも胸で素振りをしてますね」

「胸でフラッグをつかむんでしょうか?」

「さあ?」

「見てみたくないですか、胸でどうやってフラッグをつかむのか」

「見たい、見たい」と桐野が叫ぶ。

「胸で鶴見さんを弾き飛ばしそうですね」

「いやあ、楽しみです」


 鶴見がねもちゃんの胸を見つめながら、思わずヨダレを垂らしている。

 ビーチフラッグ……………………。

 それは砂浜で遠くに離れた旗を取り合うゲーム。

 旗を巡る争いはまさに胸に顔を埋める大チャンス。

 もみくちゃになった勢いで胸に顔が……………………。

 いわゆるアニメに有り勝ちな「なんでいきなり胸に手が」みたいな展開。

 旗を取り合い、もみ合い転がり思わずねもちゃんの胸に顔が。

 これで夢心地。

 昇天間違いなし。

 鶴見はヨダレが溢れてしょうがない。


「よーい」と耳を塞いで鉄砲を構える神田。

 砂浜に腹ばいになる二人。

「あっち」と鶴見は声をあげる。

「えっ、どこが熱いのかしら」

「熱いって砂が!」と鶴見が怒鳴ってる。

「私、脂肪の塊二つで熱を吸収してるから、全然熱くない」

「だってめっちゃ熱いでしょ」と鶴見は悶絶してる。

「ベタ胸だから全身で熱を吸収するのね。お可哀想」

 じっと暑さにたえる鶴見。

 ああ、辛抱だ。

 この苦しみのあとにあるご褒美。

 鶴見はねもちゃんの巨大な胸を思い浮かべる。

「貧乳さんはお熱いのね」

「お熱いのはお好き。ププッピドゥ」と強がる鶴見。

 もうヨダレも枯れていた。

「可哀想ね」

 ねもちゃんが蔑んだ目で鶴見の胸を見つめてる。

「可哀想、言うな」と清水が言った。

 フフフフフと笑うねもちゃん。

「早く引きがね引いてよ」と苦悶の鶴見。

「だって怖いんだもん」とカンダが銃声にビビってる。

「早くしろよ、神田」

「だってぇー」

「もう、早くしないと焼け焦げちゃう」

「ほんと、可哀想なお胸だこと。同情しちゃうわ。オホホホホホホ」とねもちゃんは高笑い。

「早く、撃てよ、神田」

「無理」とカンダはその場に座り込んだ。

「ああ、もう、やけどする」と鶴見が上体そらし。

「ねえ、カメラ、私の上半身をうつしてね」とねもちゃんが余裕の舌なめずり。

「カメラがありません」と大和葵の声がする。

「何、放送しないの?」

「分かりません」

「スマホで撮影したら」

「何かの時のために電池を残してないと」

「何。一人くらい、撮影用にしたら」

「ダメです。スマホはライフラインですよ」と大和葵。

「私、自撮りしてるけど」とねもちゃん。

「やめてください」

「だってインスタにあげたいし」

「そもそも圏外ですから」

「でも私のナイスバディは保存しておかないと」

 ジリジリ焼け付く砂浜に鶴見が干物になりかけている。

「スターター、チェンジしろよ」と鶴見が吠える。

神田に変わって、ありさが銃を手にする。

「よーい」とありさも銃にビビってる。

「怖い」と足を震わせる。

「もう、焼きするめになっちゃうって」

「引きがねを引くだけでしょ」

「無理」

「もう無理」と鶴見は立ち上がる。

 鶴見の前半分が真っ赤っかである。

「バン」と大塚が銃を引く。

 瞬間、ねもちゃんが立ち上がり、走り出す。

 揺れる巨乳。

「あっ、待った」と鶴見が追いかける。

 揺れる胸がクラッカーのようにバチバチ音を立てる。

 このままじゃ、胸に顔が埋められない。

 鶴見が必死にあとを追う。

 途中でねもちゃんが立ち止まる。

「ねもと息切れか」

 鶴見は横目で胸を見ながら、ねもちゃんの胸を追い越した。

「そのすきに鶴見が追い抜いた」

 鶴見が旗をとる。

「鶴見の勝利」

 鶴見が旗を突き上げる。

 鶴見は悔しそうな顔。

「ビー」と笛を吹くあかりん。

「鶴見、失格」

「どうして」と鶴見があかりんに突っかかる。

「だってフライングだし」

「何、熱くて立ち上がったから」

「そう」とあかりん。

「アレって熱くて立ち上がっただけだし」

「ぶぶぶぶぶー。失格」

「勝者、ねもちゃん」

「チームパイナポーが一ポイント先取しましたね」

「そうですね」

 鶴見が旗をねもちゃんに手渡す。

 ねもちゃんが旗を高々と突き上げる。

 鶴見がその隙を逃さない。

 鶴見がねもちゃんに抱きついた。

 そしてねもちゃんの胸に張り付いた。

「モォー!変態」とねもちゃんと鶴見がもつれ合っている。


「王手ですよ。あやめが撮ればこのゲーム、巨乳さんチームの勝ちです」

「チームパイナポーです」とあやめ。

「ねえ、勝負に勝ったからってどうなるわけ?」

 大和葵があかりんに聞いた。

「あかりん、しらなーい」

「賞金はなんなのよ、清水」と鶴見が怒鳴る。

「えっ?私?」

「そうよ、清水の企画でしょ」

「そうなんだ、私の企画なんだ」

「台本に書いてるよ、企画清水って」

「台本あるんだ」と清水も初耳であった。

 あっ!と清水が閃く。

 ゲスノート?いや、台本か……………………。

 やっぱりゲスノート、いきてるんだあの落書き。

「賞金は何?清水」

 賞金なんか決めてないし……………………。

 原作者、考えてくれないの?

「私の部屋の生乾きの洗濯物とか」

「いらんわ」とねもちゃんは抱きつく鶴見を引き剥がしながら言った。

 おい、原作者、何を言わせるんだと清水。

「じゃあ、一週間前の飲みかけのペットボトル」

「このゴミ女」とねもちゃんが鶴見の頭を叩いてる。

「この胸なし変態女」

「新しい妖怪の名前ですか」と大和葵。

「賞金はあかりん先輩の熱いキスとか……………………」

 どさくさに紛れて言ってやったと清水。

「いやよ、あかりん。清水、きたないしー」

 あかりんは渋い顔。

「があああああああああああああああーん。失恋気分。

 清水が手をついて落ち込む人の絵文字のようになっている。

「清水の変態」とあかりんが言い放つ。

「があああああああああああああああーん。ショック、ショック、ショック!」

「あかりんはそんなに安い女じゃないもん」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