白地図の過去
まさか、自分がこのような形で土地を守っていくなんて、考えてもいなかった。この家は、元々父の一族が代々守っていた家で、幼い頃は兄と一緒にここで育った。
家の外には畑があって、父はそこで農業をしながら暮らしていた。決して生活は豊かとはいえなかったが、家族水入らずで暮らしていた。
僕が産まれる時にはもう若いとは言えなくなっていた両親は、僕が高校生の時に身体を患って亡くなってしまった。
僕には八歳離れた兄が居て、兄は仕事をしながら僕を養ってくれた。そんな兄に頼らなくても生活出来るように、家の土地を耕し、父と同じように農作業を始めた。
元々、僕は農作業は嫌いで、苦手だった。進んで父の手伝いをする事はなかったし、部活に熱中するふりをして逃げる時もあった。だが、仕事なら、嫌いとか、苦手とかで逃げる事は出来ない。今思えば、父の手伝いをしておけばよかったと後悔している。
兄は結婚していて、子供も居る。それなのに、僕はずっと両親が守っていた土地にすがって、一人暮らしている。はっきり言って劣等感を抱く事はある。それでも、自分でそう生きると決めたのなら、最後までそうしてみせる。




