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第6章 アイドル・ダンジョン 戦闘中!  作者: みーたんと忍者タナカーズ
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「青いビーチ」

「青い空」

「ここは楽園パラダイス」

 ビキニを着た女子が砂浜を走り出す。


 ビキニ姿の虹コングが海の中で水をかけ合っている。

 ビーチマットに寝転がり、日焼けをしてるねもちゃん。あやめちゃん。マトパカ・リン。

 ビーチチェアに座ってジュースの中の氷をもてあそぶ鶴見。

 バナナボートに乗ってはしゃいでるありさ。ジュナ。

 ワニの浮き輪で競争をしている大和葵と山崎。

 桐野と大塚。アイリーン蛭子がビーチボールではしゃいでる。

遂にキター。

 私のMCがっ!

ゲスノートパワーだ。

「さあ、始まりました」と清水がマイクを手に叫んでる。

「虹コングの冠番組。虹色コングラチュレーション。夏のビーチで大はしゃぎ」

 清水がピコピコハンマーを手に大声を上げる。

「さっそく競技に入りましょうか」

 清水が叫ぶ。

「えええええええええええええー」とあかりん。

「まだ遊び足りなーい」とふくれっ面。

「そうよ。せっかくビーチに来たのに、なんでゲームなんかしないといけないのよ」

「私、日焼けNG」とあかりんがパラソルの下、梅酒を飲みながら声をあげる。

「だいたいなんで清水が司会なのよ」

 鶴見が清水の肩にグーパンチ。

「はいはい。そこの暴力女。マイナス1点」

 清水がジャッジ。

 MC清水さまのお通りよ。

「番組MCは絶対」と清水。

「私、休む」と山崎がパラソルの下に逃げ込んだ。

「まったく協調性のかけらもないんだから」

「じゃあ、チーム分けしましょ」

「私、リーダー!絶対、ぜーったい、リーダーやるっ!」と鶴見が手をあげる。

「じゃあ……………………」と清水はみんなの顔を見る。

 みんなが目をそらす。

 何よ、みんな出たくないの?

「じゃあー、私が選ぼうかなあー」と鶴見がみんなの顔を見る。

 アイリーンと目が合う。

「アイリーン、私のチームね」

「はい」とアイリーンが答える。

「じゃあ、決まりね」と清水。

「鶴見パイセンチームはチームAカップ」

「ええー……………………」とアイリーン。

「鶴見パイセンはマイナスAカップだけど……………………、私はもう少しはあるしぃー……………………」

「そんなこと言うなら、清水もうちのチームでしょ」と鶴見。

「えっ、私、MC」

「だめよ、うちのチームよ、清水は……………………」

 鶴見が清水の腕を引っ張る。

「なんでそうなるのよ」

「じゃあ、私、司会がしたい」と山崎が手をあげる。

「無理でしょ」

「ええええー」

「私、司会したい」と日傘をさしたあかりん。

「エエエエー、あかりん先輩、Aチームに入ってくださいよ」

「無理。だってあかりんの方が清水より大きいしぃー」

「それはそうだけどぉー」

 ゲスノートはどうなってるのよ。

 まさか最初の挨拶で終わりなの。

 清水は渋い顔。

「チーム貧乳さんなら相手チームは巨乳さんチームよね」

 あかりんがあやめとねもちゃんを指差した。

「まあー、しょうがないわね」とねもちゃん。

「いくわよ、あやめ」

「はい」と二人は胸を突き出して歩き出す。

「私たち、チームパイナポー」と大きなハートマークをつくる。

「きゃあ、可愛い。私もやりたい」とあかりん。

「あかりん先輩はどう考えても貧乳チームでしょ」と清水が言うと、あかりんは頬をふくらかす。

「そんなこと言うと減点なんだからね。マイナス10万点」

「えええええええええええええー」と清水。

「十万点、逆転するわよ」と鶴見は屈伸を始める。

 そして一人砂浜をダッシュ!

