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まずはあなたの痛みに対して
私もまた、同じように断絶を感じ
そのなかでできうる限りの繋がりを探そうとしていることを
告白しようと思います
私たちはそのなかで
互いが思う以上の熱に身を晒し
すっかり季節を焦がしてしまったのかもしれません
ですがそれでも、私たちは互いを求めています
あなたが望むのでしたら
私はどれだけでも私の言葉を差し上げます
しかしあなたは
私からの言葉をどうして待っていられるのでしょう
手紙は時間を要します
どうしてあなたは
手紙ではない方法を選ばないのでしょうか
私の手書きの文字が見たいからでしょうか
しようと思えば、私たちは電話をすることができます
今では文字のやり取りなど
手紙以上に効率の良い方法がいくらでもあるのに
どうしてあなたは手紙を続けようとされるのでしょう
もちろん、私はあなたの手紙を批難しようというのではありません
あなたの文字の形や流れは
私への思いをなぞるように書かれています
私も、手紙以外でのやり取りを望みません
いえ、私は待ち遠しいのです
手紙以外を望まないと言っておきながら
もっと早くあなたの言葉に触れたい
もっと早く私の言葉を送りたい
一度あなたに、どれだけでも待つとお伝えしましたが
こんなにもすぐ
自分の言葉が嘘になってしまうとは思いませんでした
今では、他の何よりもあなたの言葉を待っている私がいます
あなたの言葉を考えない時間があるでしょうか
そしていつも、こう思うのです
私の言葉とあなたの言葉が
遠く離れたままでまるで
星座のようにひとつの物語を作れないものかと
私たちは接することのない季節ではありません
あなたが夏で、私が冬だということはありません
私たちはいついかなる時も同じ季節であり続けるはずです
今、私たちは互いに夏となっています
ですが天の川を挟んで会うことのできない
あの彦星と織姫の話とは違います
いえ、そもそも、あの二人は本当に
一年に一度しか会えなかったのでしょうか
そうかもしれません
それでも、私たちは違います
会えないことは何の苦にもなりません
言葉があれば、私たちはたとえ地球の反対側にいたとしても
今と同じように互いを感じ合えるはずです
いいえ、たとえ手紙が
あなたの言葉が一年に一度しか送られてこなくても
私はやっぱり待つことができるでしょう
あなたは私のことを
矛盾しているとおっしゃるかもしれません
ですがあなたなら分かってくださると信じています
私たちは言葉を介して出会い
言葉を送り合ううちに
言葉がどこまでも広がって互いの思いにまで届くことを知りました
分かってくださると思います
あなたと私の間にある地上の距離は
私たちが言葉を伸ばせば
すぐに埋まる距離です
もう私たちは
言葉を送るというところから先に進めるはずです
この手紙を最後として
私はあなたの言葉が、もっと直接
私の言葉にまで伸びてくるのを待つことにします
きっと
私たちにならできるはずです
私たちは
誰に認められる必要もなく
確かに、詩人なのですから