Pre-Z-6:君がための青い目の剣士(5)
君がための青い目の剣士
(5)
☆前回までのハコニワ☆
❮……うっぐ……ふぐ……な、泣いてなんかねーしっ……うぅ……❯
泣いてるかむいさん、マジカワ。
─────(°皿°﹢)シネ。──
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次の日から私たちは行動を始めました。
およそ一ヶ月後に起こる“フローラ大量殺人事件”をフローラの人にとって大きく、解決したあとも忘れないようにするためにかむいさんは次のことが必要だと言いました。
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「①不吉な予兆。まあ、噂を流すくらいで効果が出るだろ。変な噂を流して、それが広まっているうちに噂と似たようなことが起きると、嫌でも忘れないだろ?
②強烈な登場人物。覚えやすい、珍しい特徴を登場人物に持たせるんだ。今回だと、殺人犯には赤い瞳、ヒーローの方には青い瞳ってな。
③印象的な舞台設定。起こる事件に対して相応しい舞台を用意する。そうだな、今回は……月食!確かちょっと前──だから今から考えて──一ヶ月後くらいに事件がとは違う日に月食が起こったはずだ。その日に事件の日を変えよう。赤い瞳に赤い月……うむ、完璧!」
出ました、えっへんのポーズです!
Lv.1くらいでしょうか。
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その時は成る程、と思ったのですが、今考えると不思議なことがあります。帰ったら聞いてみないと。
私は町中を駆け回ります。
宿から持ち出したこの紙をいたるところに隠しながら。
紙にはこう書いてあります。
『赤い瞳に気をつけろ、奴らは必ず狂い出す
赤い月に気をつけろ、ソノ日は必ずやって来る』
「どうして“奴ら”なのですか?新聞には犯人は一人と書いてあったのに」と聞いたら、間違えたんだけど直すのが面倒だったから、と教えてくれました。
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「ふぅ……やっと終わりました……」
指示された地域に紙を隠し終えた私は、へとへとになって宿に帰りました。
宿では女将さんが洗濯物をたたんでいたので、私も手伝うことにしました。
「そう言えば、かんなちゃん、知ってるかい?私もね、さっき聞いたばかりなんだけどね、町ではこんな噂が出回っているんだって──」
それはさっき私が蒔いた噂です。
もうここまで広まっているなんて。
おどろおどろしい内容のはずなのに、何故か女将さんは楽しそうです。
「いや、この町でこんな噂が流れるのは珍しいことでね。時間が止まっているっていうか、眠っているっていうか……とにかく普段は本当につまらない平和な町なのさ」
その時、かむいさんが「ただいまー」と帰ってきました。
「かんないるー?」
あ、行かなきゃ──あ、でも。
私が残った洗濯物とかむいさんの声の方を交互に見てあたふたしていると
「行ってきな。私は十分助かったよ、ありがとうね」
と女将さんが優しく言ってくれたので、ペコリとお辞儀をしてからかむいさんの方へ向かいました。
こんにちは。ななるです。
この、「君がための青い剣士」シリーズは簡単に終わらせるつもりだったのですが、出来るだけかんなとかむいのホンワカとした雰囲気を出そうと遊んでいたら、例のごとく長くなっちゃいました。
まだまだ続きます!
さて、次回。「あっちには書いてないこと」
次回があれば、またお会いしましょう!