「どこ行くの、鶴見パイセン」と清水が叫ぶ。

「もちろん、明日に決まってるじゃん」と振り返りざま鶴見が腕立て伏せを始める。

「勝つわよ」と一人張り切っている。

「貧乳さんチームは決まったけどぉー」とあかりんはみんなの胸を見つめる。

「チームパイナポーにもう一人欲しいかな」

「はいはいはーい」とマトパカ・リンが手をあげる。

「やっぱ、チーム編成は3人だからぁー」とあかりんがみんなの顔を見つめる。

「はいはいはーい!はいはいはーい」とマトパカ・リンが手をあげ、ジャンプ。

「誰にしようかな」とあかりん。

 みんな、目が合うと目をそらす。

「はいはいはーい」とマトパカ・リンが手をあげたままあかりんの目の前でジャンプを繰り返す。

「しょうがないなあー……………………」とあかりんは熊本を指差した。

「えっ?私」と熊本は腹筋をしながらあかりんを見る。

「もう、体、温まった?」

「まだまだ、ウォーミングアップ中」と熊本は一人で反復横跳びをしている。

「はいはいはーい」とマトパカ・リンがあかりんに体当たり。

 よろけながら、あかりんは、

「じゃあ……………………」と言った。

 マトパカ・リンがピコピコハンマーであかりんの頭を軽く叩く。

「何、リンちゃん」

「私、出ます」

「トイレなら森の中でお願いね」

「じゃなくて」とマトパカ・リンは悔しがる。

「うんちくんは穴を掘ってね」

「うん、分かった!って、おい!」とマトパカ・リンがつっこんだ。

「それじゃあ、あかりんが出ようかな」とあかりん。

「おい、おーい!」とマトパカ・リンはあかりんの耳たぶを摘まむ。

 そして耳を引っ張って、「モォー!どこに目をつけてんの」と言う。

「でもあかりんはグルグルバットしかやりたくないなあー」と口を尖らす。

「おい!」とマトパカ・リンがつっこむ。

「私のこの豊満な胸が目に入らないの?」

 マトパカ・リンが腕を組んで胸を持ち上げる。

 じっとあかりんはマトパカ・リンの胸の谷間を見つめる。

「そんなに言うなら、しょうがないなあー」とあかりんは小首を傾げる。

「ふうー」とマトパカ・リンが大きく息を吐き出す。

「やっと気がついたあー」

 マトパカ・リンは精一杯のセクシーポーズ。

「あはあーん」とため息。

「やっぱり私かな」とあかりん。

「ずこっ!」とマトパカ・リンがずっこける。

「昭和のギャグ」とあかりんは笑い出す。

「リンちゃん、面白い。10万点」

「ヤッター」とマトパカ・リンはガッツポーズ。

「じゃあさ、リンちゃん、貧乳さんチームに入ってよ」と清水。

「無理」とマトパカ・リンは胸を突き出す。

 神々しい光りを放つマトパカ・リンの胸。

「まぶしい」と清水が目を手で隠す。

「リンちゃん、チームパイナポー、決定」とあかりんが叫ぶ。

「ヤッター」とマトパカ・リンは飛び上がる。

 ジャンプ、ジャンプ、ジャンプで大喜び。

「私たちも可愛いチーム名をつけましょ」と鶴見。

「チームぬりかべ」とあかりんが言った。

「いやあ、そこは一反木綿でしょ」と鶴見。

「真っ平らとか」

「全然可愛くない」とアイリーン蛭子。

「チームアマチュア無線」とアイリーンが言った。

「センス無いわあー」と清水。

「もう、チームAでいいんじゃない」と鶴見。

「そうね、面倒くさいし」と清水。

「えええええええええ」とアイリーン。

「私はあるもん」

「じゃあ、チーム無い物ねだりでいいんじゃない」

「いいですね、鶴見パイセン」

「分かった。それでいい」とアイリーンは渋い顔。

「じゃあ、私たちは遊んでいいのね」と他の虹コングメンバーがみんな塵じりになる。

そしてビーチボールやバナナボートで大はしゃぎを始める。

「なんでそうなるわけ」と清水。

「せっかくのバカンスなのに、ゲームって仕事みたい」と大和葵。

「じゃあ、私、あっちの島まで泳いでくる」

 そう言って、熊本が海にダイブ。

 そのままクロールで泳ぎ出す。

「ねえ、あの島まで何キロくらいあるの?」

「10キロくらいじゃない」

「一人でトライアスロンでもする気?」

「それより逆ナン、逆ナン。ビーチと言えば男でしょ」と桐野。

「って男、いなくねえー」と大塚。

「ああ、男日照り。やる気失せるわぁー」と桐野。

