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神様の箱庭  作者: ななる
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Pre-Z-5:君がための青い目の剣士(4)



君がための青い目の剣士


(4)


☆前回までの“ハコニワ”☆


   「私の初めてをもっと誉めてください!」


           「……スゴイスゴオーイ」

─────────────


「……Aがいた……Aが、一ヶ月前と同じ服装で……誰かに剣術を教えてた……」


……。


「え?」


「──どういうことなんだっ!?俺は一週間前に飛んだはずだ!それにアイツは誰なんだ!何でAが剣術をっ……!」


頭を抱えて叫ぶかむいさん。

ここまで動揺する姿は珍しいです。


「あ、あの、かむいさん?実は私も変だと思ったことがあったんです──」


──────────────


宿で私が申し込みをしていたときのことです。


そこの女将さんは恰幅がよく朗らかで親しみやすい人でした。


「──じゃあ、このカレンダーに泊まる日を印つけといてくれるかい?はい、これペン。」


「はい、わかりました。……ええと、ここから……」


「あれ、お嬢ちゃん。今日から泊まるんじゃなかったかい?」


「ええ、そうですけど……?」


「もう、寝ぼけてんかい?三週間も後の日から丸をつけるなんて。今日の日付はここだろ?」


──────────────


「その時は、ただ私が間違えてるのだと思っていたのですが……」


かむいさんは何やら深く考えているようで、うーん、と唸った後、勢いよく立ち上がり片手をパッと開いて(多分、魔方陣を出そうとしたんだと思いますが)「あれ?」と首を傾げた後、何度かそれを繰り返しました。


「え……あ、……え?うそだろっ!?」


かむいさんの白い顔がみるみるうちに青白くなっていきます。


「ま、魔法が使えない……」


ん?


「えぇぇぇええええええっ!」


──────────────


「か、かむいさん。泣かないで下さい!ほら、まだ何か方法があるかも、ですよ?」


「……うっぐ……ふぐ……な、泣いてなんかねーしっ……うぅ……目が、かじょーに、潤ってるだけだし……えっぐ……」


か、かわいい!──じゃなくて……


「取り敢えず、宿に行きましょう!ね?考えるのはそれからです」


日はすっかり落ちて、辺りは薄暗くなっています。

通りの方もさっきより人気が減ったようです。


「……変だと思ったんだ。時魔法使ってタイムホール通ったとき、違和感があったんだ。その時は初めてだからこんなもんだ、て思ってたけど……絶対あれが原因だ……」


歩きながら沈んだ声でかむいさんが話します。

少し落ち着いたのか、もうすすり泣く声は聞こえま──


「……ふぐ……ごめん、かんな……俺が、俺が失敗したばっかりに……うぅ……」


「ああ、泣かないで下さい……!ほら、もう少しで着きますから、ね?ね?」


普段、あまり失敗しないかむいさん。

余計に責任を感じてしまっているのかもしれません。


─────────────


宿に着くと女将さんが温かく迎えてくれました。


「おかえり、お嬢ちゃん。おや、その子がお連れさんかい?なかなか素敵な王子様じゃないかい」


そう言われて、さっきまでドンヨリしていたかむいさんは、照れくさいのか顔が真っ赤になりました。


そして一歩前に出て、大きく深呼吸して言いました。


「かむいだ、よろしく。こいつはかんなという。急で悪いのだが宿泊期間を延長させて欲しい。一週間のところを一ヶ月くらいに延ばしたいのだが、どうだろう?」


凄い!ちゃんと大人相手にしっかりとした言葉で話せています。私は全然だったのに。


女将さんは少しビックリしたようでしたが、すぐににっこりと笑って言いました。


「ああ、いいよ。その代わり前払いになるけど大丈夫かい?」


かむいさんはコクッと頷いてお金の準備を始めました。


──────────────


宿の一室にて。


「状況を整理すると……

    ①一週間のはずが一ヶ月前に戻ってしまった

    ②俺はどういうわけか魔法が使えなくなった

    ③ここの料理は美味しい」


かむいさんはすっかり調子を取り戻したようで、さっきも女将さんの出してくれた料理をしっかり食べていました。


「これからどうしましょう?私は元々魔法はうまく使えませんし、どうやって戻ればいいかわかりません……」


「時については大丈夫だ。一ヶ月待てばいい。そうすれば元の時間に戻れる。──ただ、天界に帰る方法はまだ考え中だけど……」


「そういえば、かむいさん。髪や瞳の色は変わってないですよ?完全に魔法が使えなくなった訳じゃ無いのかもしれません」


フローラ(この町)に来る前に髪を白から黒、瞳を白から青に変えたかむいさんは今もそのままです。


「でも、戻すことが出来ない。前にかけたのは大丈夫でも、新しく魔法が使えないってわけだ」


うーむ。 


「まあ、一ヶ月経ってムリだったらAを頼るしかないな……うぅ、絶対怒られる……あっ!一応確認しておきたいんだけど──」


「どうしたんですか?」


「今日俺が見たAについてだ。ショッキングピンクのシャツにパステルブルーの半ズボン、そして何より目立つ赤髪アフロ。この姿ってやっぱり、一ヶ月前の姿だよな?」


「はい、間違えありません。確か一ヶ月前に一度だけその姿になったAさんが外から帰ってきたのを見て、かむいさんが大笑いしてたのをハッキリと覚えています。さんざんバカにしまくって、その後コテンパンにAさんにやられてましたよね!」


「──そんなことは覚えてなくていい……」


たしかその次の日からずっと、Aさんは『巷の若者風』の姿のままなのです。


「うーん、まあ、いいか。Aが誰に何で剣術を教えていたのかは知りようもないし、どうせ一ヶ月はこの町にいないといけないんだ。俺たちは当初の目的を達成しようぜ?」


当初の目的?何でしたっけ?


「『青い目を好きになってもらうための剣士伝説でっち上げ大作戦』開始だ!」


そんな作戦名初めて聞きましたよ……?

こんにちは。ななるです。


この作品にもブックマークがつきました!

嬉しい限りです!ポイント評価もありがとうございます!


さて、次回。「作戦開始」

次回があれば、またお会いしましょう!

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