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白地図の世界〜Blank World〜  作者: 無名人
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梅雨の最中


 月が変わってしばらく経った。強い日差しから来る熱気に蓋するかのように、雲が空を覆い、温かい雨を降らせていた。蕾だった紫陽花は、それぞれの花壇で花を咲かせている。

 紫陽花の花の色は土のpHで決まるのだと、長居先輩が授業で習ったのを俺に教えてくれた。



 この雨だからか、サッカー部は外での練習が出来ない。それは、他の運動部も同じだった。俺達は多目的ホールに集まって、トレーニングや作戦会議をしていた。見ると後ろの方ではテニス部が同じように活動している。他の運動部も、大会が迫ってる中雨になって、中に集まっているのだろう。



 しばらく雨が続いていると、鬱陶しいと思っていた日差しが、少し恋しい。先日あった試合が晴れて、しかも勝つ事が出来た事だけが一つの安心だ。

 だが、勝てたという事は、次の試合が待ち構えているという事だ。まだ安心は出来ない。俺達は過去の試合や、相手校の情報を見ながら作戦会議をしている。



 ふと背後を振り向くと、テニス部の人混みの中で、一人悩んでため息をついている真司の姿を見つけた。テニス部も同じように悩んでいるのだろう。それにしても、何故真司だけが深刻な顔になっているのだろう。俺は、真司の事が気にながらも、サッカー部の会議に参加していた。



 結果を残す事だけが全てではない。と大人達は言う。だが、結果で評価するのは大人達の方だ。俺達は結果だけの為に動いている訳ではない。自分の中で何が足りないのか、どうすればもっと上手くなるのか、考えながら動いている。



 サッカー部顧問の長池義隆(ながいけよしたか)先生は国語教師で、残念ながらサッカーには詳しくない。先生の話によると、昔やっていたらしいが、今は身体が動かない為か、あまりやろうとはしない。最も、先生があまり関与しないお陰で、俺達が自由にやれるというのはあるが。


 

 梅雨の中の晴天の事を、五月晴れというらしい。最近は、五月の晴れと言う意味で使う事もあるが、長池先生の話によれば、こちらの方が正しい使い方だそうだ。俺は、次の試合がその五月晴れになるように、願わずにはいられなかった。

 

 

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