「日焼けするし、パラソルで休まない」と大塚。

「しょうがないかあー」

「このビーチ、男子禁制なの?」

「て言うか、私たちしかいなくねえ」

「ほんと、プライベートビーチ」

「まっさかあー。そんなお金があるわけ無いし……………………」

「あるじゃない、喪服チャン」

「まさか、これって喪服チャンからのプレゼントとか?」

「そんな太っ腹なあ」

「4億あるのよ。あるんじゃねえ」

「あるかな」

「あるよ」

「いやいやあー、ないない」と二人はビーチチェアに腰掛ける。

 二人はギラギラデザインのサングラスをして、フルーツがいっぱいのったカクテルを飲んでいる。

「もしかしてこれって、虹色コングラチュレーションの夏休みスペシャルじゃない」

「て言うか、休み、そんなにとったら、フェスに出れないじゃん」

「そうね、夏は稼ぎ時だもんね」

「アイドルフェスが目白押し」

「武道館という箔もつくしね」

「ああ、武道館かあー、アイドルの夢よね」

「夢が叶うのね」

「トリが増えるんじゃ無い」

「いきなりトリはないでしょ」

「何言ってんの。昔はトリが当たり前だったのよ」

「なんだかんだで老舗だしね」

「オレンジステージでトリやりたいね」

「いけんじゃねえ」

「パねえ」

「こんなことしてる場合」と桐野は急にまともになる。

「そうよ、レッスンしないと」と大塚もオロナミンCを飲み干した。

「て言うか、みんなだらけてる」

「サマーバケーション」

「もしかして、夏合宿じゃねえ」

「あり得る」

「喪服チャンが突然現れて、強化合宿とかあー」

「砂浜をウサギ跳び」

「竹刀を手にビシバシしごかれるの?」

「やだー、そんなの、昭和だし」

「て言うか、撮影スタッフいなくねえー」と大塚が辺りを見渡す。

「ほんとだ」

「ユーチューブにもあげないのかな」

「さあー」

「ドッキリとか」

「カメラ隠してるのかな」


 なんなのよ、ゲスノート。

 私、全然主役じゃ無いし……………………。

 清水はイラついていた。

「じゃあそろそろゲームをはじめよう」とあかりん。

「はーい」と清水が嫌々返事をする。

「おい、清水!声が死んでる」とあかりん。

「マイナス100点」

「ええええー」

 て言うか、もうどうでもいいや。

 カメラも無さそうだし、こんな企画で頑張ったら、張り切り損じゃ無い。

 労働に見合った対価が欲しいわ。

「清水!元気が無いぞ。マイナス1000点」

「はーい」と暗い声。

「ネジ巻いてあげて」とあかりんが言うと、アイリーン蛭子が清水の背中のチャックをおろす。

 すると背中にネジがついている。

 アイリーン蛭子がネジをまわすと、清水の目に精気が戻り始める。

 そしてアイリーン蛭子がネジを巻き終えると、

「パオーン!」と清水の鼻から煙が吹き出した。

「やるわよ」と清水が急に元気になった。

 そしてタピオカミルクティーをアイリーン蛭子が手渡すと、鼻の穴にストローをつっこんだ。

「タピオカ爆弾」と言って、アイリーン蛭子に向かってタピオカ爆弾を発射する。

「きゃー」とアイリーン蛭子。

「もう、きたないー」とアイリーン蛭子。

「なんか清水の張り切りがから回ってるね」と大塚がサングラスを外す。

「ねえ、私たち、こんなんでいいのかな」

「いいんじゃねえ」

「武道館に出るんだよね」

「出るみたい」

「出たらモテるかな」

「モテモテじゃん」

「モテモテかあ」

「ハーレムよ」

「でもオタクしかいないんだよね」

「いないじゃねえー」

「なんかテンションあがんないね」と桐野はため息。


「ぽっ、ぽっ、ポー」と清水機関車が走ってる。

「シュッシュポッポ」と鼻からタピオカを発射しながら、アイリーン蛭子を追いかけている。

「じゃあさ、ほんとになんのためのゲームなの?」

「さあー」

「アニメなんかじゃイケメン男子とかが一人いてさあ、みんなで取り合うみたいな場面じゃん」

「そうよ。そうよ。イケメンいないしさ」

「ビーチバレー。男子の温泉覗き。アニメの定番じゃ無いの」

「何一つそろってないわ」

「これのどこがバカンスよ」と大塚が叫んだ。


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